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【vol.67】おすぎの名画のすゝめ  Scene.25



 
 こんにちは。おすぎです。
 今回は暑い夏の日にも観てほしい、とっておきの3 本をご紹介します。
  

「E・T」

1982年公開 アメリカ映画 監督 スティーヴン・スピルバーグ

 宇宙人に遭遇した主人公エリオットは、兄のマイケルの友人から「怪物がいたのか?」と訊かれ、宇宙人だと答えると信じて貰えなかったものの、「それはエキストラ・テレストリアルだな」と聞かされます。それ以降、宇宙人を略して「E・T」と呼ぶようになったのであります。
 この映画の公開当時、私はまだ駆け出しの映画評論家で、試写会には招待されておらず、丸の内ピカデリーで一般の方と一緒の特別上映会で観たことを思い出しました。観終わった後、大興奮していて、どのようにして横浜の自宅まで帰ったのか、全く覚えていませんでした。その後、一週間くらいは〝夢心地〞状態で過ごし、とても幸福であったことを思い出します。
 この作品で一番好きなシーンは、エリオットがE・Tを自転車に乗せて空を飛ぶシーンであります。ちなみに、S・スピルバーグ監督もこのシーンを気に入っているとか。いつ観ても幸福な気持ちになれる作品です。
 

「ブレードランナー」

   1982年公開 アメリカ映画 監督 リドリー・スコット

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 環境破壊によって、人類の大半が宇宙の植民地(オフワールド)に移住している21世紀初頭、宇宙開拓の前線では、タイレス社が製造した「レプリカント」と呼ばれる人造人間が、過酷な環境のもとで奴隷労働や戦闘に従事していました。
 しかし、優れた体力と高い知性を持っていた彼らには、やがて感情が芽生え、主人たる人間に反旗を翻す事件が発生。そのため、最新の〝ネクサス6型〞には、4年の寿命年限が決められたのです。ところが、脱走して人間社会に紛れ込もうとするレプリカントが後を絶たず、彼らを見つけ出して射殺するのが、警察の専従捜査官〝ブレードランナー〞なのであります。最後まで、ハラハラドキドキが楽しめる作品です。
 冒頭のシーンの風景は、日本語の看板などが目立ち、なんとなく日本が舞台なのかなと思わせてくれますが、リドリー・スコット監督が来日した際に訪れた新宿の歌舞伎町にヒントを得たとされています。彼は都市の外観は〝香港〞をモデルにしていると述べています。
 

「シザーハンズ」

   1990年公開 アメリカ映画 監督 ティム・バートン

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 ある寒い冬の夜、「雪はどうして降るの?」と孫娘に聞かれた祖母が話を始めるところから始まります。
 昔々、町はずれの山の上の屋敷に住む老発明家が、人造人間を生み出しました。エドワードと名付けられた彼は、両手はハサミ、心臓はハート形のクッキーなどで作られていましたが、発明家は急な発作でエドワードを一人残してこの世を去ってしまいます。
 そこへ、ある日ペグという化粧品のセールスをする女性がやってきて、エドワードを可哀そうに思い、彼女の家へ連れて帰ります。ペグの家族や周りの人々が、この人造人間とどう関わっていくのか。様々に繰り広げられる人間模様が、実に繊細に描かれているのであります。
 ラストでは再びファーストシーンに戻り、「どうしてそんな話を知っているの?」と訊ねる孫娘に、祖母は「そこに居たからよ。彼には今も見えるはず、彼が降らせた雪の中で踊る私の姿が…」と答えます。その通り、山の上の屋敷では昔と変わらない青年の姿をしたエドワードが、両手のハサミで氷の彫刻を作っていて、その氷の飛び散った細かな粒こそが、降る雪の正体だったのです。
 とてもチャーミングで夢のような映画であります。
 

おすすめの新着映画 『パピヨン』

監督:マイケル・ノアー
原題:Papillon 配給:トランスフォーマー
6月21日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他全国順次公開
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 1973年に公開された「パピヨン」(名匠フランクリン・J・シャフナー監督、ダルトン・トランボ脚本、S・マックイーン、ダスティ・ホフマン共演)が、45年ぶりにリメイクされました。
 今回の一番の話題は、ホフマン演じた偽札作りのルイ・ドガを「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックが演じていることであります。  
 マックイーンが演じたパピヨンを演じているのは「パシフィック・リム」で主役を務め、「キング・アーサー」でもアクションを披露したチャーリー・ハナム。今回はダルトン・トランボの脚本を元にして、監督マイケル・ノアーと脚本家アーロン・グジコウスキが共同で脚色したといいます。
 無実の罪で刑務所に入れられたパピヨンは脱獄しますが、何度も失敗し、独房に入れられ、最終的に徒刑場“悪魔島”に送られるも、再び自由を獲得する為の作戦を練り始めるのです・・・果たして結果は?
 とても手堅く作られていて、近年にない名作になりました。
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 
 

 

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