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【vol.73】こころとからだの健幸タイム|ゲスト 大橋 智夫 さん・後編


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 江戸時代に排水装置の1 つとしてつくられた「水琴窟」。この「水琴窟」の原理を活用して、自然界のハイパーソニック・エフェクトを提供する癒しサウンドツール「水琴」を開発した大橋智夫さんに、水琴の音による癒しの原理やエピソードなどについて伺いました。
 

水琴は超高周波エネルギー発生装置

 
鳴海周平(以下、鳴海)
 水琴窟の原理を活用して開発された水琴には、大橋さんが長年探求してこられた「水利工学的な考え方」と「音響工学的な考え方」の両方が活かされているんですね。

大橋智夫さん(以下、大橋)
 はい、江戸時代につくられた排水装置の1つである水琴窟の原理(前号参照)に、これまで私が研究をしてきた音響技術を組み合わせることで、自然界に存在している高周波を身近に取り入れられるようにしたものが「水琴」です。水琴窟にも高周波は含まれているのですが、水琴のそれは莫大で、100デシベルを超える大きな音(電車が通るときのガード下の音と同じくらい)なのにも拘わらず、耳には聞こえない超音波を大量に発生させているので、心地よさを感じながら、自然界と同じ高いエネルギーを持つ超高周波の超音波でその空間を満たすことができるんです。この音は、陶器の形状や厚み、焼き締め温度、水を溜める水位や容積などで決まるので、学んできた水利工学と音響工学が役立っていることになります。

鳴海 人工音が溢れている現代の生活の中において、自然界の高周波の音を安定的に取り入れることができるのは本当にありがたいですよね。

大橋 じつは、水琴には「月のリズム」と「ゆらぎ」という要素も取り入れているんです。
 日本人はもともと月の周期を暦にした太陰暦を生活のリズムとしてきました。月と重力は密接に関係していて、地球上で生活している生物に大きな影響を与えています。水琴は表面張力を超えて落ちる自然界の重力のリズム、つまり「月のリズム」です。また「ゆらぎ」は自然界のテンポで、ランダムな音と規則正しい音の中間のテンポです。木の木目をみると、そのことがよくわかります。鳥のさえずりも、このテンポです。
「水琴の仕組み」「月のリズム」「ゆらぎ」が三位一体となって、大自然のエネルギーが充満した「超高周波の空間」をつくりだしているんです。

鳴海 エヌ・ピュアの事務所にも2台設置させてもらっていますので、いまのお話は実感として、とてもよくわかります。植物がますます活き活きとしてきたし、以前からかけていたクラシック音楽との相性も抜群で、リラックス効果がいっそう高まりました。
「癒しの空間づくり」の必需品と言ってもいいでしょうね。

大橋 ありがとうございます。水琴開発のもとになっている水琴窟を紹介し始めた頃は、まだ本当に珍しいものでしたから、水琴窟(すいきんくつ)と言っているのに「スフィンクスって、何ですか?」と聞かれたこともありましたが(笑)水琴の良さを実感していただける方が増えていることは本当に嬉しい限りです。

水琴は乙姫の琴 ~ 人類のために必要な音

 
大橋 各界を代表するような方々にも、水琴をお褒めいただくことが多くなりました。ある音霊の先生は、弊社に設置してある75タイプの水琴の前に立ち、合掌してお参りを始めたんです。理由を尋ねたところ、「ここから75音が出ています。ですから、これは神様そのものなのです」とおっしゃるんですね。日本語はバビブベボやパピプペポも含めて75音でできているとされ、その75音は宇宙全体を表すそうです。つまり水琴は、宇宙全体のエネルギーを発生させているというわけです。私がこの水琴を75タイプと名付けたのは、使用している陶器の大きさが約75センチだからという理由だったのですが、「75」という数字には音霊の秘密も隠されていたことがわかって驚きました。

鳴海 何氣なく行ったことの意味があとになってわかることって、ありますよね。人間も自然界の一部だと考えると、そうした行動もすべて「自然界の摂理」の中にある必然なのかもしれません。

大橋 本当にそう思いますね。
 京都にある神社のお世話をしている審神者の先生からも、ありがたい言葉をいただいたんです。

 いまひとつ神氣を入れよと示すなり、かたちの奥に霊がある
 元の国ぞ神がある
 神氣を根とする道を開かん
 新しき水の世となりにける
 水甕というその中に響く妙なる乙姫の琴

「水琴は乙姫の琴だから、人類のために必要な音です」という意味のようです。

鳴海 さまざまな方がこうしてメッセージを示されるのも、大橋さんが「自然界の摂理」にかなった活動をされていることの証としての「必然」なのではないでしょうか。

大橋 音を収録する際などに、何度かUFOに遭遇しているのですが、これも何か関係しているのかな。

鳴海 それはもう、宇宙人も太鼓判を押しているということで間違いないでしょう(笑)。

高周波の空間では、さまざまなことが好転する

 
鳴海 僕は、ときどき水琴の上に飲みものを置いています。味がとてもまろやかになるんですよね。

大橋 おっしゃるとおり、高周波ドリンクになります。なので、うちの事務所の水琴には、いつも日本酒やワインが置いてあります(笑)。…あ、お酒だけじゃなくて、もちろん、人間にも高周波のシンクロが起こりますよ(笑)。
 不眠が改善して毎晩ぐっすり眠れるようになった、うつの症状が和らいで氣持ちが明るく前向きになった、赤ちゃんの夜泣きがおさまった、血糖値が正常になったという方もいます。治療院をしている先生は、「水琴を置くようになってから、患者さんの筋肉が柔らかくなるスピードが早くなった」とおっしゃっていました。

