【vol.78】はせくらみゆきの「おひさまだより」VOL.42
「Afternoon Tea」
春はあけぼの
春はあけぼの ようよう白くなりゆく
東の空を眺めつつ おもむろに外に出る
吐く息 白く あたりにとける
空気と息が ひとつになって
空とわたしは ひとつになる
空の中にとけている いのち
いのちの中にとけている 空
何もないけれど すべてがあり
すべてがある中に 空もあなたもわたしもいる
風の中にとけている あなたのいのち
あなたのいのちのなかにある 先祖のいのち
この星 この場所 この時に
であういのちに ありがとう
ようよう白くなりゆくは
とけあういのちの光なり
春はあけぼの にっこり笑ってすすも
北国の、凍えるような寒さが和らいでくると、雪の間からフキノトウが芽を出します。
たとえ雪が降ったとしても、風がほんのりと温かみを帯びていて、春が近づいていることを感じさせます。私はこの季節が大好き!子どもの頃からにおいに敏感だった私は、この早春独特の、今まさに躍動しださんばかりの張りつめた気(エネルギー)が、独特の香気をもって放っていることを感じていました。そのため、よく窓をあけて香りを楽しんでいました。春は「張る」に通ず。植物が根を張り、葉を広げるように、私たちも胸を張って、新しい世界へと張り出していきましょう。
プロフィール
はせくら みゆき(画家・作家)
画家、作家、教育家。芸術や科学、経済まで、ジャンルに囚われない
幅広い活動からミラクルアーティストと呼ばれる。
とりわけ詩情あふれる絵画は、日本を代表する美術家の一人として、
国内はもとより世界の美術シーンで活躍中。
2017年には芸術文化活動における「国際平和褒章」を受賞。
主な著書に『パラダイムシフトを超えて』(徳間書店)他多数。
一般社団法人あけのうた雅楽振興会代表理事。
オフィシャルHP/http://www.hasekura-miyuki.com