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Vol.247 11月 氣血の流れをよくする養生法


氣血の流れをよくする養生法

 このコーナーでも何度か紹介したことがある『養生訓』。江戸時代の儒学者・貝原益軒さんが書いたこの本は、なんと300年も読み継がれている超ロングセラーです。
 健幸・長寿を自ら体現した益軒さんの「健幸のコツ」を、あらためて学んでみたいと思います。

朝起きてすぐの健幸習慣

 からだをめぐる氣血の流れがよいと、いつも健幸でいられます。
 この「氣血」の流れをよくする方法として貝原益軒さんお勧めなのが「導引の法」。中国で生まれた氣の流れをよくする健幸法です。

「朝いまだおきざる時、両足をのべ、濁氣をはき出し、おきて坐し、頭を仰て、両手をくみ、向へ張出し、上に向ふべし。歯をしばしばたたき、左右の手にて、項をかはるがはるおす」(巻第五)

 朝起きてすぐに、これだけのことをするのは少々おっくうですが(笑)このあとにも、両肩を上げたり下げたり、首を縮めたり、腰や足を叩いて、撫でて、引っ張って……とさらに続きます。僕も一定期間、ひととおりやってみましたが、なかなか時間がかかります。

 そこで、これは!というものにしぼってみたところ、それだけでもじゅうぶんに効果があると感じたものが「手と指をこする」「顔と首をこする」という2つの方法。
 両方を合わせても1分ほどなので、毎朝の習慣として続けることができます。
 手や指、顔などの「からだの末端」は脳ともつながりが深いので、脳活法としてもお勧めです。

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 寒くなってくるこれからの時期には、とくにお勧めな「氣血をよくする」養生法。
 起床時に布団のなかでおこなうと、からだもこころも、ぽかぽかに温まりますよ。
  
  
〈『養生訓』関連箇所(現代語訳)〉

 両手をこすりあわせて、髪のはえぎわから顔をなでおろす。鼻の両脇、耳のつけ根、耳たぶも、しばしばなでるとよい(巻第五)

 首から足まで、全身をなでたりさすったりするとよい。とくに関節の部位は重点的にするとよい(巻第五)

 膝から下を、うらおもて何度もなでおろす。足の甲、足のうらをなで、足の指を引っ張れば、氣をめぐらす効果がある(巻第五)
 
  
 
参考文献
『養生訓』 貝原益軒
 
 

 

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