【vol.77】こころとからだの健幸タイム｜ゲスト大山峻護さん・桜華純子さん後編

　ここ数年、とても親しくお付き合いさせていただいている大山峻護さんと桜華純子さんご夫妻。格闘家の経験を活かした企業研修トレーナーと、「脳腸セラピー」で美と健康を応援する美容家としてもご活躍のお二人に「こころとからだ」の健幸などについてお話を伺いました。

鳴海周平（以下、鳴海）
　峻護さんは格闘家時代の経験を活かして企業研修トレーナーというお仕事にたどりついたわけですが（前編参照）純子さんが美容家として提唱している「脳腸セラピー」も、そこへたどりつくまでにいろいろな体験があったと伺っています。

桜華純子さん（以下、桜華）
　はい、さかのぼると歌手のお仕事をしていたころが原点かもしれません。

大山峻護さん（以下、大山）
　僕がテレビのCMを通して、初めて彼女と出会ったころです（笑）

桜華　秋田から上京したばかりで、まだ中学生でした。ソニー、フジテレビ、集英社が合同主催したオーディションで合格させていただき、13歳のときに河田純子の名前でデビューしたんです。

万年ダイエッターの体験から、美と癒しと健康をサポート

桜華　年頃のせいもあってか当時は体重の変化がとても激しくて、今より10キロ太っていたこともありました。夢を売るお仕事なのにこれじゃいけない！と思って、ラップで全身を巻いてひたすら縄跳びをしたり、食べなければ痩せるだろうと断食をしてみたりと過激な減量ばかりしていたんです。でも、無理をして出した結果って一時的なものなんですよね。ストレスで暴食してしまって、すぐにリバウンドです。10代、20代は万年ダイエッターでした。

鳴海　華やかな世界で活躍するためにはご苦労も多かったんですね。

桜華　そのぶん、いろいろと貴重な体験もさせていただきました。『だいじょうぶだぁギャルズ』として志村けんさんの下で約1年間お世話になったことも、とてもよい想い出です。ちなみに『ウンジャラゲ体操』でいちばん後ろの左から2人めが私です（笑）でも、当時は恥ずかしい氣持ちのほうが強くて、石野陽子さんや松本典子さんがキラキラした顔で踊っている後ろで、隠れるようにしていました。いまなら弾けるような笑顔で、全力で踊れるんですけどね（笑)

大山　こんど一緒に踊ってほしいなぁ（笑）

鳴海　僕も混ぜてほしいなぁ（笑）

桜華　はい！こんどぜひご一緒に（笑）
　芸能活動は所属していた事務所が吸収合併されることになったタイミングでお休みすることになりました。その後、一般企業で事務職として働きながら、子どものころから興味があった心理学について学び、心理カウンセラーとしての準備を進めていたんです。そんなとき、ふと「こころとからだを総合的に癒すって、どういうことだろう？」と思ったんですね。それで、マッサージのリフレクソロジーとインド伝承学のアーユルヴェーダについて自分なりに学んでみたいと思って、エステティックサロンやクリニックでも働いてみました。
　そうしたなかで氣づいたのが「女性の幸せには美が欠かせない」ということ。美と癒しと健康は、すべてつながっていたんです。

鳴海　峻護さんの研修も「からだからのアプローチでこころを元氣にする」ということがテーマにありましたね。

大山　はい。すべてつながっているから、こころが癒されている状態や、からだが健康であることは、そのまま「美しさ」にもあらわれるのでしょうね。

腸を制するものは人生を制する

桜華　それまで学んだことをお伝えする場として2009年に開いたのが、美と癒しと健康のエステサロン「サロン・ド・エンジェル・エンジェル」です。
　主に漢方アロマのボディトリートメントやフェイシャルエステなどを通じて、こころとからだに関するお悩み解消のお手伝い（カウンセリング）をおこなっています。
　皆さん「美肌になりたい」とか「痩せたい」という目的をお持ちになって来られますが、お話を伺っていると、頭や背中が硬かったり、お腹がはっていたり、手足が冷たかったりといった「からだの不調」を抱えている場合がほとんどなんです。さらには、ぐっすりれていなかったり、疲れやすくて集中力が続かなかったりといったお悩みも出てきます。
　こうしたお悩みをひも解いていったとき、その原因となっているのは「自律神経と腸の乱れ」だということに氣づいたんですね。
　「脳腸セラピー」は、こうしたお悩みを根本から解消するために、これまで学んできた心理学やマッサージ、アーユルヴェーダなどの知識や経験から試行錯誤してつくりあげたものなんです。

鳴海　免疫機能の大半も腸が関係していますから、チョーたいせつですよね。

大山　…ウマい（笑）

桜華　腸を制するものは人生を制するといわれるほど、キチョー（貴重）なんです。

鳴海　…ウマい（笑）

桜華　「脳腸セラピー」の基本は無理をしないこと。先ずは、ポイントとなる「質のいい食事・睡眠・適度な運動」にラクな氣持ちで取り組んでもらえるようお伝えしています。
「5つの基本習慣」ということをベースにして、食べものはなるべく添加物の少ないものを選ぶ、納豆やぬか漬け、甘酒などの発酵食品を摂る、五味五色（5つの色と5つの味＝食材のバランス）をこころがけるといったことを少しずつ加えていくことで、腸は元氣を取り戻していくんです。

