Vol.064 08月 ユダヤ人の成功法則
私たちの身体は約60兆個ともいわれる細胞の集合体です。その中に含まれている「遺伝子」には、生命活動を行なううえでのありとあらゆる情報が書き込まれています。
今月も、先月に引き続き「遺伝子」についてのお話です。
あの人は何故変わったのか?
久しぶりに会った友人のあまりの変わり様に、驚いたことはありませんか?
前回、遺伝子のスイッチオンとオフについて話しましたが、おそらくその友人にも何らかのきっかけがあって、遺伝子スイッチの切り替わりがあったのだろうと思います。
日本にいた時にはとてもおとなしくて、さほど目立った功績もなかった研究者が、海外に赴任した途端、驚くほど積極的になり、次々と新しい発見をした、ということがあるそうです。遺伝子研究の第一人者である村上和雄先生は「海外という慣れない土地において、実力主義・成果主義の国ならではの雰囲気に刺激された結果、ある遺伝子がオンになったのだろう。」と仰っています。
アメリカの大学では、先生を対称に7年に1度、サバーティカルという1年間の長期休暇を貰えるそうです。この長い休暇中に、様々な体験をすることが、発想を転換する(オフだった遺伝子をオンにする)チャンスになるのでしょう。
日本の企業にも、こうした思い切った発想が必要かもしれませんね。
ユダヤ人の成功法則
「経済的な成功者や、ノーベル賞の受賞者に、なぜユダヤ人が多いのか?」という研究が、古くから世界中で行なわれています。
ユダヤ人は2000年以上もの間、様々な迫害を受けてきたわけですが、こうした大変な環境の中を生き延びていくためには、ユダヤ人が各分野のトップになる必要がありました。そのための様々な情報交換が、毎週教会で行なわれる集会後などに、家族ぐるみで頻繁に行なわれていたそうです。幼い頃からこうした情報交換の場に同席していた子供達は、知らず知らずのうちに「トップに立つために必要なこと」に関係する遺伝子がオンになっていたのではないか、と考えることが出来ます。
また、寝る前には、本を読んだり勉強をしたりすることと共に、その褒美として甘い蜂蜜をなめさせてくれる習慣があったそうです。美味しい蜂蜜と、知識を蓄えることが良いイメージでつながっているために、きっと勉強そのものが楽しいものだという感覚になったのではないでしょうか。つまり「勉強=蜂蜜=楽しいこと」という遺伝子オンの環境を整えていた、ということが出来ます。
良い遺伝子をオンにする方法は、身近にたくさんあるんですね。
良い遺伝子オン型人間の特徴とは?
村上和雄先生が仰るには「前向きな人」に、良い遺伝子をオンにしているタイプが多いそうです。
積極的にいろいろなことにチャレンジすることで、多くの体験をし、たくさんの刺激を受けることになるわけで、それだけ良い遺伝子をオンにする可能性も高まるということでしょう。
また「先のことはあまり考えずに、目の前のことに精一杯取り組む」という傾向もあるようです。考えてばかりだと、失敗した時のことなどが頭に浮かんで、どうしても行動に移すタイミングが遅れてしまいます。「身体を使って、体験する」ことが遺伝子をオンにするコツではないでしょうか。
「あまり考え過ぎずに行動してみる」「環境を変えてみる」「新しい趣味を始めてみる」何でも積極的に行動してみることで、良い遺伝子をどんどんオンにしていきたいものですね。