Vol.265 5月 広げて見ると、ラクになる
広げて見ると、ラクになる
起こっているできごとを、違った角度から見たり、広く見たりすることができたら、とってもラクになることがあります。
最新刊『運のミカタ』の内容から一部抜粋してご紹介します。
その神秘的で幻想的な作品から「現代の北斎」とも称されている「ときめきの富士」写真家のロッキー田中さん。
誰もみたことがない、浮世絵のような富士山を撮影するには、ちょっとした秘訣があるのだそうです。
「山麓で待たずに、東京にいながら天候を読み、明日、あの場所、あの時間!とインスピレーションが沸いたら、その1時間まえにピンポイントでその地点に立つ。すると、イメージに描いた通りの画を撮らせてもらえる、というのが僕の撮影スタイルです。
ところがごく稀に、雨などで富士山が、まったく見えないことがある。
あれ?呼ばれたはずなのになぁ、と思いながら、富士山の麓を廻っていると、あ!ここだ、という地点にたどり着きます。
そんなときの富士山は、複雑な天候条件が絡み合って、いっそう幻想的な姿を見せてくれるんです。
見る角度が変わると、見え方も変わるし、見える範囲も自然に広がる。
人生で起こるさまざまなことに対しても、少し角度を変えてみると、また違った見方ができるようになるということを、富士山に教えてもらいました」
大好きな富士山を撮影して、たくさんの人たちに喜んでもらうという、まさにときめきの毎日に運ばれているロッキー田中さん。
そんな素敵な人生の運ばれ方の秘訣は「見える範囲を広げるには、見る角度を変えてみる」という霊峰・富士の教えを実践しているからなのかもしれません。
心の扇を広げると、自分自身がラクになる
見える範囲が広がると、自分自身がラクになるというメリットもあります。
以前、お話会にいらっしゃった40代の女性から「マンションの隣人の話し声が氣になって眠れない」という相談がありました。ご夫婦なのか、恋人どうしなのか、夜遅くまでゲームやおしゃべりなどで、とても賑やかなのだそうです。
僕はつい「そんなに毎日おしゃべりすることがあるなんて、とっても仲がいいんですね」とお伝えしてしまったのですが、その方はふと「たしかに、そうかもしれない」と思ったらしく、さらに「そんなに仲の良い波動が隣から来ているというのは、喜ばしいことなのかもしれない」とまで、考え方が変わったらしい(笑)。
すると、隣から聞こえてくる会話が「まるで、癒しのメロディに聞こえるようになった」というのです。
それからほどなく、その隣人は引っ越されて行ったそうですが、ものの見方が変わったうえに、新しく越してきた隣人が多少うるさくても、氣にならなくなっている自分に氣づいてまた驚いた、とも教えて
くれました。
見方(見る角度)が変わって、見える範囲が広がると、ラクになるのは、他ならぬ自分自身なんですね。
宇宙の法則などを研究していた小林正観さんは「常識の枠という心の広さ」を「扇」にたとえて説明してくれています。
「自分の心の広さ(許容範囲・寛容度)=扇が広がると、その外側にいた許せなかった人や、我慢できなかった人を受け入れることができるようになる。
そしてさらに、その外側にいる人を受け入れられるようになると、心の領域がまた広がって『そういう価値観の人もいるよね』と自分の心の許容範囲が広がっていく。
だから、あらわれてくれた人は常に心の許容範囲を広げてくださる方だと思ってみたらどうでしょうか。
心の『扇』を広げること。これこそがまさに、自分がラクに生きるための『奥儀』なのかもしれません」
こころの許容範囲が広がったぶん「運」とも仲良くなれそうですね。