【vol.60】星澤先生のクッキングれしぴ「食は夢のかけ橋」第24回
稀勢の里の好物 えびのチリソース
えびのチリソース
●無頭エビ・・・・・・・・・・・・・・300g
塩・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
酒・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ1杯
片栗粉・・・・・・・・・・・・・・大さじ2杯
油・・・・・・・・・・・・・・・・・・大さじ3杯
●長ねぎ・・・・・・・・・・・・・・・・・1/2本
●にんにく・・・・・・・・・・・・・・・・・・1片
●生姜・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1片
●水溶き片栗粉・・・・・・・・・・・・・・少々
●チンゲン菜・・・・・・・・・・・・・・・・1株
塩、油・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・少々
《調味料》
●水・・・・・・・・・・・・・・・カップ1/2杯
トマトケチャップ・・・・大さじ5杯
しょうゆ、酒、砂糖
・・・・・・・・・・・・・・・・・・各大さじ1杯
豆板醤・・・・・・・・・・・・・・小さじ1杯
パプリカ粉・・・・・・・・・・小さじ1杯
1・えびは塩水で洗ってから背わたを取り、酒で下味をつけて片栗粉をまぶします。
2・生姜、長ねぎ、にんにくはみじん切りにします。チンゲン菜は塩と油を少々入れた湯で、根元を先に入れてからサッと茹でます。
3・調味料は合わせておきます。
4・熱したフライパンに大さじ3杯の油を入れてえびを炒め、一度取り出し、残った油でみじん切りした材料を入れて炒めます。
5・香りが立ったら水と調味料を加えて煮立たせ、エビを加えて味をなじませます。
6・水溶き片栗粉でとろみをつけて、チンゲン菜を皿の周りに置いて盛ります。
身体と心を支える好物 稀勢の里の『えびのチリソース』
2017年1月場所で第72代横綱に昇進した稀勢の里。初土俵から89場所目、歴代最も遅い記録となる31場所目で大関に昇進し、3代目若乃花以来19年ぶりとなる日本人横綱が誕生しました。長らく外国人が台頭してきた各界が沸いた快挙に、相撲ファンも随分増えたとか。
彼が記者会見等に出る際、隣にいた美しい和服の女性は、奥様かと思いきや、現親方・田子の浦の女将さんだったそうです。30歳を迎え、結婚をしてもよい年代ですが、勝利の為に全てを相撲に掛けてこられたのでしょう。お節介おばさんの私としては、可愛いお嫁さんに来てもらう頃合いかと考えてしまいます。
以前、北海道福島町出身の第58代横綱千代の富士貢氏にお目に掛かり、ちゃんこ鍋を頂きながら、お話をさせて頂いた事がありました。
横綱同士のぶつかり合いは、バットでボールを打つ以上の力が加わるそうで、体中筋肉質でその上に脂肪の幕を付けたのが力士の体であることを知りました。
「大きな体格で土俵下に落ちたら痛いでしょうね〜」と尋ねると「だから勝つんですよ〜」と一言。新弟子は稽古の後、体も洗わないうちにお客さんのもてなしをされています。
「お腹も空いているでしょうに大変ですね」と話すと「だから早く強くなるんですよ〜」これが土俵上の戦士達の心持ちなのでしょう。
千代の富士はウルフと呼ばれ、筋肉質の体の美しさ、技の素晴らしさにファンは多く、早くから成績を残し1970年に初場所を踏んだのち1981年に大関、同年7月場所で横綱昇進、と快進撃を続け、31場所優勝、53連勝、通算1045勝、などの記録を残しながら2016年61歳で逝去されました。相撲は好きではなく、陸上選手として成績を出し、中学で相撲をやめるつもりが素質を買われて続けたわけで、相撲が好きで何時もテレビを見ていた稀勢の里とはまるで違う歩み方だったのですね。
稀勢の里の父は格闘家で「丈夫に育つように」と両親から炭酸飲料やスナック菓子を一切与えられずに育ち、野球をしていたものの、両親や先生の反対を押し切って鳴門親方に入門します。好物はのっぺい汁、焼き魚、フグ刺し、とたいへん健康的。
家族と行く食堂で、海老のチリソースを注文するそうです。
「ここのチリソースを食べて稀勢の里は横綱になった」と、きっとこの店は繁盛していることでしょう。
プロフィール・星澤クッキングスタジオ 代表取締役 星澤幸子
料理研究家・北海道南富良野町生まれ。
札幌テレビ「どさんこワイド」料理コーナーへの生出演は26年目になり、2015年9月に6000回を達成。料理の内容とキャスターとのやり取りの面白さが幅広い層から人気を集めている。
日本テレビNG集では毎回「星澤幸子先生編」として全国に紹介され、有吉弘行さん司会の「有吉反省会」や、zipのご当地有名人に出演を果たすなど全国にも活躍の幅を広げる。
2009年「東久邇宮文化褒賞」、翌年には「北海道食育推進優良活動表彰」を受賞。
2015年イタリア・ミラノでの食の世界万博において料理講師も務める。
料理コーナーへの生出演回数は現在もギネス記録を更新中。