Vol.099 07月 免疫力を高めてくれるオススメ食材
夏ですねぇ。暑さもいよいよ本番に向かいます。身体の喜ぶ食生活で、元気に夏を楽しみたいものですね。
今月は「健康的な食生活」についての提案です。
「1日30品目」はホント?
「できるだけ多くの品数を食べましょう。出来れば1日30品目以上。」
というフレーズ。おそらくどこかで目にしたことがあるのではないでしょうか?でも、最近あまり見かけなくなりましたよね。
じつは提案した厚生労働省が、2000年にこの看板を下ろしているのです。
1985年に発表されたこの「1日30品目」という提案は、当時急激に増え始めていたファーストフードなどの影響で、栄養の偏りが心配されるなどの社会的背景が原因でした。また「発ガン性のある食品リスクを減らすためにも、品数を多くしたら良いのでは」という意見の影響もあったようです。
ところがこうした提案は「何か足りないものを補う」という、栄養不足だった時代の考え方が基になっていたため、飽食の時代の現代にはどうやら合っていなかった、ということがだんだんとわかってきました。
糖尿病患者が増えていたり、ガン患者がいっこうに減っていないということが、その証拠ですよね。特に、発ガン性のある食品の摂取リスクを下げるため、という理由は、品数が多くなればその分またリスクも上がるわけですから、なんだかおかしな話なのです。
日本人はもともと玄米ご飯に少しの雑穀、大豆を発酵させた味噌や醤油、納豆、旬の野菜をお浸しや漬物にしたり、近くの海や山で採れたものをおかずにしてきたので、品数はけっして多くありません。昔から「一汁一菜」(汁物におかず一品)という食生活をしていたお坊さんが、長寿で健康そのものだったことからもわかるように、栄養価としてはこれで充分足りているのです。(玄米には人体に必要な栄養素が、とても豊富に含まれています)
パン食の国では、白いパンより全粒粉やライ麦が入った黒いパンに戻すことで必要な栄養を補い、副食を減らすようになってきました。これも近年急激に増え始めた生活習慣病の原因を根本から見直すためです。
こうしたシンプルな食生活を続けていると、心身共にすっきりとした毎日が送れるようになります。我が家では「食費も助かっていいわ!!」と妻も大歓迎しています(笑)。家庭円満にもつながるシンプルライフ、ぜひお試しを!!
お酒の効用
お酒は身体に良いのか、悪いのか。・・・どちらだと思いますか?
答えは「どちらも正解」です。
理由のひとつは、皆それぞれ体質が違う、ということ。遺伝的なものであったり環境であったりと、様々な要因で体質は形成されていきますが、お酒をまったく受け付けない人や、美味しいと感じない人にとっては「お酒は身体に良くない」ということになります。
もうひとつの理由は「量」。いくらお酒が体質に合っている人でも、飲み過ぎは良くありません。
アメリカで50万人の人たちを対象におこなった「飲酒と健康」に関する調査は「ほとんど飲まない」「週3回以上飲む」「毎日1杯くらい飲む」などのグループに分けて、9年間の追跡をおこなうというかなり大規模なものでした。
その結果もっとも死亡率が低かったのが「毎日1杯くらい飲む」というグループ。大きな病気にもかかりにくい、という調査結果だったようです。
ちなみに「1杯」というのは、ワインやビール、ウィスキーなどを専用のグラスで、という意味ですのでバケツなどとお間違えのないように(笑)。
お酒を楽しみながらゆったりとした時間を過ごす、ということも心身の健康に良い影響を与えているのだと思います。
「百薬の長」とも言われるお酒を、上手に活用したいものですね。
免疫力を高めてくれるオススメ食材
ベストセラー「体温を上げると健康になる」の著者である医師の齋藤真嗣先生は「免疫力を上げる3つの食材」として「きのこ類」「ネバネバ食品」「ネギ類」をあげています。
「ネバネバ食品」とはその名のとおり、納豆や長芋、オクラ、めかぶなど、ネバネバした食品のこと。夏に食べると、特に元気が湧いてきそうですよね。
近年の世界的な大規模調査によって「身体に良い」という理想の生活習慣が明らかになってきましたが、大切なのは「その国(地域)の伝統食がもっとも身体に良い」ということです。
旬の食材をほどほどのお酒でいただく(ほどほどですよ!!)という食生活で、この夏も楽しく満喫したいものですね。
参考文献 日本経済新聞「ほどほど健康術」 新潟大学教授 岡田正彦氏
「体温を上げると健康になる」(サンマーク出版) 齋藤真嗣氏