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【vol.60】おすぎの名画のすゝめ  Scene.18



 
 こんにちは。おすぎです。
 最近の楽しみは、自宅近くのお店で食事をしながら、ソフトバンクホークスの試合を観戦すること。お気に入りの選手が活躍した時などは、特に杯が進みます。
 ホークスとのご縁は、王さんが監督だった15年ほど前。『アサデス。』という番組に、新垣渚くんと川崎宗則くんがゲストに来てくれた時、二人のあまりのチャーミングさにすっかり参ってしまったことがきっかけです(笑)。以来、試合にも頻繁に顔を出すようになり、なんと始球式まで務めさせていただきました。
 以前は、巨人ファンの父や姉が「巨人が試合に負けると、食欲がまったくわかない」と言っていたのを、不思議な気持ちで聞いていましたが、いざ贔屓の球団ができると、その心境がよーくわかります。
 このままのペースで、順調に勝ち進んでいただけることを切に願う今日この頃なのであります。
  

「悪魔のような女」

1955年公開 フランス映画 監督 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー

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 『恐怖の報酬』のアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督の傑作サスペンスであります。
 パリ郊外の小学校。妻クリスティナの財産でその地位を得ていた校長のミシェル(ポール・ムーリッス)は、妻が病弱であったので、当然のように女教師ニコールと関係を持っていました。
 しかし、彼のあまりに粗暴な振る舞いに我慢出来なくなったニコールとクリスティナは、結託してミシェルを殺し、遺体を学校のプールに沈めます。
 ところが後日、栓が抜かれたプールには、沈めたはずの遺体はなく……やがて、二人の周囲には、まるでミシェルが生きているかのようなことが、次か
ら次に起こっていくのです。ついに警察まで介入し出したこの事件の真相とは!?何が本当で、何が真実なのか?
 ニコールを演じるシモーヌ・シニョレの演技の凄さを見て欲しい。
 クルーゾーの演出の素晴らしさも堪能して欲しい。
 そして、どんでん返しを充分に楽しんで欲しいのです。

 

「招かれざる客」

1967年公開 アメリカ映画 監督 スタンリー・クレイマー

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 脚本はウィリアム・ローズ。米アカデミー賞オリジナル脚本賞で、オスカーを獲った作品です。
 サンフランシスコの中流白人家庭の娘であるジョアンナ(キャサリン・ホートン)が、旅先で結婚を誓い合った男性をディナーに招きました。父のマット(スペンサー・トレイシー)と母クリスティーナ(キャサリン・ヘップバーン)は、どんな人物なのか大いに期待しますが、訪れてきたのは、ジョンという名前の黒人青年(シドニー・ポワチエ)。
 ジョンは、世界的にも著名な医師であり、マットは新聞社を経営していて、人種差別反対を訴えてきましたが、リベラリストとして、理解しつつも認めることが出来ません。一方、クリスティーナは、戸惑いながらも、娘の幸せを思って賛成するのです。
 1960年代、アメリカの社会ではまだ根強く残っていた黒人問題を正攻法で描いた秀作であります。
 キャサリン・ヘップバーンは、この演技で、米アカデミー賞主演女優賞を受賞。スペンサー・トレイシーの遺作であります。

 

「グロリア」

1980年公開 アメリカ映画 監督 ジョン・カサヴェテス

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 1980年のニューヨークを舞台にしたハードボイルドアクションの快作であります。
 ニューヨーク・サウスブロンクスのアパートに集まったのは、ライフル銃を持った男たち。狙いは、アパートの住人のジャック一家。会計士の父親が、マフィアを裏切った為、一家を皆殺しにするつもりなのです。何が起こったのかわからない6歳のフィル(ジョン・アダムス)。
 そんな時、同じフロアに住んでいるグロリア(ジーナ・ローランズ)が、コーヒーを借りに訪ねてきます。グロリアに「フィルを預かって欲しい」と頼むジャック(バック・ヘンリー)。グロリアは願いを聞き入れ、ジャックから秘密を詳細に記したノートがフィルに託されます。
 子供嫌いのグロリアが、ぐずるフィルを連れて部屋に戻った瞬間、ジャックの部屋で爆発が・・・翌日の新聞は、グロリアが一家を殺し、フィルを誘拐したと報じていました。アパートを脱出した二人は、組織に追われることになります。ニューヨークの街中、タクシー、地下鉄、バスを使って、身を隠す場所を求め逃げまわる二人。これらのシーンはオールロケなので、都市感覚がとてもフレッシュに感じられます。
 ハードボイルドな女と、生意気な少年の組み合わせが絶妙であります。ちなみに、ジーナは、カサヴェテスの奥さんです。

 

おすすめの新着映画 「ドリーム」

監督:セオドア・メルフィ
原題:Hidden Figures
配給:20世紀フォックス映画
9月29日(金)TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー

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 72年も生きてきて、知らなかったことを映画で知るなんて、これほど嬉しいことはありません。
 東西冷戦下、アメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた1961年。ヴァージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所には、ロケットの打ち上げに必要不可欠な“計算”を行う黒人女性たちのグループがありました。そのグループの中の3人の女性を主人公にしたのが「ドリーム」であります。 天才的な数学者であるキャサリン・G・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)は、宇宙特別研究本部のメンバーに抜擢され、ドロシー・ヴォーン(オクタヴィア・スペンサー)と、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)も、それぞれの職場で実力を発揮していきますが、白人男性だけのオフィスは劣悪な環境。それでも仕事と家庭を両立させ、NASAの歴史的な偉業に携わり、自らの手で新たな扉を開いていくのです。
 “人種差別”を乗り越えて活躍した3人の素晴らしさを見て!!
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 
 

 

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