【vol.75】ときめきの富士|天 上 桜 春の早朝 山梨県大月市の山中より
朝日の斜光を受けて
颯爽と立つ天上の桜。
ある年、最高の調和の時にここにいた。
極めて微かな時間に起きる美しさ。
至上のときめきの富士になった。
富士山が教えてくれた幸運の法則 その35
世情は自粛ムードが蔓延している。多くの人は気持ちが晴れないのではないだろうか。だが禍福はあざなえる縄の如しという。時代の変化を受け入れて
自らも変化して進んで行くしかない。進んだ先にまだ見ぬ世界が待っている。
◉ こんな時こそ桜の里で
旧くから前千本、中千本、奥千本と呼ばれる花の吉野の里。少し早いけれど桜祭りの直前で、交通規制が始まる前の三月末に、友人と奥吉野に出かけた。
それが◯だった。昨今の暖冬で桜の開花が昔と比べて随分早くなっていて、奥吉野では今ぞ絢爛、最高の状態で迎えてくれた。桜の中にいると心は悦びに満ち、体は軽くなる。
人は現象と感情に左右されてゆらぎの中にいる。反面、自然の花は無心で、毎年きちんと時を知り己の役割を果たす。それが自然にある不変の美しさであり、桜が咲き誇り散りゆく様は変化の美しさである。
人間はどうだろうか。何があっても無心ではいられず、千変万化だから人生は面白いのかも知れないが、無言の自然には学ぶ事が多い。
桜は十一次元の存在とされる。人間の現実世界が三次元、実態と境の無いのが四〜五次元、神界が七次元以上とされるから、桜は遥かに上の存在らしい。人々が心を寄せるのも当然の事だ。
吉野では人々の優しさに触れた。そして素朴だけど必要にして十分の山里の暮らしを見た。後醍醐天皇を祀る吉野神社の宮司様とのご縁も出来、歴史を学ぶ事が出来た。
青空の下、咲き誇る桜を観てエネルギーを充電した。来て良かった。素晴らしかった。又次の機会を創って行こう。人にとって不変と変化は何だろう。大いなる自然から沢山の気づきを貰った楽しい旅だった。
◉ 若葉の息吹
四月の中旬、今月も地場エネルギーの高い所に行く事に決めた。閃いたのは八ヶ岳と軽井沢。三月は桜の吉野だったから今月は新緑の息吹だ。八ヶ岳の麓から深い谷越しに百二十㎞先の富士山が見える。萌黄色の若葉たちがコーラスを奏でている。
自然の中に身を置くと生まれ変われた感じに包まれる。ここはウイルスも密も関係ないし何より心身に無限の元気がみなぎって来る。
◉ 大地の息吹
翌日は軽井沢へ。あれだけ外国の人たちが押し寄せていたのに、街並みが壊れていない。上質でお洒落な街の風情のままで嬉しかった。
かねてから行きたかった鬼押出し園に来れた。ここは一七八三年の浅間山大噴火で出来た溶岩芸術の地で、一度は訪れておくべきいい所。
遊歩道が出来ているから楽に歩いて一時間で廻れる。真っ黒い溶岩石は巨大な奇岩の群れとなって山全体を覆っている。これが気持ち良かった。素のままの地球大地のエネルギーを全身で吸い込んだ。
溶岩に手を触れてみたら全部が温かい。もう数百年経っているのに凄いなあ。溶岩が鉄分を含んだ地熱を蓄えているからだろうか。
桜〜新緑〜大地の息吹と巡って来たから、心も体もリフレッシュした。暫くは変な世情が続くかも知れないが、大丈夫!何があっても元気に前に進んでいける。そしてまたいい富士山を皆さんに届けて行ける。答えは自然の中に在り。そう感じた。
ときめきの富士 写真家 ロッキー田中
現代に蘇った北斎と言われる〔ときめきの富士〕の写真家。生涯に99作、現在までに98作を発表した。幸運を呼ぶ富士山とされて、多くの人々と共に輝いている。全国に260店を展開するホテルの全ロビーに大きな作品が飾られている。検索はロッキー田中またはときめきの富士で。