【vol.73】鳴海周平の全国ぶらり旅|福岡県 門司・平尾台編
泊りがけのツアー開催がなかなか難しい昨今。お話会などのイベントで各地を訪ねた際には、現地のスタッフさんと「日帰りで出かけられるツアー」の候補地を下見させていただく機会が多くなりました。
今回ご紹介する福岡県の門司港と平尾台も、そうした候補地のひとつ。かつて神戸、横浜と共に日本三大港として数えられた門司港、無数の岩が羊の群れのように見える羊群原、天然記念物にもなっている千仏鍾乳洞を訪ねてみました。
明治時代に開港し、昭和初期まで近代日本の発展を支えた門司港。当時の華やかさを感じさせる趣きある建物や街並みから「門司港レトロ」として人氣を集めている地区です。
散策を始めると、すぐに出迎えてくれるのが門司港限定・バナナマンのお二人。かつて台湾からバナナを大量に輸入していた拠点でもあったことから「バナナの叩き売り発祥の地」となったそうで、今も定期的に叩き売りの実演がおこなわれています。
貿易港として栄えていたため、お洒落な洋食店が建ち並んでいたという当時の門司港。その中の1軒の喫茶店が、余ったカレーをグラタンのようにオーブンで焼いてみたところ、インド人もビックリするほど美味しく仕上がったことから「焼きカレー」ができたと云われています。(インド人の件だけフィクションです…)
31階建の門司港レトロ展望室からは、九州と本州をつなぐ関門橋が見えますが、あまりの近さに、インド人じゃなくてもビックリ!海底にある人道トンネルを通ると、15分ほどで下関に着いてしまうそうです。
九州側に建つ和布刈神社も、とても氣持ちの良い場所でした。
門司港から車で約40分ほど南へ走ると、広大な草原の中に点在する大小の岩が見えてきます。「なんか、牧場みたい!」という感想そのままに、ここは羊の群れが草原で遊んでいるように見えることから、羊群原と呼ばれるところ。石灰岩などの水に溶けやすい岩石が、長い年月をかけて雨水などによって侵食されてできる特殊な地形で、地下の鍾乳洞と共に、独特なエネルギーを感じられる場所になっています。
2015年に訪ねたスペインのモンセラート(ここも奇岩が特殊な場をつくっています)にも似た雰囲氣を感じながら、昭和10年に天然記念物に指定されたという千仏鍾乳洞へ。
「ここの鍾乳洞、水の中を漕ぎながら行くんだって。ちょっと暑いから、涼しくなっていいかもね!」などという、甘い考えで入ってはいけない場所だったことは、しばらく進んでから判明しましたが(笑)入り口でサンダルを無料貸し出ししてくれますので、ちょっと冒険したい人にはオススメです。
福岡から日帰りで行ける範囲で、こんな秘境があったことに、インド人じゃなくてもビックリしたなるみんでした。