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【vol.56】おすぎの名画のすゝめ  Scene.14



 
 こんにちは。おすぎです。
 今回は作品の紹介文字数が多いので、コラムは無し(笑)。
 どれも、秋の夜長を楽しませてくれる傑作ばかりです!!
  

「アマデウス」

1984年公開 アメリカ映画 監督:ミロス・フォアマン

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〝アントニオ・サリエリ〞を主人公にしたピーター・シェーファー原作(映画では脚本も担当している)のブロードウェイ舞台の映画化。
 オープニングは、1823年11月のある夜、ウィーンの街で自殺を図った老人のサリエリが精神病院に運ばれ、その後、神父フォーグラーに語った告白のシーンから始まります。
 かつて皇帝に仕える作曲家だったサリエリは、彼の前に現れた天才作曲家ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトに対して、激しい嫉妬を抱きます。
 トム・ハリス扮するモーツァルトは、天真爛漫かつ下品で、礼儀知らずな人間として描かれていますが、サリエリはどうやっても彼の足元にも及ばないことを思い知らされ、その激しい嫉妬と苦悩がやがて大きな悲劇を招いていく……。これは、天才モーツァルトに対する、サリエリの葛藤を描いた物語なのであります。
〝フィガロの結婚〞や〝ドン・ジョバンニ〞〝魔笛〞などのハイライトシーンが挿入され、音楽ファンには必見の作品。
 サリエリには、F・マーリー・エイブラハムが扮し、見事な音楽・指揮は、サー・ネヴィル・マリナーがあたっています。米アカデミー賞作品賞など8部門受賞作品。 
 

「シンドラーのリスト」

1993年公開 アメリカ映画 監督:スティーヴン・スピルバーグ

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 第二次世界大戦時、ナチスドイツによるユダヤ人の組織的大量虐殺(ホロコースト)が東欧のドイツ占領地で進行する中、ドイツの実業家オスカー・シンドラーが、1100人以上ものポーランド系ユダヤ人を自身が経営する軍需工場に必要な生産力という名目で雇い、収容所送りを阻止。その命を救ったという実話の映画化です。
 一見、美談に思える物語ですが、シンドラー自身がナチス党の党員で、戦争を利用してひと儲けすることを目論み、潰れた工場を買い取り、ホーロー容器の製造を始め、安価な労働力としてゲットーのユダヤ人を雇い入れ、事業を拡大させていったのです。
 やがて、クラクフ・プワシュフ強制収容所の所長として、冷酷なアーモン・ゲート少尉(レイフ・ファインズ)が赴任してくると、シンドラーの心境にも変化が生じてきます。 
 そして彼は、あるリストを作る決意をするのです……。米アカデミー賞作品賞など7部門受賞作品。
 

「真夜中のカーボーイ」

1969年公開 アメリカ映画 監督:ジョン・シュレシンジャー

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 カウボーイスタイルに身を固め、テキサスからニューヨークに出てきたジョー。
 スラム街に住む足の不自由な小男のラッツォに出会い、彼のねぐらである廃墟ビルでの共同生活が始まります。
 次第に奇妙な友情が芽生えてくる二人。しかし、冬のニューヨークで、暖房もない貧苦の生活の中、病魔に侵されていたラッツォの病状が悪化。ジョーは、ジゴロ稼業でゲイの紳士から奪った金で、ラッツォの憧れの地・フロリダへ行くため、一緒にバスに乗り込みますが、すでに身体の自由が利かなくなったラッツォは、マイアミを間近にしたバスの中で失禁してしまいます。
 ジョーはその汚れた衣服と共に自身のカウボーイ衣装も脱ぎ捨て、二人でフロリダの明るい衣装に着替えるのでありますが……。
 ジョーにはジョン・ヴォイト、ラッツォにはダスティン・ホフマンが扮しています。米アカデミー賞作品賞など3つのオスカーを受賞。
 

おすすめの新着映画 「歌声に乗った少年」

監督:ハニ・アブ=アサド
原題:Ya Tayr El Tayer 
配給:アルバトロス・フィルム
2016年9月24日(土)より、新宿ピカデリーほか全国順次公開
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 サクセス・ストーリー、それも実話の映画化となれば、それなりに困難なものであります。時代背景を描かねばならないし、紛争地域が舞台だと、なお大変なものになります。
 この作品は2005年のパレスチナ・ガザ地区が舞台。ムハンマド少年は、姉のヌールと友達のアハマド、ウマルとバンドを組み、寄せ集めのガラクタ楽器で、道端をステージに演奏していました。
 ヌールは、カイロのオペラハウスに出演すると夢を語り、弟の声は世界一だと信じ、いつかこの地から羽ばたこうと約束するのですが、そんな中、ヌールが発病。貧しさのために腎臓移植が出来ず、この世を去ってしまいます。
 2012年、タクシー運転手になっていたムハンマドは、まだ夢を捨てきれず、オーディション番組“アラブ・アイドル”の予選を受ける為、カイロにあるオペラハウスに向かっていました。果たして、ムハンマドの夢は叶うのか……。
 一人の天才の、少年から青年までの軌跡に感動します。
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 

 

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