Vol.132 04月 「氣」の中に「米」がある理由(わけ)
少しずつ暖かい日が増えてきました。春も、もうすぐですね。
今月も引き続き「漢字から学ぶ健康のコツ」をお楽しみください。
大切な栄養素の宝庫「豆」
日本人は昔から「豆」をとてもたいせつに扱ってきた民族です。
大豆を発酵させて作る味噌や醤油、納豆などは、健康・長寿で知られる日本人の食文化の代表として、海外にも広く知れ渡っています。
私たち日本人が、どれだけ「豆」を大切な食べものとして扱ってきたかは、次のような漢字にも表れています。
頭・・・・・・・・豆を食べると頭がよくなる
喜ぶ・・・・・・豆を食べるとからだが喜ぶ
豊か・・・・・・豆を食べるとこころが豊かになる
嬉しい・・・・豆を食べると嬉しくなる
登る・・・・・・豆を食べると山に登るための体力がつく
厨(くりや)・・食事を作るたいせつな場所
これから発芽して成長し、また新たな生命を育むためのエネルギーが凝縮されている「豆」。ひとつの生命体を育むための源をいただくことは、食べものを丸ごといただく「一物全体」という東洋医学の考え方にもつながります。
小さな一粒の中には、生命体を維持するために必要な栄養素が自然そのままの理想的なバランスで含まれているのです。
豆を食べると「まめ(忠実と書きます)」に動くことができます。
こまめに動くと、足腰の筋肉が衰えづらいので、いつまでも健康でいられます。
まめに豆を食べて、こまめに動きましょう。(ややこしいですか?(笑))
「氣」の中に「米」がある理由(わけ)
私たちの周りには「氣」という文字を使った言葉がたくさんあります。
元氣・やる氣・氣持ち・勇氣・氣遣い・氣配り・氣品・氣質・平氣・根氣・陽氣・氣配・氣まま・氣さく・氣楽・空氣・天氣・・・・・などなど。
歴史学者で北里大学名誉教授の立川昭二先生は、著書『「気」の日本人』の中で次のように述べています。
「かつて「聞く」という言葉は「気来(きく)」が語源だった。相手の「気」が自分のところまで「来る」から「聞こえる」と考えた。」
先人たちは、こうした様々な言葉の語源としても「氣」という文字を使用してきたんですね。
昔から、毎日の生活の中でこれほど頻繁に使われ続けてきたのは、「氣」が私たちのおおもとの生命エネルギーを表している漢字だからでしょう。
このことは、東洋医学で体内を循環している3つの要素を「氣・血・津液(き・けつ・しんえき)」とし、「氣=生命エネルギー」のように使っていることからもわかります。
これほどたいせつな「氣」の中に「米」という文字が入っているのは、先人たちが主食の米に秘められているパワーに氣づいていたからだと思われます。
米は稲(いね)。「いね」は「命の根(いのちのね)」という語源から生まれたとも言われています。
米をいただくことは、氣を育み、命を養うことでもあったんですね。
<米食のススメ>
食生活において、油脂類、砂糖類の割合が多くなってきたことは、生活習慣病の大きな要因と言われています。
主食がパンの場合は、バターやジャム、サラダにはドレッシング、ハムエッグなど、どうしても脂や砂糖を含んだ副食になってしまいがちですが、主食がご飯になると副食には味噌汁や漬け物、お浸し、焼き魚、納豆、豆腐などが並びます。油脂類や砂糖類の摂取量は、米を主食にするだけでグッと抑えられる、というわけです。
参考文献
「健康の基本~心と体を健康にするカンタン習慣63」
鳴海周平 著・帯津良一 監修(ワニ・プラス刊)
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「健康の基本~心と体を健康にするカンタン習慣63~」(1,400円+税)
鳴海周平・著 帯津良一・監修
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