Vol.273 1月 こころとからだをゆるめると、ラクになる
こころとからだは、つながっています。
最新刊『運のミカタ』から一部抜粋してご紹介します。
からだのどこかに不調を感じるとき、その場所を触ってみると、なんとなく硬く感じます。
例えば、胃の調子がよくないと感じるときは、みぞおちの背中側が凝っていたり、腰に痛みがあるときは、腰全体が硬くなっていたりします。そんなときには、その箇所を揉みほぐしてあげると、とてもラクになります。
同様に、なんとなく落ち込んでいるときや、氣持ちが沈みがちなときは、こころが硬くなっていることが多いのですが、こころの場合は、どんなふうに揉みほぐしたらよいでしょうか?
こころとからだをゆるめる「わかめ体操」
こころをやわらかくしたいときにお勧めなのが、これまでも何度か紹介している「わかめ体操」。
「ゆるむと、ゆるすは、語源的にもつながっている」といわれるように、こころとからだはつながっているので、からだをゆるめると、こころもゆるんで、氣持ちがとってもラクになるんですね。
この「動く瞑想法」ともいわれる「わかめ体操」を考案した新体道創始者の青木宏之先生は、大学へ入ってから体力づくりのためにはじめた空手で、あっという間に流派最高段位へと推挙されるまでになったという逸話をもつ伝説の武道家。
その飛躍的な伸びの理由は、師匠から授かった「からだからムダな力を抜くこと」「瞑想によって無の状態になること」という2つの教えを実践し続けたことだったそうです。
力みのない、リラックスしている(ゆるんでいる)状態は、こころとからだのパフォーマンスも存分に引き出してくれるということですね。
お話会などで「わかめ体操」を紹介すると、皆さんとてもゆるんで、明るい顔になります。
なかには、こんな報告をしてくださった方もいらっしゃいました。
「満員電車のなかで吊り革につかまりながら、なんとなく、わかめ体操をしていたら、自然にまわりから人がいなくなって、到着までとても快適に乗ることができました。
しかも、私の前に座っていた方がなぜか席を譲ってくれて、混んでいる電車内でも、ゆったり座ることができたんです! わかめ体操って、ほんと、スゴいですね」
……あなたも、かなりスゴいです。
ゆるみ過ぎると、このような境地に達するのかもしれません。