Vol.136 08月 食べる順番を変えるだけで健康になれる!?
暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか?
今回のテーマは、食べる順番を変えるだけで、生活習慣病の予防や改善が出来るというお話です。
食べる順番は、健康に関係があるか?
「食事制限しなくても、食べる順番を変えるだけで、長年の生活習慣病などが改善される」というのが「食べる順番療法」です。
テレビや雑誌などでもここ数年話題になっているので、聞いたことがあるという方も多いでしょう。
食事療法の辛いところは、量や好物を制限しなくてはならないこと。それが、食べる順番を変えるだけで良いとなると、氣持ち的にもずいぶん楽ですね。
「食べる順番療法」を考案した梶山内科クリニックの梶山靜夫先生によると、高血圧・高血糖・高脂肪の「三高」は、すべてインスリンというホルモンの分泌を緩やかにすることで改善されるそうです。
炭水化物を先に食べるとインスリン分泌が急激に増加することがわかっています。
そこで、先ずは野菜類から食べること。次にたんぱく質のおかずを食べて、最後にご飯などの炭水化物を食べる、という順番がインスリン分泌を緩やかにしてくれます。
野菜には食物繊維も豊富に含まれていますから、先にお腹に入れておくことで、後から入ってくる食べものの糖が緩やかに吸収されるというわけです。
そう言えば、フランス料理のコースは「前菜、サラダ、スープ、肉や魚のメイン料理」だし、日本の懐石料理でもご飯はいちばん最後ですね。
昔の人たちは感覚として「からだに良い順番」をわかっていたのかもしれません。
「食べる順番療法」4つの基本ポイント
① 先ず野菜から食べる
② 次にたんぱく質のおかずを食べる
③ 最後にごはんを食べる
④ よく噛んで、ゆっくり食べる
よく噛んで、ゆっくり食べる効用
「食べる順番を変えたけど、血糖値が変わらない」という方には、食べるスピードが速いという共通点があるようです。
梶原先生は「食べる時間を意識すること」もっと具体的に言うと「野菜を食べ始めてからご飯を食べるまでに、最低でも10分以上はかけること」という目標を提示しています。
時間をかけてゆっくり食べると、食事量は自然に少なくなりますから、昔から良く言われている「腹八分目」が簡単に実現出来てしまう、という嬉しい効果もあるのです。
他にも、噛むことには「唾液が出て消化・吸収が良くなる」「唾液が有害な菌を中和してくれる」「脳への血流が良くなり認知症の予防になる」「顎の筋肉が強化されることで全身の筋肉も活性化する」など、たくさんの良い効果があります。
食べる順番と合わせてぜひ意識してみてください。
噛む回数を増やすために
・ パンやパスタなどの粉食よりも、ご飯のような粒食にする
・ 噛み応えのある食材を 使用したおかずにする
・ 具材を大きめに切る
・ 飲み込みそうになったら「あと10回」を心がける
食材は、噛めば噛むほど美味しさが感じられてくるものですが、これはからだがその食材を欲しているという「本能」が機能している証拠。
「美味しい」とか「あれが食べたい」というからだの声は、何より精巧なセンサーですから「からだの声」に耳を傾けていれば、本来は食べる順番も「絶対これでなくては」というこだわりを持ち過ぎることはありません。(但し、習慣からくる「惰性的な欲求」は「からだの声」ではありませんのでご注意を)
体質も環境も人それぞれ。最初は順番を意識していても、からだのリズムが調ってくることで、自ずと健康に良い順番になっていることと思います。
参考文献 「なぜ、『食べる順番』が人をここまで健康にするのか?」 梶山靜夫 ・ 今井佐恵子 著(三笠書房刊)
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