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【vol.37】こころとからだの健康タイム|ゲスト はせくら みゆき さん


 自然や宇宙からのメッセージ、生命の歓びをアートや文で表す「アートセラピスト」として活躍している、はせくらみゆきさん。
 今号からその素敵な作品で、本誌の表紙を飾っていただくご縁を頂戴したはせくらさんに「健康のコツ」などを伺いました。

鳴海 周平(以下 鳴海) この度は「ぶんぶん通信」の表紙に、はせくらさんの作品を掲載させていただくという、とても貴重なご縁を頂戴し、どうもありがとうございます。
「ツキをよぶ魔法の言葉」の著者である五日市剛さんから「はせくらさんは『在日宇宙人』だから!!」という不思議な紹介のされ方をしたのが、きっかけでしたね(笑)。

はせくらみゆきさん(以下 はせくら)そんなふうに思っていたんですね(笑)。
 自然や宇宙からのメッセージを、アートとして表現しているので、どうしても抽象的になってしまうのかもしれません。でも、そうおっしゃる御当人も、私には充分「宇宙人」っぽくみえますが…(笑)。

ホピ族のシャーマンとの出会い

鳴海 はせくらさんの作品を初めて見た時、身体の中から温かさが湧いてくるような感覚があり、とても感動しました。
 眺めているだけで、身体の内側からやさしい「熱」が広がってくるのを感じるんです。

はせくら 自然や宇宙がくれるメッセージには、私たちの心身のエネルギーを高めてくれる働きがあるようです。アートや言葉で、そうしたメッセージを表現することは、心身のエネルギーを高めるお手伝い、といった感じでしょうか。
 私たちはもともと自然界の一部ですから、きっと共鳴する何かがあるのかもしれませんね。

鳴海 はせくらさんがアートや言葉として、自然や宇宙からのメッセージを表現するようになったのは、何かきっかけがあったのですか?

はせくら 感受性が強いのは小さい頃からだったようで、動物や植物、空に浮かんでいる雲など、人間以外の存在とも意思の疎通が出来ていたような記憶があるんです。ただ物心がついて「他の友達には出来ないことなんだ」とわかった途端、私にもわからなくなってしまいました。それからは、普通に学校を卒業し、就職をして、結婚。子供にも恵まれ、家事に仕事に、と追われている日常でしたが、とても充実した毎日でした。
 そんなある日、二人目の子どもを出産してすぐに、環境問題を扱う映画上映会のお手伝いをすることになりました。ネイティブアメリカンのホピ族に関わる映画だったのですが、その時に来日していたホピ族のシャーマンの通訳をすることになってしまったんです。ところが、語った内容は謎だらけ。「宇宙存在」や「テレパシー」なんていう言葉が出てくるんですね。何か怪しい内容だなぁ、と思いつつ、でもインディアン嘘つかない、って言うしなぁ(笑)なんて思っていました。
 上映会が無事終了し、シャーマンが御礼の言葉と共に、私の頭にそっと手をのせてくれました。その時私はちょっと風邪気味だったのですが、一瞬風が吹きぬけた感じがした途端、あっという間にシャキッとしてしまったんです。「あれ?」と思っていたら、シャーマンが「君はこれから僕と話ができるね。君は愛を伝えるメッセンジャーだよ。」と言ってきました。私の頭の中は「?」だらけ。いったい何を言ってるんだろう?っていう感じですよね。
 ところがそれから、子どもの時に感じていた「自然界と意識を交流する」という感覚が戻ってきたんです。すべての存在はそれぞれ固有の振動数をもっていて「おしゃべり」をしているのが、わかるようになりました。
 自然界が発するメッセージ、それは宇宙からのメッセージでもあり、生命の喜びそのものでもあります。そうしたメッセージを何らかの形で表現したい、という想いがアートとなり、言葉となって、ご縁のある皆さんのところに届いているんだな、と思っています。
鳴海 やっぱり、インディアンは嘘つかないんですね(笑)。
 はせくらさんの作品を見ていると、心身のエネルギーが高まっていくように感じる理由が、今のお話でわかったように思います。
 私たちが、自然界の一部であることを思うと、本来はいろいろな存在と意識を交流させることは可能なんですよね。自然農法をしていらっしゃる方が、農作物のつるにそっと手を伸ばすと、とても人なつっこい感じでつるを絡ませてくる、という話を聞いたことがあります。意識をそちらに向けることで、私たちの感性はもっと豊かになっていくのかもしれません。
 以前このコーナーで、竹村健一さんと対談させていただいた時に「自然界は意外にスローである。だから人間ももっとゆったり生きていいんじゃないか。」とおっしゃっていました。多忙なイメージのある竹村さんですが、さすがに一流と言われる人は自然界の摂理をよくわかっていらっしゃるんだな、と思いました。
 はせくらさんも、自然界からのメッセージに沿った生活をしていらっしゃるから、そんなに活き活きと輝いているんですね。