鳴海 水琴の高周波には、心身を活性化させたり、自律神経のバランスを整える効果もあるのでしょうね。ご一緒させていただいた『見るだけ 聞くだけ超快眠! CDブック』(本誌43ページ参照 ワニ・プラス刊)も、とてもよく眠れるようになったというお声をたくさんいただいています。

大橋 水琴の音を聞いていると、眠くなる方がとても多いんです。以前、京都のお寺で「水琴で寝る会」を開催したことがあります。水琴の音が流れる部屋で雑魚寝をしたのですが、皆さん一瞬で深い眠りの中へ突入されました。その様子を見ながら、氣づいたら私も寝ていました(笑)。ふっと我に返ったときには、すでに20分が経過していたので、思わず口もとを確認しました。お寺で、よだれはご法度なので(笑)。なんとか、ギリギリセーフでした。

鳴海 それは、よかったです(笑)。

大橋 古くからある寺社には、高周波の「場」が多いように思いますが、それに加えて「りん」や「神鈴」などの高周波を「お祓」などに活用してきました。水琴を流しておくことは、ずっとお祓いをしてもらっているのと同じ効果もあるのだと思います。
 同じく高周波を発する「炭」と水琴も相性が良いので、四隅に炭を置いた空間に水琴を流すと「結界」に護られた最高の高周波空間になるでしょうね。

鳴海 エヌ・ピュアという会社の竹炭が、とても良いという噂を聞いたことがあります(笑)。

大橋 私も、そう聞いたことがあります(笑)。

高周波の鍵は「倍音」と「母音」

 
大橋 楽器の弦を張って、真ん中を指で押さえると、波長が半分になって周波数が倍になります。2倍音はオクターブ、元の音が「ド」なら、1オクターブ上の「ド」。3倍音ならその上の「ソ」、4倍音で2オクターブ上の「ド」というふうに、どんどん高い音になっていきます。日本語の発音には「母音」が多いと言われますが、じつはこの「母音」に「倍音」が入っているんです。
 水琴の音は「キーン」とか「カーン」と聞こえます。原理上では水滴が落ちる「ポチョーン」という音になるのですが、音が響き合って、子音の「ポ」は聞こえなくなる。「チョーン」という母音の世界の方が大きいからです。つまり、水琴は「倍音」と「母音」の世界を広げているということになります。

鳴海 自然界においては、倍音を伴った高周波が大事だと言われていますね。

大橋 そうなんです。その大事な音が、現代のモーター音やエンジン音でかき消され、防音設備がいき届いた部屋の中では、逆にすべての音がカットされてしまう。自然界の法則である倍音を増やすこともまた水琴の使命だと思っているんです。
 倍音と母音を含む高周波を発する水琴の音は、人々がもともと心の中に持っている、天使のような無邪氣な心を増やしてくれます。戦争を起こすより、相手の国のトップに水琴を10個送ることの方がずっと効果的だと思うんですね。「やっぱり、愛って大事だよね…」と、つぶやく姿まで想像できます(笑)。
 以前、イスラム教のトップクラスの方が講演でこんなことをおっしゃっていました。

「私は初めて日本に来ましたが、素晴らしい国ですね。朝散歩に行くと、近くに神社がありました。もう少し歩いてみると、今度はお寺がありました。
もう少し行くと、今度はキリスト教の教会がありました。だから、日本人はユートピアがつくれるのです。日本にはすべての宗教を受け入れる土壌がある。イスラム教とキリスト教には、絶対に埋められない深い溝がある。そこに橋をかけてくれるのは、日本人だと思います」

 日本人の「倍音と母音の文化」が、こうした柔軟な考え方に影響していることは間違いないと思うんです。どんな宗教の教えにも、その教えの先に「自然界の摂理」がある。そんな肌感覚を日本人が持っているということは、本当に素晴らしいことだと思います。

鳴海 あらゆるものに「神さま」が宿っているという「八百万」という考え方にも通じますね。

大橋 水琴の音を聞いていると、夢や希望といったことにも具体性がだんだんと消えて、「まあ、何でもいいじゃないか」という世界に入っていきます。この「まあ、何でもいいじゃないか」という母音の世界を、水琴を通して広げていくことができたら嬉しいですね。

鳴海 「まあ、何でもいいじゃないか」とみんなが思える世界…。水琴の高周波に包まれながら伺っていると、イメージが明確に湧いてきますね。
 今日は素敵なお話をどうもありがとうございました。
 
 
 
 
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大橋 智夫さん プロフィール

音・環境プロデューサー。京都大学農学部農業工業科卒業。
在学中は水利工学を専攻し、卒業後は音楽の道へと進む。
日本の音文化に注目した音空間デザインを手がける中で出会った
「水琴窟」を現代に復活させ、さらに音響技術を駆使して、
自然界のハイパーソニック・エフェクトを提供する「水琴」を開発した。
世界学術研究アカデミー賞を受賞。ローマ法王とも謁見するなど、
その功績は国内外で高く評価されている。
著書に『聴くだけで脳と体が若返るCDブック』(学研プラス)
『奇跡の周波数「水琴」の秘密』(ヒカルランド)
『見るだけ 聞くだけ 超快眠! C D ブック』(ワニ・プラス)などがある。

 

 

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