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Vol.251 3月 こころとからだの関係性


こころとからだの関係性

 このコーナーでも何度か紹介したことがある『養生訓』。江戸時代の儒学者・貝原益軒さんが書いたこの本は、なんと300年も読み継がれている超ロングセラーです。
健幸・長寿を自ら体現した益軒さんの「健幸のコツ」を、あらためて学んでみたいと思います。

こころはからだの主人

「心は身の主也。(中略)身は心のやつこなり」(巻一)

 益軒さんは、こころとからだの関係性をこう考えていたようです。
 そして『養生訓』のなかで、両者の理想的な関係を次のように述べています。

「心は楽しむべし、苦しむべからず。身は労すべし、やすめ過すべからず」(巻二)

 こころは楽しく保ち、からだは適度に動かすことが養生の秘訣だと言っているんですね。

こころを楽しく保つ方法

 こころを楽しく保つには「七情をほどよきにするとよい」と述べています。
 七情とは、喜・怒・哀・楽・愛・悪・欲のこと。このうち、とくに怒りと欲を大敵としています。
 喜びと楽しみが含まれているのは意外かもしれませんが、なんでも「過ぎる」ことは氣を減らしてしまうということのようです。「ほどよきにし」とあるように、喜びも楽しみも、やはり「ほどほど」がいいんですね。
 そして、からだは適度に動かしていると「飲食滞らず、血氣めぐりて病なし」。
 食べたものはよく消化吸収されて、全身の血液や氣(エネルギー)が滞らないから健康でいられるというわけです。

 益軒さんは、こころとからだはつながっていて、からだの養生がこころの養生になり、こころの養生がからだの養生にもなるという「心身相関(こころとからだは互いに影響し合っていること)」についても繰り返し述べています。
 こころの養生でも、からだの養生でも、まずはとりくみやすい方法からアプローチすることで、自然にどちらの養生にもつながっているということですね。
 
 
〈『養生訓』関連箇所(現代語訳)〉

こころはからだの主人だから、静かに、安らかであるのがよい。からだは動かして働かせるのがよい。すると、こころはゆたかで楽しくいられ、からだは食べたものが消化吸収されてめぐるので、病氣にならない(巻第一)

養生をしようと思ったら、こころのなかに自分の主君がつねにいると思えばいい。すると、からだは怒りや欲を抑え、ものごとの良し悪しを考えて行動するようになる(巻第一)
 

参考文献
『養生訓』 貝原益軒
『1分間養生訓』帯津良一・鳴海周平 著(ワニ・プラス)

 

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