はせくら 自然界の摂理に合った生き方を理想としながらも、私自身は相変わらずささいなことで子どもを叱ったり、落ち込んだりしてしまうことも多々あるんです(笑)。でも竹村さんがおっしゃっているような「自然界に合わせたスローな生き方」は実践できているのかな、って思います。
 というのも、そうならざるを得ない体験があったからなんです。

病が教えてくれたこと

はせくら 今から10年ほど前に横浜から沖縄への引越しが決まり、家事・育児と仕事の締め切りに追われながら、引越しの準備をしていました。連日3〜4時間の睡眠で、引越し最終日のこの日も重い荷物をせっせと運んでいたんですが、途中で腰のほうから「グギッ」と鈍い音がして、動けなくなってしまったんです。俗に言う「ぎっくり腰」ですよね。やっとの思いで整形外科へ行き、痛み止めの注射を打ってもらったのですが、しばらくすると具合が悪くなってそのまま意識を失ってしまったんです。そして気がついてビックリ!左半身がまったく動かない。どうやら一種の脳梗塞になってしまったらしく、即入院となりました。たっぷりと出来た時間の中で、ひたすら自分自身を振り返ってみると、なんとまあ身体に無理を強いてきたことか…。
 それまでの私は「頑張ることが何よりの美徳」であり「今日できることは明日に延ばすな!!」という気持ちで毎日を送っていました。「いい人、いい妻、いい母」になろうと一生懸命自分を演じていたんでしょうね。だからこの時に決めたんです。「ねばならぬ、ではなく、心と身体がワクワクする方を選ぼう」そして「明日できることは今日やらなくてもいいじゃない」って。そうしたら、胸の奥がキーンと高鳴って、涙が溢れ出てきました。「あ、私ずいぶん無理をしていたんだな」ってあらためて反省です。そして身体にも、周りの人たちにも感謝の気持ちがどんどん湧いてきました。生かされているって何て凄いことなんだろう!!…そう心から思った4日目、奇跡は起こったんです。
 その夜、動かなかった左半身が少しずつ動き出し、次の日の朝にはすっかり元通りになっていました。回診に来たお医者さんはカルテを落としながら、目を丸くして驚いていましたね(笑)。それからすぐに退院の許可が出て、無事に沖縄へと引っ越すことができました。
 こんな体験があったから「自然界に合わせたスローな生き方」になったのだと思います。

鳴海 お医者さんもびっくりされたでしょうね。
 昔から「心身一如」と言いますから、心の歓びが身体にも現れたのでしょう。それにしてもひと晩で元通りとは、さすが「在日宇宙人」ですね(笑)。

