【vol.90】辻和之先生の健康コーナー|「わかりやすい東洋医学講座」 第39回 東洋医学の基礎理論39 脾と腎(前編)
東洋医学の基礎理論39
これまでに、①心と肺、②心と脾、③心と肝、④心と腎、⑤肺と脾、⑥肺と肝、⑦肺と腎、⑧肝と脾、⑨肝と腎 について取り上げてきましたが、今回は「臓と臓」の関係の最終コーナーである
⑩「脾と腎」について説明します。
先ず腎の生理について復習してみましょう。
【腎について】
腎気とは、腎の働きや機能を指しており、主に3つの働きがあります。
⑴【腎は、精を蔵する】といって腎には、精をしまい込み蓄える作用があります。さらに⑵【水を管理する】機能があり、体液を調節する作用があって、体内の水液のうち有益な水分(清)を再吸収して留めたり、不必要な無益水分(濁)を排泄したりします。⑶【気を納める】機能も有しており、気の調節作用をし、主に肺の吸気を助ける作用を助けます。
腎に貯蔵される精とは、生命を成り立たせる根源的な生命力であり、身体の成長・発育・機能・活動及び生殖に欠かすことが出来ないものであり、精気とも称します。
(図1)精には、「先天の精」と「後天の精」がありますが、「先天の精」とは、両親から生殖の精として受け継いだものであり、人体を形成する基本物質で、胎児の発育の本(源)となり、生殖や成長発育を促す作用を有します。
一方「後天の精」は、生まれてから後、摂取した飲食物から脾・胃の運化(飲食物を消化・吸収し、生命エネルギー・気・血・津液に変換して全身に輸送する生理機能)によって作られた水穀の精気のことを云います。
腎には、先天の精気ばかりではなく、後天の精気も蓄える作用があり、「先天の精」と「後天の精」は、お互いに補充し合って、その生理機能を発揮しています。
腎中に蓄えられた精気の主な作用は、身体の成長と発育を促進したり、生殖能力を備蓄したりする作用であり、人の生・長・壮・老・死の自然経過は、清気の盛衰と密接に関係します。
腎中の精気には、腎陽と腎陰が有り、腎陽は、各臓腑や組織、器官を推動する(推し動かす)作用と温煦する作用があり、滋陰には、各臓腑や組織、器官を滋養して、潤す作用があります。腎の病的状態では、腎陽虚から来す病態(図2参照)と腎陰虚から来す病態(図3参照)があります。
(次号へ続きます)
プロフィール
医療法人和漢全人会花月クリニック
日本東洋医学会専門医
医学博士 辻 和之
昭和26年 北海道江差町に生まれる
昭和50年 千葉大学薬学部卒業
昭和57年 旭川医科大学卒業
平成 4年 医学博士取得
平成10年 新十津川で医療法人和漢全人会花月クリニック開設
日本東洋医学会 専門医
日本糖尿病学会 専門医
日本内科学会 認定医
日本内視鏡学会 認定医






















