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【vol.67】星澤先生のクッキングれしぴ「食は夢のかけ橋」第31回


hosizawa67

牛鍋 2人分

●牛肉薄切り・・・・・・・・・・・・・・200g
●長ネギ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2本
●油・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1/2杯
●卵・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2個
●大根おろし・・・・・・・・・・・・・・・適量
割り下
●しょうゆ・・・・・・・・・・・大さじ2杯
●味噌・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1杯
●酒・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ2杯
●てんさい糖・・・・・・・・・大さじ3杯
●水・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3杯

1・牛肉は大きめに切り、長ネギは長さ3 ㎝ のぶつ切りにします。

2・鍋に油を敷いて長ネギを焼き、牛肉を入れてさっと焼いたら割り下の調味料を全部入れて煮ます。

3・火が通ったら卵に大根おろしを入れ、付けながら頂きます。

 日本では天武天皇(675年)の頃から、牛、馬、犬、猿、鶏を食べてはならないとされ、聖武天皇の時代には禁止令がでますが、それでも守らなかった者が多くいたと云われています。江戸時代になると、カモ、シギ、ニワトリ、イノシシなどはよく食べられていたと云います。江戸末期には精肉店が開店したりして、庶民のご馳走が牛鍋であった事が記されています。
 


日本初のオリンピックマラソンランナー 金栗 四三 氏

明治の庶民のご馳走「牛鍋」
 
 1912年(明治45年)ストックホルムで開催された第5回オリンピックに、日本は二名の選手で初めて参加しました。
 その一人、韋駄天と呼ばれていた金栗四三氏はマラソンの父とも言われ、各マラソン大会や東京箱根間往復大学駅伝競走にも尽力された方です。
 雨の中行われたオリンピック選考会で、破れた足袋を捨てて裸足で走り、世界記録を27分も上回る2時間38分の記録を出してしまうあたり、侍の気迫を残していたのだと思います。
 尋常中学時代、毎日学校への12キロを走って通い、吸う息と吐く息を二回ずつに分けると呼吸が楽になる「二回呼吸法」を体得します。東京に進学後もマラソンで通学し、足の速さは有名でした。当時オリンピックには自費で行かなくてはなりませんでしたので、兄が支援してくれたそうです。
 期待されていたものの、本番では脱水症状の為にコースを間違えてしまい、ゴールの記録も残りませんでした。今では当たり前ですがこの経験をもとに、走行中は水の補給をするようになったのだそうです。 
 第7回アントワープ大会では、怪我の為に16位に終わり、大正8年パリ大会では無理なペース配分で大敗。都合16年に渡る選手生活に終わりを告げ、熊本に戻ります。その後はマラソン選手の強化に貢献し、多くの選手に夢と目標を持たせる指導者として活躍しました。
 1967年、彼が74歳の時に、コースを間違えたあのストックホルムオリンピック競技会から「第5回大会ではスタートを切ったものの、未だ行方が分からないままになっておりますので、ゴールする事を要請します」という、ユーモアに富んだ招待状が届きます。
 四三氏は高齢にも関わらず無事走り切りました。ゴールタイムは、54年246日と5時間32分20秒。20歳でスタートし、74歳でのゴールでした。期待を背負い挑戦し、夢破れた人生で最も苦いレースが、人生で最も幸せなレースになった瞬間でした。
 翌日の地元新聞には「ミスター金栗・日本、ゴール!これをもってオリンピック全ての日程を終了する」との記事が載りました。
 記者の問いかけに四三氏は「やれやれ長いレースだった」と云ったそうです。
 16年の選手生活を支え、3人の子供を育てられた奥様はどのような料理でもてなしされたのかとても興味深いところですので、明治時代の食事をひも解いてみました。
 大体の家では普段、一汁一菜を「箱膳」と言われる、ひとり一人の箱型の膳で食べていました。ご飯と具沢山の味噌汁、お浸しや漬物の一汁一菜です。これは江戸時代から昭和初期まで続き、御馳走の時は江戸時代から食べられ始めた「牛鍋」もあったようです。具沢山のすき焼きになったのは近代になってからの様で、牛肉もスライサーや冷凍庫もなかった時代ですから、厚く切られていたようです。
 この度は薄切りにして、卵に大根おろしを入れて食べてみました、見事な味に仕上がり、日本人の舌の確かさを思いました。この頃の食事が理想的で知力、体力を強くし、日本の現代文化を築く礎になったのだと感じました。
 

プロフィール・星澤クッキングスタジオ 代表取締役 星澤幸子

 料理研究家・北海道南富良野町生まれ。
 札幌テレビ「どさんこワイド」料理コーナーへの生出演は28年目になり、2018年には6700回を達成。料理の内容とキャスターとのやり取りの面白さが幅広い層から人気を集めている。
 日本テレビNG集では毎回「星澤幸子先生編」として全国に紹介され、有吉弘行さん司会の「有吉反省会」や、zipのご当地有名人に出演を果たすなど全国にも活躍の幅を広げる。
 2009年「東久邇宮文化褒賞」、翌年には「北海道食育推進優良活動表彰」を受賞。
 2015年イタリア・ミラノでの食の世界万博において料理講師も務める。
 料理コーナーへの生出演回数は現在もギネス記録を更新中。
 

 

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