【vol.47】ときめきの富士|秋里 10月 西湖いやしの里より
甦る日本の原風景。
陽射しを一杯に受けた里は、今盛秋を迎えた。
河口湖と地底で繋がっていて
深さも同じなのが小さな湖の西湖。
ここに昔茅葺き屋根の集落が在った。
台風で流され年を経て
現代に癒しの里として甦った。
懐かしい日本の農村風景、
田舎に帰った気分になる。
富士山が教えてくれた幸運の法則 その7
言う事とやっている事
富士山が世界文化遺産に登録されて5ヶ月が経ちました。その熱気はまだまだ衰える事を知らず続いています。やはり日本人の心に染み付いている富士山の力は大きいなあと感心させられます。
しかし世界文化遺産になった事でものすごいメディアと登山者の殺到現象が起きました。それは心ある人には痛めつけられる富士山の可哀想な姿として伝わりました。こんなに富士山を苦しめるのなら世界遺産にならない方が良かったと思っている方もいます。
登録された6月から8月いっぱいまで富士山が姿を見せない日が殆どでした。富士山がこの喧噪状態に嫌気がさして雲のベールをかけました。私は富士山が苦しんでいる事を感じています。
富士山が世界遺産になった意味を理解しないで、一方では日本人の象徴、精神の現れといいながら人間の楽しみ、欲望の為にむさぼる風潮が続いています。今日は富士山が壊れる寸前まで来ているお話をします。
マスコミの「富士山を丸裸にして楽しみ尽くすこれでもか作戦」。
観光業者の「お客さんが増えるなら何でもします作戦」。
水工場を新規に増設して「富士山のお水汲め汲め作戦」。
登山者の「世界遺産の山に登ってみたい願望」。
行政の「現状追認対応」。
富士山はもろい岩と砂で出来ている山です。
日本一の山に登りたい、毎年登りたい、世界遺産になったからには尚更登りたい、御来光を拝みたい、下山ツアーで砂走りを駆け下りてみたい….。
全て「したい」です。これらは自分の満足と達成感の為の発想です。
物事には二面性があります。何かをすれば何かが失われます。もろい、壊れやすい山に限度を超えて人が押し掛けたらどうなるか、富士山の気持ちになればこんな発想は出来ない筈ですが、想像力と感謝の気持ちが欠けていると人間は自然を壊します。壊した原因が自分に有る事も気付きません。
下山道では一歩ずつ山頂から砂を踏み下ろします。登ったあなたはいつ下ろした砂を上に上げ戻してくれるんですか?
要は自然との共生、生かされているという想像力を発揮出来ているかの問題です。昔は富士山に登ると「偉いねー」と言われました。それを30万人がやると「環境破壊の一因」になります。考えないで登る人は「偉く」ないのです。「大丈夫ですか?富士山の事を考えてますか?」
富士山は離れて仰ぎ見る山です。拝む山です。土足で登るなと言いたい。既に頂上直下の氷床は溶け、いずれ富士山は緑の山になります。富士山の白雪は限られた月だけの特異現象になってもいいのでしょうか?
古来より富士山は神山とされて来ました。天に伸びる姿に富士山の様に志高く立派な人間になろうと自分の心を投影し、左右均等に調和する美しい姿に感謝とお陰様の気持ちを持って来ました。
ご自身の達成感、満足感の為に登るなら「世界遺産の富士山に登るのはやめよう」それは無意識に環境破壊に加担することになるから。
気付いた方から始まる善き方向へのターニングポイントです。富士山が世界文化遺産になった最大の意味は「未来永劫に守って行く事」です。
ときめきの富士 写真家 ロッキー田中
誰も見た事のない「ときめきの富士」を生涯に99作世に出すオンリーワンの写真家。
離れた東京で富士山・空・雲・光の表情を読み、山が呼んでくれたら逢いに行く。
作品は浮世絵の様な構図、色、究極の美に満ち富士山のメッセージが写っているとされる。
『現代の北斎』とも称され、平成15年に文部科学大臣賞受賞。富士写真家連盟特別顧問・講師。
NPO富士山を世界遺産にする国民会議223フェロー。
人々との喜びの共感を生き甲斐とし、サロンには全国から訪れる人が絶えない。