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【vol.58】おすぎの名画のすゝめ  Scene.16



 
 こんにちは。おすぎです。
 春ですねぇ。福岡に居を移してから、早数年。東京よりも一足早い桜を楽しみながら散歩コースを歩いていると、様々なことが想い出されます。
 最近では、昨年お亡くなりになった永六輔さんのことかしら。「おすぎとピーコ」っていうのは、そもそも永さんがつけてくれた名前で、映画評論家としての基礎を作ってくれたのも永さんなのよね。本当に、いろいろなことを教えてくれた大恩人。でも、ケチだったわね・・・あ、お金の厳しさを教えてくれたっ、て意味よ(笑)
 おすぎが今こうしてあるのも、永さんのおかげなのであります。
 今回は、音楽が秀逸な映画を選んでみました
  

「シェルブールの雨傘」

1964年公開 フランス映画 監督:ジャック・ドゥミ

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 舞台はフランスの港町シェルブール。雨降る舗道を、いろいろな傘が通り過ぎるのを俯瞰で見せてくれるオープニングです。
 結婚を誓い合った恋人同士の自動車整備工・ギィ(ニーノ・カステルヌオーヴォ)と雨傘店の娘・ジュヌヴィエーヴ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。でも、ギィに送られてきた召集令状が、二人の運命を大きく変えてしまうのであります。
 ラストシーンはギィが経営するガソリンスタンド。給油に来たのは、何とジュヌヴィエーヴだったのでした。
 雪が降り続く中で、久々の再会を果たす二人・・・。何度観ても涙が出てきてしまうミュージカルなのです。音楽はミシェル・ルグラン。
 カトリーヌ・ドヌーヴが若くて美しいし、ニーノ・カステルヌオーヴォは私の好みでありました。 
 

「ゴースト/ニューヨークの幻」

1990年公開 アメリカ映画 監督:ジェリー・ザッカー

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 1990年度の興行収入ナンバーワンヒット作。
 暴漢に襲われて命を落としたサム(パトリック・スウェイジ)は、幽霊になって、恋人モリー(デミ・ムーア)の前に現れるんだけど、当然モリーに
は見えない。やがて、自分を殺した暴漢がモリーにも迫っていることを知ったサムは、自分の声を聞くことができる霊媒師オダ=メイ(ウーピー・ゴールドバーグ)の力を借りて、モリーに危険を知らせようとするのですが・・・。
 モリーが陶器を作ろうと土を練っている背中を、幽霊のサムが抱くようにしているシーンは大変有名になりました。
 ラブ・ロマンスにファンタジーを絡め、コメディになりがちなストーリーを、サスペンスを織り込みながら非常にうまく作り上げた作品。
 霊媒師に扮したウーピー・ゴールドバーグは、この役でアカデミー助演女優賞を受賞しました。音楽はモーリス・ジャール。主題歌は、〝アンチェインド・メロディ〞。
 

「燃えよドラゴン」

1973年公開 イギリス(香港)・アメリカ合作映画 監督:ロバート・クローズ
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 名匠ラロ・シフリンの音楽が流れ、それだけでドキドキしたワーナーブラザース映画の試写室。日本人の映画関係者は、当時まだ誰一人としてブルース・リーを知らなかったのですが、エンドマークが出た時の、試写室内の興奮は、それはもう凄いものでした。
 ブルース・リー扮する少林寺の高弟リーが、かつて同門でありながら、少林寺を裏切り、犯罪組織に関わっているミスター・ハン開催の武術トーナメントに参加し、悪事を暴いていく、という簡単なストーリーですが、次から次へと繰り出すアクションシーンと、バラエティに富んだカンフーに度肝を抜かれ、最後まで目が離せませんでした。
 1974年に日本公開された時、有楽町の映画館はドアが閉まらないくらいの大盛況で、観終わった客の中には「アチョー!!」と叫んでいる人も( 笑)この作品で、ドラゴン・カンフー映画は一つのジャンルを確立したのでした。
 

おすすめの新着映画 「第3の愛」

監督・製作:イ・ジェハン
原題:第三種愛情 英題:The Third Way of Love 
配給:ツイン
2017年4月1日(土)よりシネマート新宿ほかロードショー!
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 飛行機の中、通路を隔てて座っている男女。女は声をあげて泣いている。男は少しの間それを見ているが、ポケットからテイッシュを出して女に渡してあげる・・・
 そんなオープニングって、やはり意表をつくでしょう?
 男は大財閥の若き社長リン・チージョン(ソン・スホン)、号泣していたのは弁護士のゾウ・ユー(リウ・イーフェイ)。ユーはどうやら離陸したば
かりで、気持ちが不安定だったらしい。
 後日、リンの会社へ抗議しに来た弁護士は、何とユー。さらに別の日には、建設作業員の労災金を巡るトラブルにも、担当弁護士としてやってくるのであります。こうして二人は恋に落ちていくことになるのです・・・と、書いていますが、この後のストーリー展開は、今まで観てきた多くの映画とは異なります。というのも、この先二人がどうなっていくのか、想像できないのです。
 こうなるのではないかと思っていると、全く違っていたり・・・。それを楽しむっていう、ちょっと変わった作品です。
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 
 

 

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