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Vol.121 05月 健康と長寿のルール【アメリカ・カリフォルニア州ロマリンダ】


 健康で長生きする人が数多く集まっている「ブルーゾーン」という特異な地域があります。
 今回も、世界で4カ所のブルーゾーンから「健康と長寿のルール」を探ってみたいと思います。

ブルーゾーン

 「もし長生きの知恵が、知識や体験の積み重ねによって作られるものならば、長寿者は誰よりも豊かな知識を持ち合わせていると言える。」
 ナショナルジオグラフィック誌の記者・ダン・ビュイトナー氏は、こうした考えのもと、健康で長寿な人がたくさん暮らしている地域を世界中探しまわり、健康・長寿者の割合が群を抜いて多かった4カ所の地域を「ブルーゾーン」と名付けました。
 3ヶ所目となる今回は、アメリカ・カリフォルニア州のロマリンダにおける健康・長寿の習慣を紹介します。

アメリカのロマリンダ

 スペイン語で「美しい丘」という意味を持つロマリンダ。
 アメリカ・ロサンゼルスの一画にあるこの地域は、キリスト教の一会派であるセブンスデー・アドベンティストが中心となって作られました。
 原則的に、肉やこってりとした食べもの、たばこやアルコール、カフェインを含む飲みものなどを摂らない生活を送っているアドベンティストたちは、アメリカの他地域の人たちに比べて、長寿で健康な人の割合が多く、国立衛生研究所などが長い歳月をかけて様々な角度から「長寿と健康の秘訣」を研究してきました。
 その結果わかったことは、食事や運動といった生活習慣に加えて「安息日」と言われる週に一度の行事も精神的な健康面から大きく貢献しているのではないかということでした。安息日は「時間の聖域」とも呼ばれ、家族や友人などたいせつな人たちと自然の中でコミュニケーションをとることが優先されるため「こころのオアシス」を育む時間にもなっているようです。
 やはり健康には、からだとこころの両面からアプローチすることがたいせつなんですね。
  

ロマリンダの伝統的なライフスタイル

●食事
 肉類やこってりしたものをあまり食べず、全粒粉の穀類や野菜、果物がメインの食生活です。また、ナッツ類を習慣的に食べている人が多いことも特長です。
 夕食は早めに食べる人が多く、内容も軽めです。

<ナッツを美味しく食べるために>
 そのままでももちろん美味しいのですが、サラダに丸ごと入れたり、魚料理などに細かく砕いたものをまぶして食べるのもお薦めです。 

●運動
 ウォーキングや水泳などの「持久力系」「筋力系」に加えて、ヨガなどの「バランス系」、ストレッチなどの「柔軟系」をバランスよくおこなっているようです。
 激しい運動ではなく、定期的に長く続けられる運動がよいでしょう。
 
●価値観
 ボランティア活動に参加する機会が多く、他人に喜んでもらえることが生きる目的意識にもなっています。
 また、週に一度の「安息日」には、家族や友人たちと自然の中で神様に感謝する習慣があり、こうしたことでも「こころとからだのバランス」が整えられているようです。

アメリカのロマリンダにおける「健康と長寿のルール」

 ①野菜や果物、全粒粉の穀類を多く摂り、肉類はほとんど食べない

 ②ウォーキングなどの激しくない運動を定期的におこなっている

 ③夕食は早めに、軽く済ませている

 ④ナッツ類を多食している

 ⑤安息日に家族や友人らと楽しくゆっくりと過ごすことで、ストレスを発散させている

 ⑥ボランティア活動などを通して、人とのつながりを保っている

 今まで紹介してきたイタリア・サルディーニャ島や日本の沖縄県の長寿者と同じく、食べ物や運動といった「生活習慣」と、価値観などによる「心の持ち方」が、健康で長寿な人生に大きく影響していることがわかります。
 毎日の生活に「健康と長寿のルール」をぜひお役立てください。
 

参考文献 「ブルーゾーン」 ダン・ビュイトナー 著 (ディスカヴァー)

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