Vol.205 5月 「養生の3本柱」で健幸を保つ
「養生の3本柱」で健幸を保つ
芽吹きの春。店先にはたくさんの「旬の食材」が並んでいますね。じつはこの「旬の食材」に、心身を健幸に保つ秘訣があるのです。
晩酌タイムは、絶対厳守!!
著書『医者いらずになる「1分間健康法」』『死ぬまでボケない「1分間脳活法」』でご一緒させていただいた医学博士の帯津良一先生の生活は、まるでスーパーマンのよう。
朝2時半に起床(この時点で既に凄い!)、3時には迎えのタクシーで勤務先の病院へ到着し、そのまま著作などの原稿執筆。日が昇る頃、患者さんと一緒に太極拳を舞い、18時まで診察と回診が続く…という生活を、82歳になった現在も毎日続けています。
「毎日18時半から晩酌タイムなんです。これは絶対に外せないので、仕事をそれまでに終えるためには、朝のスタートを早くする必要がある。それで、氣づくと2時半起きになっていたんです(笑)」
帯津先生の「18時半からの晩酌タイム」は徹底しています。以前、札幌で帯津先生の講演会があった時に、主催者さんの都合で18時からの講演になったことがありました。「さすがに、今日は晩酌タイムが遅れるだろう」という大方の読みは外れ、講演中の壇上に、なんと「晩酌セット」が登場したのです。対談の相手にお酒を注いでもらいながら、悠々と晩酌をする帯津先生を、尊敬の眼差しで見つめていたのは言うまでもありません。
目には青葉・・・
そんな素敵な毎日を送っている帯津先生曰く「養生には3本の柱があります」とのこと。
① 食の養生
② 氣の養生
③ 心の養生
この3つの「養生の柱」について、自分なりの方法を考えることが、心身を健幸に保つ秘訣なのだそうです。
江戸時代の俳人・山口素堂の句に「目には青葉山時鳥 初松魚」というものがあります。「旬のときめき」を詠ったと思われるこの句に対して、帯津先生も負けじと詠んだ句がこちら。
「目には青葉 朝の氣功に 夜の酒」
青葉以外は、旬とあまり関係ありませんが(笑)これが、帯津先生の「元氣の源」なのだそうです。
「旬のものは、大地のエネルギーを純粋な形でいちばん持っています。大好きな旬の初がつおを思うだけで心がワクワクときめきますね」
じつは、帯津先生のこの解説に「養生の3本柱」の要素がすべて入っています。
① 旬のものをいただく、という「食の養生」
② それによってエネルギーが高まる「氣の養生」
③ 大好きなものをいただくときめき「心の養生」
「養生法」というと、なんだか難しく感じるかもしれませんが、「大好きな旬のものを、美味しくいただく」だけで、3つの養生がすべて満たされてしまうんですね。帯津先生の場合は、これに毎日の「晩酌タイムのときめき」が加わるので、効果倍増というわけです。
人に良い、と書いて「食」。大地のエネルギーをふんだんに取り込んだ「旬の食材」を、自分なりの健幸習慣に取り入れてみてはいかがでしょうか。