Vol.294 10月 甘いものは、お好き?
甘いものは、お好き?
甘いものは、からだによくない?
先月号の記事で「おはぎとぼた餅」の話をしたところ「鳴海さんって、甘いもの食べるんですか?」というご質問をいただきました。
「はい、甘いもの大好きです!毎日夕食後には、なにか食べますよ」とお答えしたところ「えーっ!意外‼だって、鳴海さん、健康の専門家でしょ!?白砂糖って、あまりからだによくないんですよね?」と、とても驚かれました。
さて、「甘いもの」は、からだによくないのか?
料理研究家の星澤幸子先生との共著『あなたに贈る食の玉手箱』では次のようにお答えさせていただきました。
(以下『あなたに贈る食の玉手箱』より)
テーマ:甘いものはよくないというのは本当ですか?
星澤幸子先生(以下、星澤) 白砂糖を摂り過ぎるとよくないと言われる理由に、人の手を加え過ぎているということがあります。自然からかけ離れるほど、からだは喜ばないんですね。白砂糖は精製によってほぼ100%という純度になった糖質です。ご飯は35%、うどんやそばは20〜30%、サツマイモの甘いものでもせいぜい40%ほどという糖質ですから、これは本当に驚くべき純度!
人工甘味料にいたっては、さらに自然からかけ離れてしまうでしょうね。
鳴海 白砂糖は、サトウキビや甜菜を絞ったあとの精製過程でもともと含まれていたビタミンやミネラルがほとんど失われてしまいます。精製の度合いが高くなると、どうしても自然とかけ離れてしまう可能性も高くなる。人間=自然の一部であれば、自然とかけ離れたものを摂らないにこしたことはない、ということになるでしょう。
ただ、「甘いものは別腹」という言葉があるほど、甘いもの好きが多いのもまた事実です。私もそうですが(笑)そういった人は、我慢するストレスもまた大きいと思いますので、なるべく自然に近いものを摂るようにこころがけてみてはどうでしょうか。
星澤 そうですね。なるべく精製度合いの低い、黒砂糖やキビ砂糖、てん菜糖、メイプルシュガーや蜂蜜などがいいでしょう。水飴や米飴、みりんなどもいいと思います。
鳴海 『粗食のすすめ』の著者で、管理栄養士の幕内秀夫先生は「甘いものはこころの栄養」とおっしゃっています。甘いものを食べた時に、何となくからだに馴染む感じ、ホッとする感じがするのは、その時のからだが必要としていることに加えて、こころも喜んでいるのでしょうね。私は甘いものを食べる時に「中和作用」というのを感じることがあるんです。例えば、和菓子であれば餡(小豆)と白砂糖、チョコレートだとカカオと白砂糖、というように「相性のよさ」で、デメリットをカバーしているような、そんな感じを受けるんです。甘いもの好きの言い訳ですかね(笑)
星澤 (笑)それはきっと、白砂糖の持つ不都合さを「黒い食材」が中和してくれているのかもしれませんね。陰陽のバランスから見ても、色の違う食材どうしがお互いのよさを引き出し合ったり、不都合な部分を中和してくれたり、ということは充分考えられることです。小豆餡を使った和菓子にも先人たちの智恵が活かされていたんですね。
10年ほど前の対談ですが、このように、僕はずっと「甘党」の味方なのです(笑)いまは、さらにゆるくなって「美味しい!と思うなら、なんでもいいんじゃない?」という考え方に進化(?)していますが、その根拠となっているのが「好けるものは薬にあつべし」という、明から清の時代にかけて活躍した劇作家・李笠翁の言葉。江戸時代からのロングセラー『養生訓』に記載されている「好きなものはクスリなのだから好きなものを食べたらよい」という言葉もこの記に由来しているといわれています。甘いものを食べて「あー、美味しい!!!」と感じるのであれば、それはその人のからだが喜んでいる証拠!と昔の偉い人たちも太鼓判を押してくれているのです。
よく言われる「バランスのよい食事」というのも、その時に美味しい!と感じるものを、美味しい!と感じるぶんだけいただいていると、自然にその人にとっての「バランスのよい食事」になっていると考えていいでしょう。
育ってきた環境や体質、ライフスタイルなどは人によってそれぞれなので、10人いたら10通りの「バランスのよい食事」が、存在するんですね。
「自帰依自灯明、法帰依法灯明」
(自分を信じて、自分自身を灯りとしなさい。それは、真理=自然の摂理・宇宙の法則を信じて、真理を灯りとすることと同じである)
お釈迦様が、亡くなる直前に遺したといわれる言葉です。
「美味しいと感じるものは、からだにいい」
自分自身の「こころとからだ」の感覚を信じて、甘いものも楽しんでみてはいかがでしょうか。




















