head_id

【vol.76】おすぎの名画のすゝめ  Scene.31



 
 こんにちは。おすぎです。
 秋の夜長はとくに、良い映画と一緒に過ごしたくなります。幅広い分野からオススメの作品を選んでみました。
  

「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」

1942年 アメリカ映画 監督 マイケル・カーティス
photo_76-1
 アメリカのミュージカル映画です。
〝ブロードウェイの父〞と呼ばれた興行師ジョージ・M・コーハン( 劇作家・作曲家・作詞家・俳優・歌手・ダンサーでもあった)の伝記映画で、当初、コーハン役はフレッド・アステアに打診されましたが断られ、ジェームズ・ギャグニーになりました。1940年代のアメリカにおいてよく製作された戦意・愛国高揚映画の代表作の一つであります。撮影中に真珠湾攻撃が始まり、その要素も映画に組み込まれています。
 子どもの頃から役者としての才能を開花させたコーハンは、才能への自信から興行主と度々トラブルを起こして劇場から締め出されてしまうのですが、サム・ハリスというパートナーと共に次々と舞台を成功させていきます。晩年は演劇界からいったん身を引くものの、再びハリスからの誘いを受け舞台に立つ決意をするのです。
 主演のギャグニーは、アカデミー主演男優賞を受賞。1993年にアメリカ国立フィルム登録簿に登録され、1998年にアメリカ映画協会の「アメリカ映画ベスト100」の100位に選ばれました。
 

「ラストタンゴ・イン・パリ」

1972年 イタリア映画 監督 ベルナルド・ベルトルッチ
photo_76-2
 1972年のイタリア映画で、この頃の映画としては大胆な性描写が世界で物議を醸し、当時の興行成績はあまり芳しくありませんでした。また、主演のマーロン・ブランドにとっては辛い作品だったようで「役者として拷問のような体験だった」とも語っています。ヒロイン役のマリア・シュナイダーも、この作品に出演したことは「人生最大の痛恨」とまで言っているんだから、どんな作品なのかと逆に興味をそそられてしまうのであります。でも、いっ
ぽうで支持者も多くて、ミッキー・ロークはこの作品の大ファンであり、「ナイン・ハーフ」を作るきっかけになったというから、ますます気になってしまうのであります(笑)
 

「猿の惑星」

1968年 アメリカ映画 監督 フランクリン・J・シャフナー
photo_76-3
 半年の宇宙飛行を経て地球への帰還を目指していた4人の宇宙飛行士を乗せた宇宙船。船長のテイラー( チャールトン・ヘストン)は、睡眠薬を注射して他の飛行士らと冬眠状態に入りますが、地球に着くはずの宇宙船は、銃で武装し馬に乗った猿たちが住む星に不時着してしまいます。
 宇宙船で過ごす半年間が地球での700年に相当する時間であったことや、人と猿が逆転してしまった異世界で起こる数々のできごと、猿たちの間で「聖典」とされている書物に書かれた禁足地の存在など、物語は衝撃的な結末へと進んでいくのであります。
 この作品は全世界でヒットして、シリーズ化(全5作品)されました。まだメイクアップ賞がなかったこの時代、猿の特殊メイクのジョン・チェンバースはアカデミー名誉賞に輝いています。
 

おすすめの新着映画 『偽りの隣人 ある諜報員の告白』

監督:イ・ファンギョン 英題:Best Friend
配給:アルバトロス・フィルム 提供:ニューセレクト
9月17日(金)より、シネマート新宿ほか全国ロードショー
 
photo_76-4
 
<あらすじ>
 1985年、民主化運動が激しさを増す軍事政権下の韓国に、民主化運動の指導者で野党総裁のイ・ウィシク(オ・ダルス)が3年ぶりに帰国する。
彼の大統領選出馬阻止を目論む国家安全政策部のキム室長(キム・ヒウォン)は、ウィシクを彼の自宅に家族と共に軟禁し、彼を共産主義者に
仕立て上げ、国外追放する計画を実行に移す。ウィシクの隣家には盗聴チームが配置され、一家の会話を始め全てが丸裸状態に。
ところが、日々盗聴する諜報員のユ・デグォン(チョン・ウ)は、家族を愛し、国民の平和と平等を真に願うウィシクの声を聴き続けるうち、
上層部に疑問を感じ始めるのだった。


 ストーリーも秀逸ながら、今の韓国映画で観られるベストのキャスティングです。ぜひご覧になってみてください。
 
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 
 

 

 セミナー・イベントのスケジュールはコチラから
 

right_toppage

right_01健康対談ラジオ番組月刊連載

right_02 right_news right_02-2 right_03 right_04 right_06 right_05 right_07 right_07

bnr_npure

bnr_kenkotime

ブログ・メールマガジン