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【vol.61】辻和之先生の健康コーナー|「わかりやすい東洋医学講座」  第12回 東洋医学の基礎理論11 学説


 
 2 0 0 0 年前に書かれた『黄帝内経』という本は、中医学のバイブルと呼ばれています。中でも臓象学説は、『黄帝内経』の中心的理論とされている重要な学説です。

五行の木、火、土、金、水を人体の5つの臓に割り当てる。

 東洋医学では、「自然界や人間は、木、火、土、金、水という5つの要素から成り、互いに関わり合いながらバランスを取っています。」この考え方を学説といいます。この五行学説に基づき、生体内で起こる生理機能を肝、心、脾、肺、腎という5つの臓(五臓)に分類する考え方を臓象学説と呼びます。
 因みに臓象の象は、外面に現れる生理や病理的な現象を指します。
 但し、五臓でいう肝、心、脾、肺、腎は、西洋医学が日本に導入される以前に中国から伝わった概念ですので、西洋医学でいう肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓とは、必ずしも一致しません。

 五行が自然界でお互い関わり合いながらバランスを保っていたのと同じように、五臓もまた人体でお互いに関わり合いながらバランスを保っています。
 五行の木にあたる臓は肝、火に対応する臓は心、土については脾、金は肺が対応し、水は腎にあたります。
 五行に当たる「五つの要素がそれぞれ特定の他の要素を生み出す関係」([例]水生木:水は、木を育てます)や「五つの要素がそれぞれ他の特定要素を抑制する関係」([例]木克土:木は、土の養分を奪って抑制します)は、五行についても同様に当てはまります。すなわち木克土は、五臓では、肝克脾に該当し、例えばストレスで肝の働きが阻害されて、肝気の巡りが悪くなると、脾をいじめて食欲を落とす現象があります。
 東洋医学では、こうした五臓の関係性を元にして、病気の診断や治療の指針にしていきます。

 さて今後の展開ですが、臓について詳述していきます。

1.「腎とは」 2.「腎に蓄えられる精とは」 3.「腎の不調」4.「脾とは」 5.「脾の不調」6.「肝とは」 4.「肝の不調」5.「肺とは」 6.「肺の不調」7.「心とは」 8.「心の不調」9.「臓と臓の関係」(①心と肺、②心と脾、③心と肝、④心と腎、⑤肺と脾、⑥肺と肝、⑦肺と腎、⑧肝と脾、⑨肝と腎、⑩脾と腎)10.「六腑」

という順番でご紹介していきます。
 

プロフィール

医療法人和漢全人会花月クリニック
日本東洋医学会専門医
医学博士 辻 和之

昭和26年 北海道江差町に生まれる
昭和50年 千葉大学薬学部卒業
昭和57年 旭川医科大学卒業
平成 4年 医学博士取得
平成10年 新十津川で医療法人和漢全人会花月クリニック開設

日本東洋医学会 専門医
日本糖尿病学会 専門医
日本内科学会  認定医
日本内視鏡学会 認定医

 

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