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【vol.62】おすぎの名画のすゝめ  Scene.20



 
 こんにちは。おすぎです。
 今回ご紹介する映画は、新シーズンに気持ちを新たにして観たい名作です。
  

「オリバー!」

1968年公開 イギリス映画  監督 キャロル・リード

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 チャールズ・ディケンズの『オリバー・ツイスト』を原作にして、キャロル・リード監督が初めて挑んだミュージカル映画です。 
 サスペンスを得意とした監督らしく、ストーリー展開が見事であります。
 孤児のオリバーが、ロンドンの街でドジャーという少年と出会い、スリの集団に仲間入り。親分のフェイギンとのやり取りなども、とても洗練されていて、なおかつ笑いも上手に入れ込んでおり、音楽(”気楽にやれよ“、”なんでもやるさ“、”ウン・パッパ“)とのバランスも申し分なく、楽しめる作品になっています。
 オリバー役のマーク・レスターは可愛いし、孤児としての哀しみも滲ませて、いい味を出しています。しかし、その上をいったのがドジャー役のジャッ
ク・ワイルドで、大人びた強かさが素晴らしい。
 第41回米アカデミー賞で、作品賞、監督賞他4賞でオスカーに輝いています。
 

「スティング」

 1973年公開 アメリカ映画 監督 ジョージ・ロイ・ヒル

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 ”明日に向かって撃て!“で共演したポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが再共演した「スティング」は、1 9 3 6 年のシカゴが舞台。
 詐欺で日銭を稼ぐート・レッドフォード)は、師匠で親同然のルーサーを、ギャングのロネガン(ロバート・ショウ)に殺され、復讐の為、伝説的詐欺師ヘンリー・ゴンドーフ(ポール・ニューマン)と協力し、得意のイカサマで、仇であるロネガンの組織を徐々に追い詰めていく様を軽快に描いた傑作コメディーであります。
 信用詐欺(コン・ゲーム)を扱った代表的な映画で、第46回米アカデミー賞で監督賞、作品賞他5つの賞でオスカーを手にしています。
 主題歌は、スコット・ジョプリンの”ジ・エンターテイナー“を30年代に編曲したもので、マーヴィン・ハムリッシュが担当。
 

「ラスト・エンペラー」

1987年公開 イタリア・中国・イギリス合作映画 監督 ベルナルド・ベルトルッチ
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 清朝最期の皇帝・溥儀の自伝”わが半生“を原作にした「ラスト・エンペラー」は、清朝及び満州国を舞台にした映画ですが、中国系アメリカ人俳優がメインキャストを占めています。もちろん、セリフは英語です。
 事実と異なる部分も多く、ベルトルッチが独自に脚色したと思われますが、中国政府の全面協力で、広大な故宮を数週間借り切ってのスケールで撮影が行われました。
 色彩感覚豊かなベルトルッチの映像美は素晴らしく、特に故宮太和殿での即位式のシーンは、その荘厳さ、華麗さで映画史上に残る有名なシーンとなりました。
 日本人俳優も、高松英郎や立花ハジメ、そして甘粕正彦役で坂本龍一が出演しています。
 第60回米アカデミー賞で、監督賞、作品賞他7つの賞に輝いた作品です。
 

おすすめの新着映画 「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」

監督:スティーヴン・スピルバーグ 原題:The Post 配給:東宝東和
2018年3月30日(金)より全国ロードショー! TOHOシネマズ 日比谷にて3月29日(木)特別先行上映

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 「アメリカ歴代大統領だったトルーマン、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソンの4政権は、ベトナム戦争におけるアメリカの軍事行動について、国民に虚偽の報告をしていた」と記された、のちに“ペンタゴン・ペーパーズ”と呼ばれる文書。これには他にも、暗殺やジュネーブ条約の違反、不正選挙、アメリカ連邦会議に対する嘘といった闇の歴史の証拠が記されていた…。
 1971年3月、“ニューヨーク・タイムズ”の記者ニール・シーハンは、7000ページにわたって政府の不都合な事実が記された“ペンタゴン・ペーパーズ”を入手。“ニューヨーク・タイムズ”がこの文書を暴露する一方で、ライバル紙の“ワシントン・ポスト”も別のルートでこの文書を手に入れ、これをニュースとして扱うか見送るかの決断を、当時アメリカの有力新聞社で唯一の女性経営者だったキャサリン・グラハム(メリル・ストリープ)に委ねられると
ころから、この映画が始まります。
 メリルの存在感、演技の素晴らしさ、トム・ハンクスとのスリリングなやりとり、話の面白さと緊迫感の凄さ等、素晴らしいとしか言いようがない。
 製作・監督はスティーヴン・スピルバーグ、撮影はヤヌス・カミンスキー、音楽はジョン・ウィリアムズ。
 とにかく、興奮する映画です!!
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 
 

 

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