なんくるないさぁ

はせくら 沖縄に引っ越してからは、いっそう身体が喜ぶことに敏感になりました。
 沖縄の人たちは「なんくるないさぁ」という言葉をよく使います。「なんとかなるさ、大丈夫」という意味です。ゆったり、のんびりとした口調で「なんくるないさぁ」って言われると、本当に何でもたいしたことなく思えちゃう(笑)。そして実際、何とかなっちゃうんですよね。何事にもとらわれ過ぎずに、まるで流れる水のように、その時その空間を楽しむことが一番なんだな、って自然に思えるようになりました。
 遊びに来てくれた友人と一緒に、沖縄の離島に行った時の話です。
その島には宿舎が1件しかなかったのですが、その宿舎の前で真っ黒に日焼けしたオジサンたちが輪になって泡盛を飲んでいました。あまりにも楽しそうなので「こちらで寝るんですか?」って話しかけてみたら「外の方が涼しいからね。お金かかんないし、朝になったらわかるし。」と言って指差した方向にはゴザが1枚だけ!!寝袋もテントもないんです。「…虫がきたらどうなるんですか?」「刺されるさぁ」「…雨が降ったらどうなるんですか?」「濡れるさぁ」「えーっ、濡れたら気持ち悪いでしょう。」「そしたら起きるさぁ」…(笑)
 このシンプルな答えにカルチャーショックを受けながらも、日頃何でも小難しく考えてしまうことの方が、自然の摂理に合っていなかったんだな、と思いました。
 別な知人は長い間「人生とはなんぞや」と悩んでいたそうです。そんな彼が、沖縄で真っ赤なハイビスカスを見て「これは沖縄では何というのですか?」と聞いた時に「アカバナー」と教えられたので「どうしてアカバナーっていうんでしょうか?」とまた聞き直したら「赤い花だからぁ」と答えられたそうです(笑)。
「なんというシンプルさ!!」と感激した知人は、それ以来、物事を難しく考えることがなくなった、と嬉しそうに話していました。

鳴海 確かに沖縄の人たちは、皆明るくて大らかなイメージがありますよね。雨に降られても「そのうち乾くから」と言って、傘もあまり持ち歩かないとも聞いたことがあります。自然の摂理に合った生き方そのもの、という感じがしますね。

はせくら 知人はそれ以来、すっかりやわらかい顔つきになりました。考え方ひとつで、印象もずいぶん変わるものですよね。
「年を重ねていくこと」での身体の変化も、毎年の誕生日をどんな気持ちで迎えるのかによってずいぶん変わってくると思います。
 私は最近「年を重ねるということは、太陽の周りを何回廻ったかということだ」と思うようになりました。廻れば廻るほど、自分の身体の循環も良くなっていくんだ、と思うと何だか元気が湧いてきませんか?
 五日市さんもおっしゃっているように、言葉には力があります。そして、言葉と心(気持ち、考え方)は表裏一体ですから、良い言葉を使うことで心にも作用するし、気持ちが良い時にはプラスの言葉が自然に出てきます。つまりどちらかを意識的に良いものにすることによって、自然に良い循環ができるということです。
 自然界や宇宙からのメッセージを表現したアートが、皆さんにとって良い循環のきっかけとなるお手伝いができたら、これほど嬉しいことはありません。
鳴海 今号の表紙からも、素晴らしいメッセージが発信されています。ご覧いただくことで、いつでも自然界や宇宙からのメッセージを受け取ることができますから、読者の皆様にもぜひ活用していただきたいですね。
 はせくらさんには、今号からコラムの連載もお願いしていますので、今回紹介しきれなかったお話も、これからじっくりとお楽しみいただけることと思います。
 今日はとても楽しいひと時を、どうもありがとうございました。

はせくら みゆき・プロフィール

画家・エッセイスト・アートセラピスト。
自然界や宇宙からのメッセージ、生命の歓びをアートや言葉であらわし数々の作品を発表。
 
2005年には全米屈指の芸術祭にて入選。海外個展でも人気を博す。
現在は全国で個展を開催しながら、講演や執筆活動、アートセラピーワークショップを中心に活動している。
 
主な著書に「試して選んだ自然流子育てガイド」「幸せな子育てを見つける本」(ほんの木)「こころにおひさま、ありがとう」(経済界)「宮沢賢治海外版絵本シリーズ」(サンマーク)「一瞬で輝くあなたになれる本」(評言社)他多数。
 
三線とフラが趣味の三児の母でもある。

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