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Vol.035 03月 天気でも変わる免疫力


 免疫力は、私たちがもっているたいせつな宝物です。
 前回に引き続き、免疫力についてお話しします。

まずは復習から・・・

 前回お話しした「免疫」の復習から入りましょう。

 免疫とはひとことで言うと「病気の原因を発症する前にやっつけてしまう身体の仕組み」ということが出来ます。
 風邪をひいて熱が出ているのは、体内に入り込んだ熱に弱いウィルスを、体温を上げることでやっつけようとする働きです。また、下痢という症状もお腹に入った悪い菌を体外に排泄しようとする大切な働きです。

 ですからこうした大切な働きを、薬の力で止めてしまうのは、本来良いことなのかどうか、ということになりますね。

 また、免疫力を発揮する源は白血球の働きである、ということもお話ししました。白血球の中の顆粒球とリンパ球というのが、それぞれ自律神経の交感神経、副交感神経と関係があるということもあわせて覚えて下さいね。

天気でも変わる免疫力

 天気が良い日は、なんだか気分もワクワクしますよね。天気が良い日というのは気圧が高く、酸素の量も豊富です。そうすると私たちの身体は、今のうちにたくさんの酸素を取り入れておこうと、呼吸が活発になり、気分も活動的になります。これが「何だかワクワクする」理由です。

 逆に天気が良くない日は、気圧が低く酸素の量も少なくなりますので、脈拍や呼吸数をなるべく少なくして、代謝を抑えようとします。これが「何だか気分がノラない」原因です。

 この現象を免疫ということで観ると、天気が良い日は「活動的=交感神経=顆粒球」天気が良くない日は「消極的=副交感神経=リンパ球」ということになりますね。

気候で寿命が違う?

 こうした気圧の違いによる免疫の働きの差は、各都道府県別の平均寿命データにも出てきています。

 例えば、長命な県として知られる沖縄県、長野県、山形県、岩手県などは、どこも低気圧県です。

 低気圧県ということは、酸素量が少ないので代謝や呼吸数、脈拍数などをなるべく抑えるように働いているということになりますね。

 お坊さんが長寿なのは、お経を読むことで1回の呼吸時間が長くなり、呼吸数そのものが一般の人に比べて少ないからだ、という説があります。また、一生で出来る呼吸の回数には限りがある、ということも言われています。腹式呼吸や気功、ヨガなどでは、ゆったりとした呼吸の仕方を指導しますが、こうした免疫の観点からもたいへん優れた健康法ということが出来ますね。

 同じように粗食が身体に良い、ということも食べ過ぎや栄養の摂り過ぎが、体内において余分な熱量を発生させ、代謝を促進させてしまうことの弊害を少なくしているからでしょう。

 気圧は自然現象ですから変えることは出来ませんが、呼吸をゆっくりとすることは意識すると習慣にすることが出来ます。
 まずは身近な呼吸から見直してみましょう。きっと免疫力アップが実感出来ることと思います。

参考文献 安保徹・無能唱元 共著 「免疫学問答」河出書房新社

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