【vol.66】星澤先生のクッキングれしぴ「食は夢のかけ橋」第30回

旬野菜の天ぷら　2人分

天ぷら具材
●ズッキーニ･････････････小１本
●オクラ･･･････････････････２本
●みょうが･････････････････２本
●長ネギ････････････････１/２本
●しそ･････････････････････４枚
●パプリカ･･････････････１/３個
●にんじん･･････････････１/３本
●小麦粉･･･････････････････適量
衣
●小麦粉、水････････各大さじ５杯
●塩･･･････････････････････少々

1・ズッキーニ、にんじんは斜め薄切りにします。オクラ、みょうが、しそは、水に放してパリッとさせておきます。

2・オクラは包丁で軽く穴をあけ、みょうが、パプリカは縦半分に切り、長ネギは３㎝の長さに切ります。

3・衣の材料を合わせて、よく水気を切った材料に小麦粉をまぶしてから、衣をつけて１８０ ℃ の油でカリっと揚げます。

どん底から夢を創る天才チャップリン

　
　映画俳優・監督・コメディアン・脚本家・映画プロデューサー・作曲家であり、喜劇王の異名を持つチャールズ・チャップリンは、1889年4月16日にロンドンで生まれます。
　一歳の時に両親は別れ、母親に兄と一緒に引き取られました。
　舞台に立つ母ハンナが喉をつぶした時、まだ小さいチャップリンが母の舞台仲間達を笑わせるのを見ていた支配人は、5歳の彼を舞台に立たせ、歌を歌って観衆の大喝采を浴びるのです。これがチャップリンの初舞台だったと云われています。
　その後、父はアルコール依存症で死亡、母ハンナも極貧生活で栄養失調となり、精神に異常をきたして施設に入ります。4歳年上の兄シドニーとチャップリンは孤児院や貧民院に収容されますが、10歳で劇団に入団したチャップリンはタップダンスで注目を集めるようになります。その後も、劇団を転々としながら芸を磨き、パントマイムの技術を習得。1912年に映画への道が開けるのです。そして、1914年2作目の映画「ヴェニスの子供自動車競走」でおなじみの「放浪紳士チャーリー」が登場します。
「小さな口ひげは自分の虚栄心、不格好で窮屈な上着とダブダブのズボンは人間が持つ愚かしさと不器用さ、同時に物質的な貧しさにあっても品位を維持しようとする人間の必死のプライド。そして、大きなどた靴は、貧困にあえいでいた幼い頃の思い出であり、それが僕に閃いた人間の個性なのだ」と語っています。
　劇中で大事な役を果たすステッキは、滋賀県産の竹根鞭細工で、明治初期から海外に輸出され、ロンドンではステッキを職人の名前である「キムラ」と呼ぶほど好評を博していたようです。
　チャップリンは運転手に日本人・高野虎一氏を採用。その後、経理、秘書、護衛、看護師など様々な仕事を任せています。
　1932年5月、チャップリンはあこがれの国・日本の地を踏みます。高野氏はその後3回の来日の際も、チャップリンと日本の親交を深める様々な演出をしています。歌舞伎や相撲を楽しみ、食事は特に「天ぷら」が好物であったようで、日本橋の「花長」でエビの天ぷらを36尾も食べたそうです。
　1977年クリスマスの朝に、スイスの自宅で就寝中に息を引き取りました。享年88歳。
　全ての時代や階層社会、思想をも笑いで表現し、世界に平和と愛を発信し続けた偉人。人々には、ほのぼのとした優しさと希望を与えてくれたチャップリンですが、数秒のアクションを納得するまで何百回も取り直す完全主義者でもあったそうです。
　彼の好きな日本の春の野菜天ぷらを揚げて供養とさせて頂きました。　
　チャップリンよ永遠なれ。

プロフィール・星澤クッキングスタジオ　代表取締役　星澤幸子

　料理研究家・北海道南富良野町生まれ。
　札幌テレビ「どさんこワイド」料理コーナーへの生出演は28年目になり、2018年には6700回を達成。料理の内容とキャスターとのやり取りの面白さが幅広い層から人気を集めている。
　日本テレビNG集では毎回「星澤幸子先生編」として全国に紹介され、有吉弘行さん司会の「有吉反省会」や、ｚiｐのご当地有名人に出演を果たすなど全国にも活躍の幅を広げる。
　２００９年「東久邇宮文化褒賞」、翌年には「北海道食育推進優良活動表彰」を受賞。
　２０１５年イタリア・ミラノでの食の世界万博において料理講師も務める。
　料理コーナーへの生出演回数は現在もギネス記録を更新中。