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【vol.52】おすぎの名画のすゝめ Scene.10



 
 こんにちは。おすぎです。 
 それにしても、連日お暑うございます。
 過去の書き物を見ると、この季節は必ず「暑い、暑い!」って書いてるのね。それで、今年こそは書かないでおこうと思ったんだけど、やっぱり、暑い!(笑)。
 こんなとき、我が食卓では「冷や汁」が活躍するのであります。
 薄切りにしたきゅうり、なす(水にさらしてあくを抜きます)、千切りにしたみょうが、青しそに、すりばちでよく擦ったいりゴマを加え、焼いてほぐしたアジの干物、白みそを混ぜます。そこへ氷水を少しずつ加えて、好みの濃さに調整。あとは、ご飯にかけるだけ。ね、簡単でしょう?
 暑い日でも食欲が湧くので、ぜひお試しくださいませ。
 それともう1つ、涼しくなる映画を観る、というのもオススメ。
 そう、今回は私の大好きなホラー映画の特集でございます。
  

「エクソシスト」 

1973年公開 アメリカ映画 監督:ウィリアム・フリードキン

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 まずは、何度観てもワクワクしてしまうこの作品。
 原作者のウィリアム・ピーター・ブラッディがプロデューサーと脚本を担当しています。
 オープニングは、アフリカで遺跡発掘をしていたマックス・フォン・シドー扮するメリン神父が、悪魔をデザインした偶像を発見するところから。
メリン神父は、以前にもこの悪魔と闘っていて、その日が近いうちに再びやってくることを予感させるシーン。
 そのあと、ニュージャージーの坂道を尼僧数人が歩いて降りてくる場面で、突然風が吹き、道端の落ち葉が舞い上がる…そこに流れてくる音楽〝チューブラー・ベルズ〞の調べ。これがまた、いっそう不安感をかき立てるのです。
 エレン・バースティン扮する女優・クリス・マクニールの家で、娘のリーガン(リンダ・ブレア)の身に起こる想像を絶する出来事の数々と、それに真っ向から挑むエクソシスト(悪魔払い)との壮絶な戦い。
 ちなみに私は25回観ています!!
 

「シックス・センス」

1999年公開 アメリカ映画 監督:M・ナイト・シャマラン

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 まだ観たことがない人は、ここのところだけパスしてください。と言っても、読んじゃうか(笑)。まあ、1999年の公開なので、大方の人はストーリーを知っているかもしれませんが、なかなかの名作なのであります。
 精神科医のマルコム・クロウ(ブルース・ウィリス)は、複雑な症状を抱えた少年コール・シアー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)の治療にとりかかることになります。
 コールの抱えている悩み、それは死んだ者を見ることができるという特殊な能力・第六感(シックス・センス)を持っていること。行動を共にしながら、次第に癒されていく2人ですが、マルコムはなんとすでに…(結末は、ぜひご覧になって!)
 衝撃の真実がわかるシーンが1ヶ所だけある、と聴いて、お金を払って(つまりスクリーンで)もう1度観てみました。それは、コールがお母さんと一緒にいるシーン。そこには、マルコムもいるのですが…。あなたも確かめてみて。
 

「サイコ」

1960年公開 アメリカ映画 監督:アルフレッド・ヒッチコック

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 私が15歳の時に公開された、ヒッチコックの傑作です。
 ジャネット・リー扮するOLマリオン・クレイツが、恋人のために4万ドルのお金を横領したまま、寂れたモーテルに立ち寄ります。ここで、1人シャワーを浴びるマリオン。頭、顔、身体の各部を写しながら下がっていく、そのエロチックな描写は、子どものゲイが観てもドキドキするものでした。
 そのモーテルの管理人・ノーマン・ベイツを演じるのが、アンソニー・パーキンス。この作品以前は、爽やかな青春スターとして「渚にて」や「緑の館」などに顔を出していましたが、「サイコ」では、強烈な印象を我々に与えてくれました。
 なにしろ、今までこんな人間を描いた映画はなかったのです。ヒッチコックだからこそ作り上げることができた、と言ってもいいでしょう。
 ハンサムで人当たりのいい若者が、こんな恐ろしいことをするなんて…。
 未見の人は、なんの情報も入れずに観てほしい作品です。ぜひ! !
 
 

おすすめの新着映画 「しあわせへのまわり道」

監督:イサベル・コイシェ
原題:Learning to Drive 配給:ロングライド
8月28日(金)TOHOシネマズ 日本橋他 全国公開
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 原作は2 0 0 2 年に雑誌「ニューヨーカー」に掲載されたキャサ・ポリットの実体験に基づくエッセイ。
 マンハッタンのアッパー・ウェストサイドで暮らす売れっ子書評家ウェンディ(パトリシア・クラークソン)の夫の浮気が発覚。
夫はあっけなく浮気相手の元へと去ってしまいます。どん底の悲しみの中、車の運転もできない現実に直面したウェンディは、インド人のタクシー運転手ダルワーン(ベン・キングズレー)のレッスンを受けることに。伝統を重んじる堅物で、宗教も文化も階級も対照的なダルワーンとの出会いは、やがて、過去の美しい想い出にしがみつくウェンディの心の針路を変え、未来へと踏み出す勇気を与えてくれることになるのです。
 この映画の素晴らしいところは、登場人物の、全く意図しない形での運転の教習が“人生のレッスン”へと変わりゆく展開の妙にあります。やさしい作品です。
 

プロフィール・映画評論家 おすぎ


1945年 神奈川県横浜市生まれ。
阿佐ヶ谷美術学園デザイン専門部卒業後、デザイナーを経て「歌舞伎座テレビ室」製作部に勤務。
1976年 ニッポン放送「オールナイトニッポン」で映画評論家としてデビュー以来、テレビやラジオへの出演、新聞・雑誌への執筆、トークショー開催など多岐にわたって活躍している。
いまニッポンでいちばん信頼されている『劇場勧誘員』。
著書に「おすぎです 映画を観ない女はバカになる!」(主婦と生活社)、「バカ!バカ!バカ!」(ぺんぎん書房)、「愛の十三夜日記」(ダイヤモンド社)、「おすぎのネコっかぶり」(集英社文庫)などがある。
 
 

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