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Vol.057 01月 「鼻」と「口」からわかる身体のサイン


 「事が起こる前の何らかの兆し」のことを、前兆といいます。ふだんあまり気にしていないほんの少しの身体の変化が、実はあなたの将来の健康を暗示しているとしたら・・・。

前回に引き続き、今回も予防医学という観点から「身体に起こる前兆」のお話をしたいと思います。

すべての器官は顔に通ず

 「目は肝」と、「耳は腎」とつながっている、というお話を、前回させていただきました。こうした身体の各器官、つまり五臓六腑はすべて、顔のどこかの箇所と深いつながりをもっています。顔の中で最もエネルギー量の使用比率が高い「目」は、血液をたくさん必要とするため、血液の貯蔵庫である「肝臓」の状態が現われやすく、老化と共に聞こえづらくなってくる「耳」は、同じく年をとると弱ってくる泌尿器系、生殖器系の「腎臓」の状態が現われやすい、というのも、とても納得出来ますね。

 こうした身体の各器官とのつながりは、鼻や口といった部分においても当てはめることが出来ます。まさに「すべての器官は顔に通ず」なのです。

「鼻」からわかる身体のサイン

・鼻が小刻みに動く・・・呼吸がしにくい、というサイン。肺炎やぜんそく、気管支炎などで呼吸器が弱っている人に多い
・鼻の頭が赤い・・・酒好きな人に多いのは、肝機能障害による血行不順
・鼻血・・・鼻粘膜の弱い人、もしくは血液の異常、慢性の肝臓病、高血圧など(のぼせの一連の症状に伴い出血することもある)
・鼻水・・・濃い鼻水は鼻炎や副鼻腔炎などの細菌性の症状が多い
※薄い鼻水はアレルギー性鼻炎や水分過多傾向にある人の風邪の症状

東洋医学でいう「肺臓」は呼吸器全般を指しますから、顔の中で直接呼吸に関係している「鼻」が、肺や気管支などの状態を現しているということになります。鼻の小さい人には呼吸器の弱い人が多い、と言われるのも、こうした理由からでしょう。

「口」からわかる身体のサイン

「胃腸」などの消化器官は、食べ物が入り込む「口」と深いつながりがあります。全ての食物は、必ず口を通って体内に到達するので、これもわかりやすいですね。

・口角の亀裂や口内炎、口のまわりの吹き出物は、胃、大腸の不調を表す

ふだん健康な状態の時には、きれいなピンク色をしている唇も、血液の色をよく反映するので体内の様子がわかりやすい部分です。

・唇が白い・・・貧血気味の人に多い
・赤い・・・発熱、もしくは疲労や衰弱で体内に水分不足が生じている可能性がある

 また、舌の状態からも体内の様々なことがわかります。

・舌が白っぽい・・・貧血、冷え性の人に多い
・赤っぽい・・・体内に熱がこもっている場合が多い

 舌の苔は、舌苔(ぜったい)といわれ、伝統医学のひとつであるアーユルヴェーダでは、未消化物の目安として診察にも用いられています。この舌苔の色が、白から黄色、茶、黒と濃く変化するほど、体内に老廃物が溜まっている目安となります。健康のため、定期的に断食を行っている人は、断食で未消化物がない状態の時にはほとんど舌苔が出ないそうです。毎朝チェックしてみるとコンディションがわかるかもしれませんね。

 舌だけでなく、鏡を見るたびに、目や耳、鼻や口などをチェックする習慣をつけることで、毎日簡単に、自分で健康診断が出来ることと思います。

参考文献 石原 結實 著 「前兆に気づけば病気は自分で治せる」(三笠書房)

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