head_id

【vol.59】おすぎの名画のすゝめ  Scene.17



 
 こんにちは。おすぎです。
 今年のゴールデンウィーク、私は相変わらず仕事だったんだけど、数年前のゴールデンウィークに、1日だけお休みがあって、家の近くにある銭湯へ行きました。
 そこで湯船に、束になった菖蒲が浮かんでいたんです。子供の頃、細長い菖蒲の葉が湯の表面いっぱいに浮いていたのを思い出して、「あ、今日は子供の日か」って、なんだかとても懐かしい感じがしました。
 当時、お風呂に入るのは週に2回くらいで、銭湯料金は大人15円、子供6円。(いったい、いつの時代よ(笑))時の流れと共にお金の価値観は変わっても、こうした文化は受け継がれていくのね・・・と、ちょっと良い気分になって銭湯をあとにしたのでありました。
 映画の名作もまた、こうして後世へと受け継がれていくのでしょうね。

  

「イヴのすべて」

1950年公開 アメリカ映画 監督 ジョセフ・L・マンキーウィッツ

photo_59-1
 監督、脚本は、ジョセフ・L・マンキーウィッツ。製作は、誰あろうダリル・F・ザナック。こう書けば、これだけで名画の香りがしませんか?
 マンキーウィッツは、この作品で、この年のアカデミー賞・監督賞と脚本賞でオスカーを手にしていますが、前年にも同じ部門で2つのオスカーを貰っています。2年連続で4つのオスカーを一人の人間が手にしたのは、アカデミー賞史上、マンキーウィッツだけであります。
 田舎から出てきたイヴ(アン・バクスター)が、ブロードウェイの大女優マーゴ(ベティ・ディヴィス)の付き人になるところから、ストーリーは始まります。
 マーゴに目をかけられながら、次第にその本性を現し、大女優の座を我が物にしようとするイヴ。ブロードウェイの裏側を見事に描いて秀逸です。
 無名だったマリリン・モンローもチョイ役で出演しています。

 

「ギルバート・グレイプ」

1993年公開 アメリカ映画 監督 ラッセ・ハルストレム

photo_59-2
 ジョニー・デップ扮するギルバート・グレイプは、アイオワ州の小さな町に、子供の頃からずっと暮らしています。グレイプ家の次男ですが、父親は既に亡くなり、長男は独立しているため、町の小さな食料品店で働きながら、家族の面倒をみているのです。
 弟アーニーには知的障害があり、母も、夫が突然亡くなったショックから過食症になり、もう7年も家を出ていません。
 ある日、個性的な価値観を持つ若い女性ベッキー(ジュリエット・ルイス)が現れて、ギルバードの生活にも変化が訪れます。さて、グレイプ家に何が起こるのか?
 現在、大スターになった二人の俳優の、若かった頃を見られる楽しさを満喫してほしい作品であります。

 

「ショーシャンクの空に」

1994年公開 アメリカ映画 監督 フランク・ダラボン

photo_59-3
 原作は、スティーブン・キングの中編小説『刑務所のリタ・ヘワース』であります。
 当初「スタンド・バイ・ミー」をヒットさせたロブ・ライナーを250万ドルでオファーしていたようですが、結局、フランク・ダラボンが監督・脚本を担当することになりました。(ライナーの構想では、アンディ役にトム・クルーズ、レッド役にハリソン・フォードを起用しようとしていたようです)
 ショーシャンクとは、ショーシャンク刑務所のこと。この刑務所に、若くして銀行の副頭取を務めたアンディ(ティム・ロビンス)が、妻とその愛人を殺した罪で、終身刑を受け入所してきます。そこにいたのは、長く刑に服しているレッド(モーガン・フリーマン)。二人は長い刑務所生活の中で交流を深め、所長らの不正を暴こうとしていくのですが・・・。
 とにかく、素晴らしい映画です。

 

おすすめの新着映画 「パトリオット・デイ」

監督:ピーター・バーグ
原題:PATRIOTS DAY 日本語字幕:松崎広幸 
配給:キノフィルムズ 宣伝協力:アニープラネット
6月9日(金)TOHOシネマズ スカラ座他にて全国公開

photo_59-4
 2013年4月15日、マサチューセッツ州ボストン市。
 アメリカ独立戦争の開戦日を記念した祝日”愛国者の日”に開催された、約3万人のランナーと50万人の観衆が集うビッグイベント”ボストンマラソン”。午後2 時4 5 分頃、ゴール付近で爆発が起こり、その十数秒後に2ブロック離れた地点で2度目の爆発が・・・。爆弾テロが発生したのです。
 全米を震撼させたこのテロの実態を、地元警察と捜査にあたったFBIの姿を通して描いたのが本作品であります。
 オープニングは、ボストンマラソンに、ボストン警察殺人課の警官トミー・サンダース(マーク・ウォールバーグ)が警備係として駆り出されるところから。彼は、ボストンの街を知り尽くしているという理由で本部に呼ばれ、犯人らしき男二人が動く映像を監視カメラから見つけ出していきます。
 ケヴィン・ベーコン、J・K・シモンズら実力派俳優も出演している必見の1本です。
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 
 

 

 セミナー・イベントのスケジュールはコチラから
 

right_toppage

right_01健康対談ラジオ番組月刊連載

right_02 right_news right_02-2 right_03 right_04 right_06 right_05 right_07 right_07

bnr_npure

bnr_kenkotime

ブログ・メールマガジン