Vol.268 8月 どっちでもいいんじゃないでしょうか
ラクだなぁ、と感じることは、自然界の摂理にかなっている証拠。
最新刊『運のミカタ』から一部抜粋してご紹介します。
宇宙は陰と陽のバランスによって成り立っている、ということを表している「陰陽太極図」という図形があります。
この「陰陽太極図」は僕が携わってきた「ヒーリング」という癒しのスキルにおけるイメージにとっても近いんです。
ヒーリングとは、ひと言でいうと「癒し」のことで、こころやからだの悩みなどを和らげたり、楽にしたりするスキルのひとつです。
ご相談に来られる方によって感じるエネルギーは異なりますが、だいたいは次のようなイメージにまとめることができます。
ヒーリングまえ… 黒っぽいモヤ、重い、暗い感じ、冷たい感じ
ヒーリングあと… クリアになる、軽い、明るい感じ、温かい感じ
このときに起こった変化をエネルギー的な観点で表現すると、黒いモヤや重さなどが、まったくなくなってしまったというよりは、「ちょうどいい感じになった」というイメージ。
黒っぽいモヤが真っ白になったわけではなく、重さがなくなって無重力になるわけでもない「中庸の状態にほどよく調和された」という表現が、もっとも近い感じかもしれません。
陰陽太極図でいうと、黒と白がいい感じに混ざり合った感じです。
「じゃあ、最初からグレーでいいんじゃないの?」とも思うのですが、この図形があえて黒と白に分かれていて、それぞれのフィールドに対極の色が入っているところに、先人が「宇宙の摂理」としてあらわした理由があるように思うんです。
ジャッジしなければ、自分自身がラクになる
人の意識は「どちらかに偏りやすい」という特長があります。
それは、陰陽太極図があらわしている「宇宙の摂理」にもつながっていて、あえて「分離」を体験するために必要な「この世での意識のあり方」を示しているのかもしれません。
もともとはグレー一色だったものが、あえて「黒」と「白」という、一見対極にみえるものに分かれて、さまざまな体験をする旅の途中に僕たちがいる。そんなイメージでもあります。
だから、もとを辿れば、けっきょく「どっちでもいいんじゃない?」ということになるので、ものごとの善し悪しというのは、人間がつくった「ものさし」でしかないんですね。
ヒーリングのあと、ちょうどほどよい「中庸」のイメージになるのも、そういうことなのだと思います。
人を裁くな。
あなたがたも裁かれないようにするためである。
あなたがたは、自分の裁く裁きで裁かれ、
自分の量る秤で量り与えられる
「マタイによる福音書」7章 1~2節
ここ数年、僕のお話会では、ほとんど質問がありません。
答えがいつも「どっちでもいいんじゃないでしょうか?」に決まっているからというのが、その理由のようです(笑)。
なにごともジャッジしなければ、自分自身がラクになります。
「息がしやすい=生きやすい」という語源の説があるように、ラクだなぁ、と感じることは、自然界の摂理にかなっている証拠。
裁かなければ、裁かれませんから、ますますラクに楽しく、和やかに運ばれている人生に氣づくことができるでしょう。