【vol.41】ときめきの富士｜アヤメ咲く頃～春から夏へ移ろう頃 富士吉田市農道公園～
雪の時期を過ぎ、菜の花と桜が終り、水温む山麓には新緑の季節がやって来た。
一面は青と緑の世界。午前中は空気が澄み、空の抜けは良く、池は空の青を映して美しい。
春から初夏へ。
富士山麓は光が燦々と満ち溢れる時期を迎えた。
大災害を契機に環境と生き方の変化が始まって、原点回帰の動きも顕著になって来た。
しかし自然は変らずそこに在る。
様々な気付きと学び、共生する事の大切さと有り難さをひとしお思う。
感謝無限大 ロッキー田中
富士山が教えてくれた幸運の法則 その１
＜自然の声を聴く＞
私が『ときめきの富士』の写真家を宣言して、サラリーマンからプロの写真家に転身したのは今から15年前です。会社員時代、営業部門で実績を出し、本社の戦略部門を経て、もう充分会社に貢献出来たし後輩も育って来たから、次は自分の夢に向かって進もうという思いが段々と強くなってきたのは40代後半の頃でした。
昔から星空を眺めたり、山河で時を過ごしたり、美や芸術に触れる事も大好きで、直感に素直なタイプでした。宇宙と自然からの息吹を何よりも大切と思う、サラリーマンとしては少し異質な人間だったと思います。
しかしこの事が自分の感性を高める事に直結していた様です。
富士山に行き始めたのはその頃。最初はその雄大さを眺めている気持ち良さだけでしたが、永年撮っているベテラン達の写真を見せてもらう度に、どうしたらこんな凄い写真が撮れるんだろうという興味と探究心が首をもたげて来ました。週末に行く度に知り合いになる人が増え、目と耳情報は徐々に蓄積されてきました。
この写真が出来た《時と場所と気象条件》を知るべきではないか。そう感じて、ベテラン達と会わない時は自分の足で探索を開始しました。或る時は何日も山麓で待機しました。
しかし手応えは有りません。目の前の景色が徐々に変化しているだけです。もしかしたら、最適の季節と、限られた時間と、季節ごとの特定の場所が在るのではないかと思い直し、閃いたのが地球の自転に依る四季の変化＝太陽の角度です。
地球は約23・5度傾いて太陽の周りを１年かけて一周します。この角度と北半球にある日本の位置が極めて明確な四季の変化をもたらします。冬と夏では47度も太陽の出る位置が異なるのです。だとすれば富士山を軸にして自分と太陽がなるべく一直線に成るように動くべきでないか、これが最初の気付きでした。
それが光一直線の法則です。ストレートに近い位置を執る事で朝焼けの空や夕焼けの広がりが大きく成り、富士山の色づきも濃く長くなります。すると場所が絞られて来ます。次は立つ時間帯です。日中は光が
充分に廻る為に誰でも共通のシーンを観る事が出来ます。私が観たいのはこの時間帯ではありません。
未明から夜明前、日の出から空気の澄んでいる早朝に宝物が有るのではないか、いつ雨が上るか、山間の霧やモヤはどんな時に発生するのか、自然の変化に合わせ、自分の足で探索を重ねている内に解析と蓄積が進んできました。そして平日は美術館に通い、写真以外の様々な芸術を吸収していました。
面白いもので、富士山が大きくて雲が絡んだ”凄い ベテラン達の写真にあまり魅力を感じなくなりました。私が逢いたい富士山じゃない、もっと広く美しく情感の伝わる『ときめき』に逢いたい。その為には自然の息吹を感じて想像力を高めよう…。
自分の中に『これから逢う、誰も見たことのないときめきの富士』の明確なイメージが出来始めました。
ロッキー田中さんの「ときめきの富士」ご紹介にあたって
富士山の呼ぶ声を聞いて、誰も見たことのない「ときめきの富士」を世の中に紹介し続けているロッキー田中さん。
ぶんぶん通信２７号の対談コーナーにご出演頂いたご縁から、その素晴らしい作品の数々をこの誌面でご紹介頂ける運びとなりました。
多くの雑誌で「幸福を呼ぶ富士山」として紹介されているロッキー田中さんの「ときめきの富士」。誌面から溢れる「癒しの波動」を、心身の健康にお役立て頂けましたら幸いです。
プロフィール・写真家 ロッキー田中
誰も見た事のない「ときめきの富士」を生涯に99作世に出すオンリーワンの写真家。
離れた東京で富士山・空・雲・光の表情を読み、山が呼んでくれたら逢いに行く。
作品は浮世絵の様な構図、色、究極の美に満ち富士山のメッセージが写っているとされる。『現代の北斎』とも称され、平成15年に文部科学大臣賞受賞。富士写真家連盟特別顧問・講師。NPO富士山を世界遺産にする国民会議223フェロー。
人々との喜びの共感を生き甲斐とし、サロンには全国から訪れる人が絶えない。
