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Vol.034 02月 免疫力って何?


 冬真っ只中、寒さの厳しい季節ですね。この時期は風邪が流行る季節でもありますが、そういった中でも風邪をひかない元気な人たちもたくさんいます。風邪をひきやすい人とひきにくい人、また病気になりやすい人となりにくい人。この違いを、免疫力という観点からお話ししてみたいと思います。

免疫ってナニ?

 毎年この季節はインフルエンザや風邪が流行りますが、こうした感染力の強いものも、よく感染ってしまう人と、なかなか感染らない人がいますね。また、疲れがなかなか抜けない人もいれば、すぐに回復してしまう人もいます。いったいこの差は何なのでしょう?実はこれが免疫の働きなんですね。つまり、病気の原因を発症する前にやっつけてしまう仕組みが「免疫」です。

 熱に弱いウィルスを退治するために、一時的に体温を上げてやっつけようとしたり、お腹に入った悪い菌を下痢という作用で外に追い出そうとしたりする働きも、免疫として考えることが出来ます。

そう考えると薬で一時的に熱を下げたり、下痢を止めたりしてしまうことは、本当は良くないことなのかもしれません。一時的に辛い症状は、病気の原因となり得る細菌やウィルスを退治したり体外に追い出そうとしたりする、からだの自然な働きである、ということが出来ます。

免疫力の正体は何か?

 免疫力を発揮する力の源は「白血球」であるといわれています。血液中の大部分は赤血球が占めますが、その0.1%にも満たないほどの白血球がたいせつな免疫を担当している細胞です。

 この白血球は、「顆粒球」と「リンパ球」という2つの種類に大別されます。

 「顆粒球」は、体内に侵入した細菌をやっつける時に自らも死んでしまい、化膿という形で外部に出してくれます。「リンパ球」は顆粒球がやっつけるものよりも小さなウィルスなどを退治してくれます。

自律神経と免疫の関係

 自律神経は「交感神経」と「副交感神経」に分けることが出来ます。実はこのそれぞれの神経が、白血球の働きと密接に関係しているんですね。

交感神経―活動している時、緊張している時などに働く―顆粒球と密接な関係
副交感神経―休んでいる時、リラックス時などに働く―リンパ球と密接な関係

 それぞれの自律神経に、顆粒球とリンパ球が関係しています。
 イメージ的にはこのように分けることが出来ますね。

顆粒球タイプ―痩せ型で筋肉質。交感神経優位で脈は速い方。行動的、攻撃的な性格
リンパ球タイプ―ふっくら型でゆったりとしている。感受性が強い。行動に瞬発力はないが持続力がある。

 この2つの要素は皆さんそれぞれもっていますが、たいていはどちらかに偏っています。このバランスが極端に崩れた状態が長く続くと、本来もっているはずの免疫力が充分に発揮されずに、病気になってしまいます。

 例えばガンは「働きすぎや心の悩み、ストレス」などが大きな要因といわれていますが、これらの要因はすべて顆粒球タイプで、常に緊張を強いられている状態が、長い期間続いたことによる発症であることがわかります。ガンを宣告された患者さんが、今までの生活を改め、リラックスした時間を過ごすことを心がけることで、症状が好転してしまう例がたくさんありますが、これは意識的に副交感神経を優位にさせる行為を生活に取り入れることで、顆粒球タイプからリンパ球タイプへとバランスを整えていったことが大きく関係していると思われます。

 ふだんから「こころとからだのバランス」がとれた状態を保つことは、免疫を高め健康な心身を維持するためにもとてもたいせつなことなんですね。

 皆さんは顆粒球タイプですか?それともリンパ球タイプですか?
どちらかに偏ることなく、バランスのとれた生活を心がけたいものです。

参考文献 安保徹・無能唱元 共著 「免疫学問答」河出書房新社

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