Vol.201 1月 1分間健脳法〜 心穏やかな時間をつくる その2
たったの1分で、誰もが“健脳”になれる!
とても簡単で、よく効く「1分間でできる“脳活”法」を紹介します。
1分間健脳法~ 心穏やかな時間をつくる その2
心がときめくと、脳も活性化します。今年82歳になった医学博士・帯津良一先生の超人的な活動を支える「健脳習慣」をご紹介します。
セロトニンを分泌する3つの方法
「お日様セラピー」を提唱している有田秀穂先生によると、脳内で分泌される「セロトニン」には、心身のバランスを調えて、認知症リスクを高めるうつ病の予防や改善にも効果のあることがわかっているそうです。
このセロトニンを分泌する方法は、主に3つ。
①太陽の光を浴びる
② リズム運動(呼吸や咀嚼、ウォーキング、昇降運動など)
③ 触れ合い、コミュニケーション(つながりを感じる)
今回紹介するのは、③に関係している脳活法です。
今月のオススメ! 1分間脳活法
〜 身近な人の長所をあげてみる 〜
① 好き嫌いに関わらず、身近な人を3人思い浮かべます。
② それぞれの人の「よいところ」を3つずつ挙げてみましょう。
③ 一人ひとりに「いつもありがとう」と(そう思っていなくても!)言ってみます。
心の中でも、声に出してもOKです。
一人につき、約1分が目安。合計3分間です。
身近な人を思い浮かべている時、脳の中では、それぞれの人との「つながり」を実感しています。
「つながり」を感じることは、前述のとおり「セロトニン」を分泌させるので、この時、脳内では心身のバランスを調えようとする働きが行なわれていることになります。
さらに、それぞれの「よいところ」を考えて感謝する、という行為は、「相手の立場になって、関係を肯定する」ということ。これは、幸せホルモンと呼ばれる「オキシトシン」を分泌する方法で、脳にもよい影響を及ぼすことがわかっています。
「相手の立場になる」ことの健脳効果について、医学博士の帯津良一先生は次のように話しています。
「脳は、自分のことよりも、自分以外の人のことを考えている時に活性化する、という特徴があるようです。相手の立場になっている時、脳、特に前頭葉はとても活性化しているんです」
前頭葉は、創造性や自発性、感情などに関わる部分。つまり、ここを活性化させることは、もっとも効果的な脳活法なのです。
帯津先生は毎日、30人から多い時で60人ほどの患者さんと接しているそうです。その一人ひとりの立場になって、最善の治療法を考える。もちろん、初めて会う人もたくさんいますから、脳が喜ぶ「新しい体験」も日々重ねていることになります。
帯津先生の「超健脳」は、こうして、相手の立場になって考える機会が多いことの賜なのかもしれませんね。
参考文献
「死ぬまでボケない 1分間“脳活”法」帯津良一・鳴海周平著(ワニ・プラス)