head_id

【vol.49】おすぎの名画のすゝめ Scene.07



  
 こんにちは。おすぎです。
 秋の夜長、皆さまいかがお過ごしですか?
 秋といえば「食欲の秋」。秋はいろいろと美味しい食材が揃うので、ついつい食べたいものが多くなってしまうのよね。まあ、そうは言ってもここ数年は「あれも食べたい、これも食べたい」というより「好きなものを少しずついただきたい」と思うようになりました。
 健康に詳しい鳴海さんに言ったら「旬のものを少しずつ楽しむなんて、最高に理想的な食べ方ですね。寿命がまた30年は延びたでしょ。」ですって。いったいいくつまで生きるのよ(笑)。
 食欲の秋は、からだへの氣遣いをあらためて考えるよい機会なのかもしれませんね。
 
 さて、秋は「文化の秋」でもあります。いい映画を観てこころ豊かな秋のひと時を過ごすのは最高の贅沢!
 今秋も素敵な作品を紹介します。
 秋の夜長をぜひ楽しんでください。
  

「フット・ルース」

1984年公開 アメリカ映画 監督:ハーバート・ロス

photo_49-1
  
 アメリカ中部の小さな田舎町ボーモントに転校してきたシカゴ生まれのレン・マコーミックは、この町がある事件をきっかけにダンスもロックも禁止されていると知って大いに驚き、町の大人たちと対立しながら、ダンスとロックの解放を目指すというストーリー。
 この映画でもっとも注目されたのは、主役レン・マコーミックを演じた若き日のケビン・ベーコンでした。今ではどんな役もこなすベテランになっていますが、当時は「ダイナー」という映画で注目され始めたばかり。この「フット・ルース」で、スターへと駆け上ったのです。若々しさを精一杯表現しているかっこ良くてハンサムな青年に、ひと目でファンになった人も多くいました。
 ケニー・ロギンスの「フット・ルース」をはじめ、デニース・ウィリアムズ、ボニー・タイラー、シャラマー、カーラ・ボノフなどのヒット曲が流れ、クライマックスの卒業パーティーシーンは感動的であります。
 監督はハーバート・ロス、脚本はディーン・ピッチフォードという文句のつけようがないコンビ。出演陣も、ジョン・リスゴー、ダイアン・ウィースト、ロリ・シンガー、サラ・ジェシカ・パーカーなどの豪華な顔ぶれ。
 とにかく、80年代を代表する音楽映画の傑作なのであります。 
 

「ある愛の詩」

1970年公開 アメリカ映画 監督:アーサー・ヒラー
 
photo_49-2
 
 「詩」を「うた」と読ませ、オシャレな感じで大ベストセラーになったエリック・シーガル原作の映画化。富豪の息子と庶民の娘との恋愛と結婚、そしてその妻が白血病にかかり亡くなってしまうという悲劇であります。
 じつはこの作品、未完の小説を原作として映画の制作が始まり、小説と映画が同時進行でつくられたもの。先に映画が完成し、映画の脚本を基に小説が執筆された部分もあるのですが、世間への発表は小説が先で、その数週間後に映画が公開されました。
「愛とはけっして後悔しないこと(Love means never having to say you’re sorry)」という言葉が有名になり、映画もこの言葉をキャッチフレーズにして大ヒット。フランシス・レイが作曲した主題歌も大ヒットし、アカデミー賞作曲賞を受賞しました。
 ジェニファー(アリ・マッグロー)との結婚を父親に反対され、喧嘩別れのように家を出たオリバー(ライアン・オニール)。しかし、ジェニファーにかかる莫大な医療費を父親に出してもらわねばならず・・・。そんな親子の確執と共に、ジェニファーとオリバーの物語は展開していきます。
 オリバーが2人の想い出の場所に佇むラストシーンも感動的。
 

「月の輝く夜に」

1987年公開 アメリカ映画 監督:ノーマン・ジュイソン
 
photo_49-3
 
 「人の心を狂わす」という満月の夜。あるイタリア人一家を中心に起こったあれこれをユーモラスに描き、アカデミー賞主演女優賞、助演女優賞、オリジナル脚本賞の3つのオスカーを獲得した傑作映画。
 ニューヨークのリトル・イタリアに住むロレッタ・カストリーニ(シェール)は、数年前に夫を亡くしてから、すっかり容色も衰えてしまった37歳。そんな彼女に、幼なじみのジョニー(ダニー・アイエロ)がプロポーズ。気乗りしないまま承諾したロレッタの報告を受けた両親も、当然いい顔をしてくれず・・・。そんな中、ロレッタはジョニーからの願いで、絶交しているジョニーの弟ロニー(ニコラス・ケイジ)を訪ねます。パン工場で働く無愛想なロニーが義手であり、その原因がジョニーにあることを聞かされたロレッタは彼のアパートへ行き、パスタを作るのですが、そこでいきなりロニーから激しいキスを浴びせかけられ、2人は関係を持ってしまうのであります。
 その日は、月が輝く「満月の夜」。
 2人をとりまく人たちにも、さまざまな心境の変化が訪れ、物語は思わぬ方向へ展開していきます。ジョン・パトリック・シャンリー脚本の名作です。
 

おすすめの新着映画「マダム・マロリーと魔法のスパイス」

監督:ラッセ・ハルストレム 原題:The Hundred-Foot Journey 
配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン 11月1日(土)全国ロードショー
photo_49-4

 オープニングはインドのムンバイ。レストランを経営しているカダム一家は、選挙がらみのことで焼き討ちにあい、シェフのママを失ってヨーロッパへ
移住します。
 南フランスの美しい街サン・アントナンに着き、さっそくインド料理の店を開く一家。ところが、通りを隔てた向かい側にあったのは、ミシュランで1つ星を与えられたフランス料理店だった!
 静かな雰囲気のフレンチで星の数を増やしたい経営者のマダム・マロリーと、大音量の音楽と強烈なスパイスが特徴のカダム一家のドタバタ劇が始まります。
 亡き母ゆずりの絶対味覚を持つカダム一家の次男ハッサン(マニッシュ・ダヤル)と、フレンチレストランの副料理長マルグリット(シャルロット・ルボン)との恋も添えて、とても美味しい料理が続々の、とっても楽しい映画です。
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 

right_toppage

right_01健康対談ラジオ番組月刊連載

right_02 right_news right_02-2 right_03 right_04 right_06 right_05 right_07 right_07

bnr_npure

bnr_kenkotime

ブログ・メールマガジン