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Vol.239 3月 養生の道は氣を調るにあり


養生の道は氣を調るにあり

 このコーナーでも何度か紹介したことがある『養生訓』。江戸時代の儒学者・貝原益軒さんが書いたこの本は、なんと300年も読み継がれている超ロングセラーです。
 健幸・長寿を自ら体現した益軒さんの「健幸のコツ」を、あらためて学んでみたいと思います。

養生の術は先心氣を養ふべし

「養生の術は先心気を養ふべし。心を和にし、気を平らかにし、いかりと慾とをおさへ、うれひ、思ひ、をすくなくし、心をくるしめず、気をそこなはず。是心気を養ふ要道なり」(巻第一の9)

 貝原益軒さんが『養生訓』のなかで繰り返し述べていることに「心の養生」があります。「病は氣から」というように、心がいつものびやかで、ときめいていることが、最高の養生法だというわけです。
 江戸後期の儒学者である佐藤一斎さんも著書『言志耋録』のなかで、心の養生のたいせつさについて次のように述べています。

「心志を養うは養の最なり。体躯を養うは養の中なり。口腹を養うは養の下なり」

 江戸時代を代表する儒学者が、揃って「心の養生」のたいせつさを説いているんですね。
 

自らの心は「息(呼吸)」で調える

「百病は皆気より生ず。病とは気やむ也。故に養生の道は気を調るにあり」(巻第二の47)

「養気の術つねに腰を正しくすゑ、真気を丹田におさめあつめ、呼吸をしづめてあらくせず、(中略)胸中に気をあつめずして、丹田に気をあつむべし」(巻第二の48)

 「病は氣からなので、氣を調えましょう」で終わらないあたりが、さすが益軒さん。「丹田を意識して呼吸をする」という氣の調え方まで、ちゃんと教えてくれています。
 丹田の位置についても「臍下三寸(約9センチ)」と書かれていますが、なんとなく「おへその下あたり」という感覚でもいいでしょう。
 じっさいに、この箇所を意識しながらゆっくり呼吸をすると、氣持ちがだんだん落ち着いてきます。
 最初は、おへその下に手を当てながら、お腹をへこませ、息を吸うときにお腹を膨らませるとわかりやすいかと思います(腹式呼吸法)。人によっては、お腹を膨らませながら息を吐き、へこませながら息を吸うほうがラクに感じることもあるでしょう。そのとき氣持ちのよい方法でOKなので、丹田を意識した呼吸をぜひ試してみてください。
 自らの心と書いて「息」。呼吸が調うと、心氣も自然に調ってきますよ。

 
参考文献
『養生訓』 貝原益軒
『貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意』帯津良一 著(朝日新聞出版)より
 
 

 

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