head_id

【vol.34】鳴海周平の全国ぶらり旅|北海道 新十津川町編


 札幌市から車で約2時間。ピンネシリや夫婦山などの豊かな自然に恵まれた北海道・新十津川町を訪れました。

 今回は「ぶんぶん通信2009年夏号・こころとからだの健康タイム」にゲストとしてご出演いただく花月クリニック・辻和之院長との対談・取材のため、北海道・新十津川町を訪れました。

新十津川町という名前の由来

 1889年(明治22年)奈良県吉野郡を襲った大雨は大洪水となり、未曾有の災害をもたらしました。中でも最も被害の大きかった十津川郷(現在の十津川村)の人たちは一大決心をして、北海道への移住を試みました。移住後、幾多の困難を乗り越えた先人たちによって開拓されたこの地は、故郷の名前にあやかって「新十津川」と名づけられ、今では北海道・空知地方の中核を担う良質米の産地として発展を続けています。

豊かな自然に恵まれた町

 ピンネシリや夫婦山といった山々、徳富川や総富地川、袋地沼などの水の恵み。新十津川町では、スケールの大きな自然がそのまま残っています。

 ハイキングのコースとしても親しまれている「夫婦山」の麓に、知る人ぞ知る名水が湧き出ているところがあるという情報を聞き、さっそく現地へ向かいました。到着すると、次から次に何人もの人たちが大きなポリタンクを抱えて水を運んでいます。

「ここの水は美味しいよぉ。コーヒーやお茶を煎れても味が全然違うしね。飲んでみるかい?」

 地元の方に勧められるまま水をひと口。冷たくて、本当に美味しい水です!
「昔はこの山全体に石仏が点在していて『夫婦山霊水新八十八ヵ所』として巡拝していたんだよ。でも急な坂道も多くて年寄りにはたいへんだ、ということで昭和56年に山からすべての石仏をここに下ろしてきて祀っているんだ。だから今でも八のつく日はここの霊水を沸かして、お風呂に入る家も多いね。」

 霊水でお風呂!?…何とも贅沢な、いかにも霊験あらたか、という感じですね。

「1日1組6名まで」の超プレミアムな料理店

 今号の対談ゲストである花月クリニック・辻和之院長から「取材をするならここがオススメ!!」と、1件の料理店を紹介していただきました。

 お店の名前は「閑古亭」。お店が暇な状態を、よく「閑古鳥が鳴く」と表現するため、あまり客商売とはイメージの合わない店名(失礼!)なだけに、とても興味を持ちました。しかも1日1組6名までで、1週間以上前の完全予約制、営業は夏場の約4ヶ月間のみ!!という超プレミアムなお店です。

 オーナーシェフの丸谷悟さんは、埼玉県にある明治27年創業という老舗割烹「佐久間」で料理長を務めながら、夏場だけ故郷の新十津川町でお店をオープンさせています。

「新十津川町に住んでいたのは中学までですが、豊かな自然に囲まれた町への憧れは19歳でこの道に進んでからもずっと心のどこかにあったんでしょうね。  

 夏場だけここで営業するスタイルは2005年からです。だんだんと歳を重ねてくるにつれて、関東のうっとうしさに疲れを感じるようになったんでしょうかね。(笑)でもこちらに来たら来たで、あまりの人気のなさに寂しくなります。(笑)行ったり来たりしているのが、心身の健康にもいいんじゃないでしょうか。」

 埼玉県から北海道までの交通手段は、往復とも何と自転車!!1日100のペースで、約2週間かけての移動です。

「自転車はいいですよ。こちらでも晴れた日は自転車に乗って遠出します。だから晴れの日に予約が入っているとちょっとがっかり。(笑)雨の日は仕事をして、晴れの日は自転車というのが理想なんですが。(笑)

 1日1組6名様までしか予約をとらないのは、私一人ではそれが限界だからです。店内の掃除やおしぼりの洗濯、トイレ掃除も全部私一人ですから、とっても手が回らない。仕入れは関東のお店から旬の食材を取り寄せるので、1週間以上前に予約を頂かなければ調達が間に合いません。まあ、いろいろと制限のあるお店ですが、有難いことに皆さん夏になるのを待って訪れてくれます。」

 地元の方々はもちろん、道内各地から馴染みのお客さんが夏を待って多数訪れます。

「料理の世界でも、よく『こだわりの何とか』と言いますが、私は基本的に『こだわり』というのは不要じゃないかって思うんです。『食べること』は『生きること』ですから、『幸せ』や『楽しさ』が大切だと思うんですね。何においてもこだわりがあったら『幸せ』や『楽しさ』は実感しずらいんじゃないかと思います。『こだわり』からストーンと抜け出たところに、極意があるように感じますね。だから『休肝日』という言葉にもあまりこだわらずに、お酒も毎日美味しくいただいています。(笑)」

 そうおっしゃるとおり丸谷さんのお話には硬い雰囲気がなく、とても自然な心地良さが感じられました。

 丸谷さんの魅力的なお話と美味しい料理は、これからもたくさんの方々に「幸せ」と「楽しさ」を実感させ続けてくれることでしょう。

 お忙しい中取材にご協力頂きました「閑古亭」の丸谷さんにこの場を借りて、改めて御礼申し上げます。

 どうもありがとうございました。

right_toppage

right_01健康対談ラジオ番組月刊連載

right_02 right_news right_02-2 right_03 right_04 right_06 right_05 right_07 right_07

bnr_npure

bnr_kenkotime

ブログ・メールマガジン