Vol.039 07月 10代の体内時計管理
「健康のための心がけ」をお話した時に、「規則正しい生活」というのがありましたが、皆さん憶えていらっしゃいますか?
今回は、この「規則正しい生活」にも深い関係が有る「体内時計」についてお話したいと思います。
すべては時間によって決められている!?
「何か調子が乗らないなー」とか「今日は頭が冴えてるねー」なんてことありますよね。実はこれ、ほとんどが決まった時間帯で起きていることなんです。
この「時間帯によって行動の調子が変わる」というのは「何をするにも良い時間帯と悪い時間帯がある」ということでもあります。
事務仕事が一番はかどる時間帯は?薬を服用するのに最も理想的な時間帯は?昼寝に適した時間帯は?体重がもっとも少ない時間帯は?・・・などなど、時間帯が身体に及ぼす影響を知ると、いろいろなことが見えてきます。
「すべては時間によって決められている」と言っても過言ではないかもしれません。
朝型?夜型?
よく「私は夜型だから朝が辛いのよ」とか「朝型人間だから夜がきつくて」とか聞きますよね。基本的にはこの「朝型・夜型」というのは、遺伝的な要素が大きいそうですが、本当に朝型という人は10人中1人、夜型は2人くらいだそうです。残りの7人はフレキシブル型、といってどちらでも対応可能なマルチタイプ。つまり、ほとんどの場合、自分の都合の良い型になったふり(?)をしているということになりますね。
ちなみに、本当の朝型、夜型を見分けるには、体温を計ってみる、という方法があります。体温がもっとも低くなる時間帯が午前3時30分くらいの人は朝型、午前6時くらいの人は夜型、です。
10代の体内時計
19歳までの成長期、思春期は、体内時計のリズムが目まぐるしく変わります。1歳から19歳まで、どんなふうにリズムが形成されていくのでしょうか?
1歳まで・・・昼と夜の区別がついてくる。親は昼間に積極的にコミュニケーションをとり、夜は様子を伺って授乳することで、昼夜のリズムをつけさせてあげることが大事
1~6歳・・・昼寝をする時期。適切なリズムを覚える時期なので、夜遅くなってしまった時でも、朝は早く起こしてリズムを整えてあげることが大事
7~12歳・・・外界の刺激に敏感なため、日中はとても活発的で、夜はすぐに眠くなる、というリズムがつく
13~19歳・・・体内時計が一度リセットされる。睡眠時間が不規則、不足気味になる
10代といのは、こんなふうに変化の激しい年代です。こうした中で、いかに規則正しく睡眠時間を確保出来るかがとても重要なんですね。
ちなみに成績の良い子は、睡眠時間が長い傾向にあるそうですよ。
睡眠時間が及ぼす影響
ネズミを使った実験で、睡眠をよくとっているグループと、寝不足気味のグループに分けてインフルエンザウィルスを注入したところ、睡眠をよくとっているグループのネズミには1匹もウィルスが確認されなかったのに対して、寝不足気味のグループからはウィルスが発見されたそうです。
また、45歳以上の人で、睡眠時間が4時間以下か、10時間以上の人は、毎日7,8時間寝る人よりも早期の死亡率が高い、という結果が出ているそうです。
睡眠は、多すぎても少なすぎても、良くないんですね。ちなみに、7時間睡眠の方が、長生きの傾向にあるらしいですよ。
体内時計は、太陽や月、季節といった自然のリズムに同調しています。気の遠くなるような永い年月をかけて受け継がれてきた遺伝子の中には、こうしたリズムが刻み込まれています。
自分の身体の内側の声に耳を傾けてみることで、規則正しい生活の重要性がわかってきます。人間も自然の一部。太陽と共にある生活を理想としたいですね。