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Vol.249 1月 野菜と、大根と、豆腐


野菜と、大根と、豆腐

 このコーナーでも何度か紹介したことがある『養生訓』。江戸時代の儒学者・貝原益軒さんが書いたこの本は、なんと300年も読み継がれている超ロングセラーです。
 健幸・長寿を自ら体現した益軒さんの「健幸のコツ」を、あらためて学んでみたいと思います。

からだが弱っているときに良い食材

 以前、自然食品店を営んでいる友人から「からだが弱っているときは、白菜を食べるといい」と聴いたことがあります。

「どうしてかっていうと、栄養がほとんどないから。ほとんどが水分で栄養もビタミンCが少し入っているくらい。でも、その中庸な(どちらにも偏っていない)感じが、弱っているからだにはやさしいみたいなんです。白菜の他にも、大根やホタテもからだが弱っている時にやさしい食材です。共通点は『白い』ということと『味が濃くない』ということですかね。だから、玄米よりも白米のほうが、からだが受け入れやすいと感じる人も多いのだと思います」

 貝原益軒さんも『養生訓』のなかで、豆腐や大根、お粥(白米)などを「からだにやさしい食材」としてあげています。どれも白くて、味が濃くないものばかりですね。

「味が薄い(自己主張しない)」生き方

 宇宙の法則などを研究していた小林正観さんは『神さまに好かれる話』(三笠書房)のなかで、次のように述べています。

「日本の主食は『米』で、西洋の主食は『パン』。さて、共通していることは何でしょう?それは、どちらも『味が薄い』ということ。
『味が濃い』ものは美味しいと感じますが、毎日だと飽きてしまいます。でも、『味が薄い』と、まわりのおかずはどんな味でも引き立ちます。それが、主食の条件です。
 味が薄い主食の周りにはいろいろな味のものがたくさん集まって、全部が『美味しい!』と言われるようになります。
 このことは、人間関係においても共通しているかもしれませんね。
 すごく個性的で自己主張の強い人は時に魅力的に感じますが、同じような味の濃い人は、そばにいることが許されません。
 ところが、味が薄い人は味が濃い人からも嫌われず、いろいろな人が集まってきます。 
 その結果、一人ひとりがすごく楽しくて、味の薄い人を媒介にお互いを褒めたたえ合う面白い集団になるようです。
『こういう生き方をすべきだ』と大声で言い始める(=味が濃くなる)と、周りが息苦しくなります。ご飯やパンのように淡々と生きていくと、周りに人が集まってくるようです。
『いかに味が薄くなるかということが重要らしい』ということがわかってくると人生はとても面白くなります」

「弱っている時でもからだが受け付けてくれる」と教えてもらった白菜やホタテ、豆腐や大根、白米は、どれも「味が薄い(自己主張しない)」食材です。
 正観さんの言葉を借りると「自分の考えを声高に主張しない」とか「考え方や生き方を他の人に押し付けない」というイメージでしょうか。

 からだにやさしい食材と、人が自然に集まってくる人材には「味が薄い(自己主張しない)」という共通点がある。

 これも、人生を健幸に生きるヒントになりそうです。
 
  
  
〈『養生訓』関連箇所(現代語訳)〉

他の場所へ行って、水や風土が変わり、体調を崩したら、豆腐を食べればよい(巻第三)

大根は野菜のなかでもとくによい。胃腸を元氣にし、氣を巡らせてくれるので、つねに食べるとよい(巻第四)
 
  
 
参考文献
『養生訓』 貝原益軒
 
 

 

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