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Vol.250 2月 働いてからだを動かす


働いてからだを動かす

 このコーナーでも何度か紹介したことがある『養生訓』。江戸時代の儒学者・貝原益軒さんが書いたこの本は、なんと300年も読み継がれている超ロングセラーです。
健幸・長寿を自ら体現した益軒さんの「健幸のコツ」を、あらためて学んでみたいと思います。

健幸な人は、ゆるんでいる

整体師をしている友人から「ふだんからよくからだを動かしている人は、からだがゆるんでいる」と聞いたことがあります。
ゆるんでいる人は、氣の流れもスムーズだから健幸なのだそうです。
益軒さんも『養生訓』のなかで、次のように述べています。

「四民ともに家業をよくつとむるは、皆是養生の道なり」(巻第一)

四民とは、江戸時代の職業である士・農・工・商のこと。
それぞれの仕事において、一生懸命にからだを動かしてはたらくことが養生につながる、と述べているんですね。
そして、第一線を退いたあとも家事や地域の仕事などにたずさわって、こまめにからだを動かすことで「ゆるんでいるからだ」を保つことができると教えてくれています。
野口体操の創始者・野口三千三さんが「ふんわり、やわらかくほぐして、伝わりやすいからだをつくることがたいせつ」といっていたように、健幸なからだは「ゆるんでいること」がひとつの目安になるようです。

からだをゆるめる方法

からだをゆるめる方法として僕がオススメしているのは、新体道創始者の青木宏之さんが考案した動く瞑想法「わかめ体操」です。
やり方は、とっても簡単。全身をわかめのように1分ほどゆらゆらさせているだけで、からだが驚くほどゆるゆるになります。
そして、氣づけばこころまでゆるんでいることに氣づきます。
「ゆるむとゆるすは語源が同じ」という説があるように、からだがゆるむと、こころもゆるんでいくんですね。
こころがゆるんでいると、あまり腹が立たなくなるので、健幸のたいせつな基本である「こころ穏やかでいること」も自然に体現できていることでしょう。

ゆらゆらわかめ体操

1 足を肩幅くらいに広げて立ち、肩の力を抜いて、その場で数回ジャンプします。飛ぶごとにからだの力みがほぐれていくようなイメージです。

2 からだの力みがほぐれたらそのままさらにリラックス。膝を自然な状態に軽く曲げ海のなかで揺れているワカメになった氣持ちで、ゆっくりゆらゆら動きます。

3 コツは、あまり考えずに適当にやること。リラックスできる氣持ちのよい揺れ方でおこなってください。

ふだんから、こまめにからだを動かすことと「わかめ体操」で、氣の流れがスムーズな健幸体をキープできますよ。
 
 
〈『養生訓』関連箇所(現代語訳)〉

人はそれぞれの仕事を怠けずに朝から晩までしっかり働くのがよい。仕事をしたり、人の世話をしたり、家事をしてからだを動かし、休みすぎないように(巻第一)

流れる水はくさらないし、扉を開け閉めする軸は虫がくわない。このように、つねに動いているものは、わざわいがない。人のからだも同じことである(巻第二)

からだをこまめに動かしていれば、氣はめぐって、食べものも滞らない。動いて、ほどよく休んで氣を巡らすこと。休みすぎれば氣がふさがるし、動きすぎれば疲れるので、ほどほどがよい(巻第二)
 

参考文献
『養生訓』 貝原益軒
『1分間養生訓』帯津良一・鳴海周平 著(ワニ・プラス)

 

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