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【vol.71】星澤先生のクッキングれしぴ「食は夢のかけ橋」第35回


hosizawa71

焼きナス寒天寄せ 4人分

●茄子・・・・・・・・・・・・・・・・中2本
●塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
●ショウガ・・・・・・・・・・・・・・1片
●酢、しょうゆ・・・・・・・・・・少々
●出汁・・・・・・・・・・・・カップ2杯
 ●しょうゆ・・・・大さじ1/2杯
 ●みりん・・・・・・・・大さじ1杯
 ●酒・・・・・・・・・・・・大さじ1杯
 ●塩・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
 ●粉寒天・・・・・・・・・・・・・4g

①茄子は竹串で全体を刺し、グリルか魚焼き網で転がしながら焼きます。水に浸して熱を取り、皮を剝いて一口大に切ります。

②鍋に分量の出汁と調味料、寒天を入れて一度沸騰させます。

③鍋の粗熱を取ってから、水をくぐらせた型に流し、平均に茄子を入れて冷やし固めます。

④食べ易い大きさに切り分け、皿に盛ってからショウガをおろして添え、好みで酢、しょうゆを付けていただきます。
 
 


食する事も生きる上での修行 永平寺典座和尚赤崎玄輝老師

 父の他界をきっかけに、息子達と父のルーツの福井県勝山市を訪れたのは、もう8年ほど前になります。北海道への最後の開拓世代として、祖父は長男の身を捨て、見知らぬ地へ夢を抱いて渡ったのでした。

 祖父が生地は永平寺までローカル線で2 駅ほどの距離で、770年ほど前の創建時の折、寺の塀の石を人が1列に並んで、手渡しで運んだといういわれのある地でした。宿坊の吉祥閣に泊まらせて頂き、3月末だというのに、雪が残り北海道と変わらぬ肌寒さで、早朝4時開始のお堂での修業は骨身にしみる寒さでした。永平寺の修行の根本は座禅ですが、禅宗では掃除や洗濯に始まる生活の労働全てを重要な修行ととらえ、工夫してひたすら行じる事が、尊い仏行になるといわれます。

 中でも人間が生きていく上で欠かせない調理と食事については「法食一等」という仏語であらわされています。仏道修行と食事とは同じくらい大切な物であり、食事がおろそかになれば、そこには正しい仏法はあり得ない、という意味で、毎日の食事がいい加減になると、健康も損なわれ、やがて精神にも悪い影響が出ると説いています。

 食べ物が難無く手に入る昨今ですが、日本人皆が白米を食べられるようになってわずか60年ほどしか経っていません。世界の食料は、地球人口を充分に養うだけの量は今でも生産されておらず、先進国だけが、カロリー過多の食事をむさぼり、自身の健康を害しています。人の食とはどうあるべきかを、修行僧の食事に見習う事で、痩身な肉体に鋭敏な感性、安定と瞬発力を備えた人間になれるのでしょう。
 様々な災害や病気も、現在の地球人に警告を発しているのかも知れません。

 精進料理を作る際、赤崎老師へ、ゴマを擦った後のすり鉢の溝から掻き出す我が開発の「くりんくりん」をプレゼントさせて頂いたのも、有り難い想い出です。
 食事は全て朱塗りの器に、丁寧な作り方をされた料理が一品ずつ、上品にのせられて出て来ます。五観の偈(ごかんのげ)を皆で唱え、手を合わせて、しゃべらず一口ごとに箸を置いて頂きます。終わるころにはお腹が満たされ、少量をよく噛んで頂けば、体も楽で心も十分に満たされると実感しました。
 永平寺での体験は、私の活動に大きな礎となって残っております。

 

プロフィール・星澤クッキングスタジオ 代表取締役 星澤幸子

 料理研究家・北海道南富良野町生まれ。
 札幌テレビ「どさんこワイド」料理コーナーへの生出演は29年目になり、
2019年には7000回を達成。料理の内容とキャスターとのやり取りの面白さが
幅広い層から人気を集めている。
 日本テレビNG集では毎回「星澤幸子先生編」として全国に紹介され、
有吉弘行さん司会の「有吉反省会」や、zipのご当地有名人に出演を
果たすなど全国にも活躍の幅を広げる。
 2009年「東久邇宮文化褒賞」、翌年には「北海道食育推進優良活動表彰」
を受賞。
 2015年イタリア・ミラノでの食の世界万博において料理講師も務める。
 料理コーナーへの生出演回数は現在もギネス記録を更新中。
 

 

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