【vol.50】ときめきの富士｜時の彩り　１月　夜明　河口湖畔より

深夜が終り、未明を経て、
暁の刻を過ぎやがて黎明へと移り、
夜明を迎える一連の時の流れが、
一日の中で最も美しいひととき。

そこにときめきが隠れている。
息を呑む程に美しい世界が目の前に広がって行く。

朝陽が山から顔を出すと気温が変わり、
鏡面だった湖にさざ波が起きる。

その少し前、光は空で極みに至り
至上の紫色に染まって、逆さ富士を
湖面に映し出した。

新しい一日が始まった。

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富士山が教えてくれた幸運の法則 その10

あ、ふじさんだ。の巻

　日本人には富士山が大好きという思いがDNAにしっかり刻まれています。そして富士山が存在する意味を感じた時から変化が訪れます。気付いた人に幸運が訪れるのです。
 
　富士山を見ると「あ、富士山だ！」と声に出します。ここに幸せのキーワードが隠れています。

第3回〈じ〉
 
　情熱。今振り返ってみると全てはこのキーワードを軸にして広がり、進んで来た事を実感する。

　27年間のサラリーマン生活に途中で区切りを付け、皆の冷笑や引き止めも聞かず世界でただ独りの「ときめきの富士」の写真家に成った。

　富士山の写真を永く撮っているベテランや名人はいたが、その道でご飯を食べている人は１人もいない。ならば私が成ろう。お世話になった会社に、世に出て行く姿を見て貰うんだ。誰もやらないやり方で。

　営業マン時代、いろんな会社を訪問して気づいた事があった。元気な会社、明るい会社、伸びている会社、清潔感の有る会社のロビーや社長室には必ずと言っていい程、富士山の絵が有った。

　話を聞いてみるとトップの志に共通するものがあった。今は小さくても日本一の会社にしたい。他に無い独創的な製品を世に出したい。富士山が大好きですよ。いつも見ていると気持ちが引き締まる。正しい判断が出来る。言葉遣いが綺麗になる・・・。そんな意思に富士山は共振するようだ。

　社長さん達の情熱に耳を傾け、私も積極的に訪問先で富士山のお話をして盛り上がるコツを学んだ。富士山が嫌いな人は一人もいなかった。徐々に成績も上がり、最後は日本一に成れた。

　だが、私が独立を決めて「ときめきの富士」の写真家としてスタートした頃には、トップの世代交替や時代の変化も有って各会社から富士山の絵は消えて、モダンなアート的な絵画やディスプレイが主流になっていた。

　その時にも決めた。志の高い方や日本中の社長の部屋に今度は「ときめきの富士」の写真を飾って頂くんだ。

　周りの人が撮る通常の富士山の写真は正に凄い「富士山」を迫力ある写真にした感じ。私は今までの人達がこの道でご飯を食べて行けなかった要因の一つに、富士山を山岳写真として捉え、より凄い写真を撮る事に目が行っていたからだと確信した。

　日本人が好きな富士山は山岳写真の富士山だけではない。浮世絵に出て来る生活と共にある富士山であり、飛行機や新幹線や住んでいる町から見る共感と情感に満ちた富士。それは山のアップではない。どちらかと言うと広角で、美しい構図で神秘の色に満ちていなければならない。画面から風が吹いて来る気配、心に響く描写が不可欠だ。

　それを誰も見たことのない「ときめきの富士」と名付け、生涯に99作を世に出すと宣言した。99景は既に心の中に創り、富士山が呼んでくれたら逢いに行く生き方を貫いて100㎞離れた東京で富士山の声を聴いている。

　そして作品の背にメッセージを書いた。それは何の基盤もスポンサーも無い私が、関わった人々との間に勇気と喜びと信頼の輪の無形の財産を築く為。

・熱き心
・夢の大きさ　人への優しさ
・創造する心　扉が開く
・続ける力　光に至る
・志高く　言葉柔らかく

「情熱」が芯に有るから言葉のバリエーションは増える。「夢」があるから諦めない。ぴったりのメッセージが作品と共にその人に届く。毎年多くのメッセージを書き続けている。今、数千人のお客様と繋がることが出来て、共に元気に生かされている。あ、富士山だ！の「じ」。それは「情熱」であり「し=志」を顕わしている。

　そして秘めた情熱で前に進んで行く人に出会う時、魂は共鳴しその方にエールを贈りたくなる。
　
 
 

ときめきの富士　写真家　ロッキー田中

　誰も見た事のない「ときめきの富士」を生涯に99作世に出すオンリーワンの写真家。
　離れた東京で富士山・空・雲・光の表情を読み、山が呼んでくれたら逢いに行く。
　作品は浮世絵の様な構図、色、究極の美に満ち富士山のメッセージが写っているとされる。
『現代の北斎』とも称され、平成15年に文部科学大臣賞受賞。富士写真家連盟特別顧問・講師。
　NPO富士山を世界遺産にする国民会議223フェロー。
　人々との喜びの共感を生き甲斐とし、サロンには全国から訪れる人が絶えない。