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Vol.063 07月 遺伝子マメ知識


 いよいよ夏本番!!体調管理をしっかりして、夏バテしないように気をつけたいものですね。

 今回から、私たちの体質や健康状態にも大きく関係している「遺伝子」についてお話したいと思います。

カエルの子はカエル?

 子供は親の血を受け継いでいるから、親より飛びぬけた子供は生まれない、というニュアンスを含んだこの言葉。いっぽうで、突然変異のように優秀な子供が出来ること(失礼!)を「鳶(とび)が鷹(たか)」を産む」と言うこともあります。はたして真実はどちらなのでしょうか?

 親の尊厳に関わる(?)この問題、最新の遺伝子学からすると「どちらも正解」ということになるようです。と、言うのは「実際に活動している遺伝子は全体の約5%に過ぎない」ということと「遺伝子は、置かれている環境で状態が変化する」という2つの大きな要素があるからです。

 親の都合(または子供の都合?)で、勝手に遺伝の話を進めてはいけません。また「年をとってからの子供なので身体が弱い」という説がありますが、遺伝子は年をとりませんので全く関係がありません。

 ちなみに「IQの高い人同士が結婚すると、IQの高い子供が生まれる」ということもないそうです。これはおそらく「種の存続」のために自然界が、遺伝子を平均値化させようとしているのではないか、と思われます。

 出来、不出来で遺伝を気にしていらっしゃる皆様、どうぞご安心いただければと思います。(笑)

オンとオフ

 私たちの身体は、細胞の集合体です。体重1kgあたり1兆個の細胞と言われていますので、60kgの人だと60兆個の細胞の集合体ということになりますね。この細胞にはそれぞれ遺伝子が組み込まれているのですが、実は身体のどの部分の細胞も遺伝子も、構造や働きはまったく一緒なのだそうです。そのまったく同じである筈の細胞が、爪では爪の役割を、髪の毛では髪の毛の役割を、内臓ではそれぞれの内臓の役割をしています。

 筑波大学名誉教授の村上和雄先生は「髪の毛が急に『心臓の仕事をしたい』、心臓の細胞が『俺は今日から爪の仕事をする』などといい出すことはないのか。各細胞がもつ情報はすべて同じなのですから、それは潜在能力的には可能なことなのです。しかし現実にそういうことは起きていません。それは爪の細胞の遺伝子は爪になることはOK、つまり遺伝子をオン(ON)にしているが、それ以外はいっさいダメ、つまりオフ(OFF)にしていると考えられるからです。」と仰っています。

 このことを健康に当てはめてみると、病気にかかる人はそうした遺伝子がオンになってしまった状態と捉えることも出来ます。それぞれの病気につながるスイッチがあって、何かが原因でその遺伝子がオンになってしまう、というイメージですね。こうしたマイナスの遺伝子がオンになってしまうきっかけとして「ストレス」などが挙げられますが、同じ環境にいても、健康で過ごしている人もいます。

 今おかれている環境をどう感じるかは、その人次第。良い遺伝子をオンにするのかどうかは、皆さんの気持ちの持ち方で決まると言っても良いでしょう。

 昔から言われている「病は気から」ということも、遺伝子的レベルで考えると納得がいきますね。

遺伝子マメ知識

 ところで遺伝子の大きさってどのくらいだと思います?

 重さは1グラムの2000億分の1。幅は1ミリの50万分の1だそうです。えっ?わかりづらい?では、わかりやすく言いましょう。現在の地球上の人口60億人分の遺伝子を集めてきても、米粒ひとつ分の重さにしかならず、幅については、1ミリの針金を100分の1にしたもの(息を吹きかけただけで折れてしまいますね)でも、遺伝子の5000倍ある、ということです。こんなに小さな遺伝子に、私たちの身体の設計図がすべて書き込まれているんですね。

 これだけ科学が進んだ現在でも、未だに遺伝子のもつすべての情報が解明されていません。ノーベル賞を受賞した科学者が束になって研究しても、私たちの体内に住む大腸菌ひとつ作れない、というのが現状です。
でもひとつ、確実に言える事は、こんなに凄い「遺伝子」の情報を、私たちは皆持っているということ、そして95%は、オフの状態にしているということです。

 良い遺伝子をオンにすることで、可能性はまさに無限大と言えるのではないでしょうか。

参考文献 村上 和雄 著 「生命の暗号」(サンマーク出版)

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