こころがハッピーになれば、からだも美しくなる

桜華　腸は「第2の脳」と言われているように、自らの判断で動いていることが最近の研究でわかってきました。とはいえ、腸は単独ではたらいているわけではなく、司令塔である脳と頻繁に情報交換をおこないながら体内ネットワークを形成しています。緊張や心配ごとがあったりして脳にストレスがかかると便秘や下痢を引き起こしますし、暴飲暴食や冷えなどで腸の動きが鈍くなると氣分が落ち込みます。
　やる氣や前向きな氣持ち、幸福感、安らぎをもたらしてくれる「セロトニン」は、脳内ホルモンのひとつですが、大半は小腸に存在してることなどからも、脳と腸の密接な関係（脳腸相関）がわかります。
　「5つの基本習慣」で自律神経のバランスが整って腸が元氣になると氣持ちまで明るく前向きになるのには、そうした理由があるんですね。
　氣持ちが明るく前向きになると腸が元氣になって、自律神経も整い、結果お肌もきれいになるという、美と癒しと健康の素敵な循環ができるんです。

大山　「脳腸セラピー」の基本は無理をしないこと、というのが、またいいんですよね。僕の研修でもそうなんですが、自然体でいることがとてもたいせつだと思うんです。無理をせず自然体でいると、内側から湧き出てくるワクワク感や本当に求めていることなんかがみえてくる。そうすると、取り組んだことのパフォーマンスもいっそう高まるんです。

鳴海　「無理をしない」僕のいちばん好きな言葉かもしれません（笑）

大山　鳴海さんは「60 %主義」でしたね。

鳴海　はい、腹八分目より少ないんです（笑）
　理が無いと書いて「無理」になるので、自然界の摂理のなかでは「無理」という概念は存在しないのかもしれませんね。

桜華　本当にそのとおりだと思います。
　無理なく続けていただくコツのひとつとして「少しずつルーティンにしてしまう」というのもお勧めです。歯磨きや入浴のように「あたりまえ」として日常の習慣に組み込まれてしまうと無理じゃなくなりますよね。

大山　イチローさんが現役時代にさまざまなルーティンをお持ちだったことは有名ですね。
　じつは、ここ数年のことなんですが、僕自身いろいろなことがうまくいくようになった要因じゃないかと感じているルーティンがあるんです。それは
「感謝のサンドイッチ」といって、朝起きたときと夜帰宅したあとに感謝をして、その日1 日を感謝でサンドイッチするということ。
　朝は起きたときは太陽に向かって「今日生きられることにありがとうございます」。
　夜は「今日も素晴らしい1日を生きられて本当にありがとうございます」と感謝します。
　はじめた当初は形から入ったのですが、ルーティンになってから、その日1日が本当に愛おしく感じられるようになってきました。あたりまえだと思っていたことが、じつはあたりまえじゃない…そう思えたら、こころからの感謝が湧いてきたんです。
　いろいろなことがうまくいくようになったと感じるのは、感謝のルーティンが日常的によい循環をつくってくれているからじゃないかとも思います。

桜華　なにかをきっかけに、よいことが目につくようになると、ハッピーな自分に氣づきます。こころがハッピーになれば、からだも美しくなる。そして、いつの間にか、こころもからだも美しい自分になっていることを感じられる…そんなお手伝いができたらいいなと思います。

鳴海　こころとからだ、美と癒しと健康がつながっているように、すべてのことはつながりあって循環している…宇宙の仕組みって素敵ですね。
　今日も素敵なお話を聴かせていただき、どうもありがとうございました。

プロフィール

大山峻護さん

5歳より柔道を学び、全日本実業個人選手権81キロ以下級で優勝。
2001年プロ格闘家に転身。「PRIDE」「HEROS」で、ヘンゾ・
グレイシーやピーター・アーツなどの強豪を相手に幾多の勝利を収める。
2012年ROAD FC初代ミドル級チャンピオン。2014年に現役を引退後は
格闘技を応用した研修プログラム「ファイトネス」で学校などの教育
機関やスポーツチーム、100社を超える企業などで研修をおこなっている。

企業・学校向けトレーニングプログラムファイトネスホームページ
　http://shungooyama.spo-sta.com/

桜華純子さん

中学生のときに河田純子の名前で歌手デビュー。
シングル9枚、アルバム3枚をリリースする。
20歳で芸能界を引退後は一般企業に勤めながら
心理学や美容、健康について学ぶ。
エステティック、アーユルヴェーダ、台湾式
リフレクソロジー、経絡トリートメントなどの
修行を積み、2009年に女性のためのトータルサロン
「サロン・ド・エンジェル・エンジェル」をオープン。
「脳腸セラピー」などを通して美と健康の素晴らしさを伝えている。

サロン・ド・エンジェル・エンジェルホームページ
　https://salon-de-angel-angel.com/