Vol.176 12月 首を温めてやわらかくすると免疫力がアップする
たったの１分で、誰もが健康になれる！
しかも、とても簡単で、よく効く「１分間でできる健康法」を紹介します。
今月の１分間健康法
首を温めてやわらかくすると免疫力がアップする
〈主な効果〉
自律神経のバランスが調う 免疫力が向上する 更年期症状の改善
〈特にこんな人へオススメ〉
なんとなく氣分が晴れない やる気が出ない 元氣が出ない
手足が冷える 朝までグッスリ眠りたい 首や肩がこっている
なんとなく体調がよくない 冷え症
50年間で0.7度も体温が下がった日本人？
近年の日本人の平均体温は36・2℃。１９５０年代は36・89℃でしたから、この50年間で0.7度も下がっていることになります。
体温が１度下がると免疫力は約30％低下する、ともいわれるように、近年になって高血圧や糖尿病などの生活習慣病、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギーが増えたことにも、低体温は大きく関係していると思われます。
ではなぜ、体温が高いと免疫が高まるのか。
それは「血流がよくなる」ことと「酵素が活性化する」からです。
血液の流れがよいということは、免疫の要である白血球がいち早く体内の異常に対処できるということ。また、血液が運んでいる酸素や栄養素が、体内の隅々にまで行き渡ることで、細胞の修復も素早くスムーズにおこなわれます。
酵素は、体内で栄養が分解・吸収・排泄されるときなどに必要な「触媒」で、エネルギーをつくりだしたり、細胞を修復したり、新陳代謝にも必要不可欠な存在。
体温が高いと、この２つがうまくはたらく、というわけです。
全身を温めるには「首」と名のつく箇所を温める
昔から「全身を温めるには、首と名のつく箇所を温めるといい」と言われます。
じっさいに、手首や足首、そして、首そのものを温めると、からだ全体がポカポカしてきた、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
特に首を温めることは、頭とからだをつないでいる神経や血管の要所を温めることでもあるので、免疫力や自律神経のバランス調整機能が、グンッとアップします。
東京脳神経センター理事長の松井孝嘉医学博士は著書『１日５分 副交感神経アップで健康になれる！』で次のように述べています。
「私は首に『副交感神経センター』という重要なポイントがあることを発見しました。人間の副交感神経の働きをつかさどる、大切な場所が、脳にきわめて近い首の上の部分にあったのです。首こりによって副交感神経の働きが阻害されるというのは、実は首の上部にある副交感神経センターの働きが、首の筋肉の異常、すなわち首のこりによって、その働きを阻害されることだったのです。」
不定愁訴と呼ばれる原因がはっきりしない心身の不調は、副交感神経のはたらきが低下していることが大きな原因といわれます。
副交感神経は、心身をリラックスさせる自律神経。職場での人間関係や、人工的なものに囲まれた、自然から遠い生活環境、街中に溢れる電磁波などから慢性的なストレスにさらされている現代人にとって、副交感神経がしっかりはたらいていることは、健康を保つためにとてもたいせつなことなのです。
じっさい、首を温めて、こりがほぐれてくると、それまで感じていた心身の不調がいつの間にか和らいでいることに、多くの人が氣づきます。
首が温まると、からだ全体が温まって、体温が上がります。
首がやわらかくなると、副交感神経のはたらきがよくなります。
つまり、首を温めてやわらかくすることは、免疫力を高め、自律神経のバランスを調えるために、とても効果的な健康法なのです。
首を温めて、やわらかくする体操
効果を高めるコツは、１つ１つの動作をゆっくり丁寧におこなうこと。
そして、あまり力を入れないことです。
１日に数回、首の筋肉がやわらかくなるイメージでおこないましょう。
① 両手を10秒ほどすり合わせます。
② そのまま両手で、首のうしろ全体（頸椎を中心に、耳のうしろから肩甲骨の上部あたりまで）を10秒ほどこすります。
③ ゆっくりと左右に各２周首をまわします。これを２回繰り返します。
④ ゆっくりと前後や左右に首を傾けます。回数はそれぞれ２回ほどでいいでしょう。
⑤ ①と②をもう１度繰り返します。
※ ①の前と⑤のあとで、蒸しタオルやカイロなどを首にあてて温めるといっそう効果的です。（ヤケドしないように、温度には十分氣をつけておこなってください）
参考文献
「医者いらずになる 1分間健康法」帯津良一・鳴海周平著(ワニ・プラス)
