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【vol.62】辻和之先生の健康コーナー|「わかりやすい東洋医学講座」  第13回 東洋医学の基礎理論12 腎とは


 
東洋医学の基礎理論⑫

腎とは

 腎は、成長、発育、生殖に関わる生命力の源となる臓です。
 西洋医学の腎臓は、主に血液を沪過して体内の老廃物を排出する臓器ですが、東洋医学で云う「腎」は、それだけではなく、もっと深く生命に直結している働きを指します。成長、発育、生殖機能に関する働きを生涯にわたって調整する作用があり、重要な生命力の元となりますので「先天の本」と云われます。
 幼年期から青年期にかけての成長、発育、生殖に関わり、腎の勢いが衰えると、肉体も老いるとされます。したがってアンチエージングの鍵を握る一つとして、補腎作用のある「腎を強化する生薬」を服用することが考えられます。

 当院(花月クリニック)では、腎を強化する生薬を組み合わせた煎じ薬を作成しており、実際、効果が認められ始めています。
 数年服用されている石川県の女性は、実家に帰ったとき、お母さんから「どうしたの!若返ったね!肌が綺麗になったし、皺も取れてきた」と言われたそうです。その女性は、その後も服用を続け、体調も良く疲れにくくなった、という状態が続いています。

 この他、腎は、性機能や排卵、月経などの生殖機能を統括しています。
 治験例2例目として、41歳女性で不妊の方です。腎の働きが低下していた(腎陽虚:腎陽が不足して手足が冷たい)ので、腎を強化する煎じ薬を投与したところ、その1ヶ月後に妊娠し、順調に経過。高齢出産で初産であるにもかかわらず、会陰切開もせず、自然分娩で出産しました。
 また骨や歯、髪の成長、大脳、末梢神経の機能にも腎が関与しています。加齢により、骨粗鬆症で骨が折れやすくなったり、髪の毛が抜け始めたり、物忘れしやすくなったりするのも、加齢と共に腎が衰え始めた結果だと考えられます。

 腎のもう一つの大きな働きは、脾や肺と協力し合って津液代謝を主っていることです。
 腎は、水を主り、津液の貯留、分布、排泄の調節作用をして、全身に津液を与え、体内を巡った津液を腎で受け止めて、体内の水分代謝をコントロールし、尿を生成・排泄する役割を担っています。この機能が衰えると、頻尿や尿漏れ、残尿感といった排尿のトラブルが起こりやすくなります。
 さらに腎は、呼吸機能の吸気にも関わり、納気の働きをします。納気とは、深く空気を肺の中に入れることにより、酸素を深く吸い込んで体内に取り入れることで、呼吸は肺が行っていますが、腎はその“吸う機能“をサポートしています。そのため、腎が弱くなると呼吸が浅くなったり、息切れしやすくなったりします。深呼吸は腎を鍛えることにもつながるので、意識してしっかり呼吸をするよう心がけましょう。
 また、耳・陰部の機能、排尿異常や夜間尿なども「腎」と関係します。
 これは「腎」の外界との連絡口が「耳」と「二陰( 尿道を含む外性器と肛門の二つの口)」であることからもわかります。生殖機能のほかに、排尿排便の調節とも関係しているので、高齢者の大小便の失禁は「腎」の衰えと関係しており、老人性難聴や耳鳴りも「腎」の衰えと関連しているのです。

 
vol62
 

プロフィール

医療法人和漢全人会花月クリニック
日本東洋医学会専門医
医学博士 辻 和之

昭和26年 北海道江差町に生まれる
昭和50年 千葉大学薬学部卒業
昭和57年 旭川医科大学卒業
平成 4年 医学博士取得
平成10年 新十津川で医療法人和漢全人会花月クリニック開設

日本東洋医学会 専門医
日本糖尿病学会 専門医
日本内科学会  認定医
日本内視鏡学会 認定医

 

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