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【vol.75】おすぎの名画のすゝめ  Scene.30



 
 こんにちは。おすぎです。
 今回は犬やイルカが主人公の作品からロマンスまで幅広く集めてみました。どれもお家時間を有意義にしてくれる素敵な作品です。
  

「ベンジー」

1974年 アメリカ映画 監督 ジョー・キャンプ
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 先ずは、ストーリーがとってもチャーミングな「ベンジー」を紹介します。
 ベンジーは、町外れの空き家に住んで、気ままな生活を送っている野良犬。近所に住むチャップマン家のポールとシンディという幼い兄弟や家政婦のメアリー、カフェの主人ビルや、黒人の警官タトルに可愛がられて暮らしています。ところがそんなある日、幼い兄弟のポールとシンディが何者かに誘拐されてしまいます。しかも、2人が監禁されたのはベンジーが住む空き家!ベンジーはこのことを皆に知らせて、2人を助けようとチャップマン家に走ります。皆の前で必死にアピールするも、誰もベンジーの気持ちをわかってくれない…さて、ベンジーはどうするのか?
 ベンジーを演じたヒギンスは、1960年代から70年代にかけて活躍した雄犬の動物タレントで、ヒギンスの死後にシリーズ化された作品では、娘犬がベンジーを演じました。
 

「望郷」

1937年 フランス映画 監督 ジュリアン・デュヴィヴィエ
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 アシェルべ(アンリ・ラ・バルト)の小説を基に、当時のフランス領アルジェリアの中心都市アルジェが主な舞台となっているこの作品。1939年のキネマ旬報でベスト1位(こんな昔からベストテンやっていたなんて驚き!)、他にナショナル・ボード・オブ・レビューで外国語映画賞も取っています。
 アルジェの一角にあり、諸国からの流れ者が集まる無法地帯カスバ。フランス本国から逃れてきた犯罪者ペペ・ル・モコ(ジャン・ギャバン)は、いつしかそこの顔役となっていましたが、日々厳しくなるフランス警察の追及に、カスバから一歩も出ることが出来ないでいました。そんなある日、フランス警察の捜索のどさくさで、故国の女性ギャビー(ミレーユ・バラン)と知り合ったペペは、彼女に惹かれます。このことをチャンスとみた地元の敏腕刑事スリマン(リュカ・グリドゥ)は、ある策略をもって二人の仲を裂こうとするのですが…。ラストは、誰も考えてもみなかったものでしたが、そのロマンがとても素敵だったのであります!
 

「イルカの日」

1973年 アメリカ映画 監督 マイク・ニコルズ
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 〝イルカ〞は知能指数が高いと言われていると知り、そのイルカに人間の言葉を教えて何かをしよう!といったことを、映画にしようと発想した者がいたということに、私はつくづく感動してしまったのであります。
 原作がロベール・メルルの「イルカの日」。製作総指揮は、ジョセフ・E・レヴィーン、監督はマイク・ニコルズ、脚本はバック・ヘンリー、撮影はウィリアム・A・フレイカー、音楽はジョルジュ・ドルリュー…と書きながら、今まで冒頭にスタッフのことをこんなに長々と書いたのは初めてではないかと思いました(笑)そのくらい、この作品は作り手の情熱がなかったら完成しなかっただろうと思ったからであります。
 フロリダ沖の小島に作った研究施設で、イルカに簡単な言葉を教える研究をしていた海洋動物学者のジェイク(ジョージ・C・スコット)と妻のマギー(トリッシュ・ヴァン・ディヴァー)。自分たちの研究が政治に悪用される危険性があることを充分知っていて、スポンサーである財団には報告していなかった2人でしたが、研究はみるみる成果を上げ、2頭のイルカは人間との会話が出来るまでになっていきます。財団は、そんな彼らに目を付け、大統領暗殺計画にそのイルカを利用しようと企むのですが…
 とにかく、嬉しくなる映画であります。
 

おすすめの新着映画 『ハチとパルマの物語』

監督:アレクサンドル・ドモガロフJr. 配給:東京テアトル/平成プロジェクト
5月28日㈮ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
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 「忠犬ハチ公」のように、犬と人間の美しい話は日本にもありますが、ロシアにもあって「ハチとパルマの物語」は、まさにそれを映画化したものであります。

<あらすじ>
 ジャーマンシェパードのパルマは、空港で飼い主に置き去りにされ、2年間も飼い主の帰りを待ち続けました。その頃に、同じく淋しい思いをしている孤独な少年コーリャと出会い友情が芽生えます。そんな中、コーリャの努力もあって、飼い主との再会の日がやってくるのですが、何故かパルマはコーリャのもとを離れようとしないのです・・・。

 この作品は日露合作で、作中には秋田犬も登場します。生き物を飼うことの大切さと責任、犬が人を選ぶことも知って欲しいと思いました。とにかく、パルマの演技がとても魅力的であります。私は観終わった後、とても幸福感に包まれました。
 
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 
 

 

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