Vol.242 6月 自然界の高周波音(ハイパーソニック・エフェクト)で氣を養う
自然界の高周波音(ハイパーソニック・エフェクト)で氣を養う
このコーナーでも何度か紹介したことがある『養生訓』。江戸時代の儒学者・貝原益軒さんが書いたこの本は、なんと300年も読み継がれている超ロングセラーです。
健幸・長寿を自ら体現した益軒さんの「健幸のコツ」を、あらためて学んでみたいと思います。
前回は『養生訓』のなかで、益軒さんが「健幸の秘訣」として「氣を上手に養うこと」のたいせつさを繰り返し述べていること。そして、その方法として「氣」に通じる音霊の「樹」を通して、癒しのエネルギーと交流するコツをご紹介しました。(エヌ・ピュアホームページ「こころとからだの健幸タイム」からご覧いただけます)
森林セラピーという健幸法としても知られている、森の樹々とのエネルギー交流。
なぜ、樹々との交流が癒しになるのか、伊勢神宮・禰宜の吉川竜実さんとの対談から抜粋してご紹介します。
森のなかは自然界の高周波音 (ハイパーソニック・エフェクト)に溢れている
吉川竜実さん(以下、吉川)
伊勢神宮の森の面積は5500ヘクタールで、パリ市街や世田谷区とほぼ同じ面積です。そこに約2800種の動物や、約140種類の鳥類が観測されていて、植物にいたってはイギリスの50倍もの種類があると云われているんです。こうした豊かな生態系が残る伊勢神宮は、まさに「自然界が自然のまま存在している場所」といえるでしょう。
鳴海
じっさいに神宮の森を歩いてみると、そうしたことがよくわかります。
鳥のさえずりや虫の鳴く声、五十鈴川のせせらぎ、葉ずれの音。そこにいるだけで心身が癒されるのは、僕たちもまた自然界の一部だということでしょうね。
吉川
おっしゃるように、神宮の森を歩くとさまざまな音に出会います。
じつは以前、世界各地の環境音を分析調査している脳科学の研究グループが神宮の森に来て、この森には「聞こえない音」も溢れていることがわかったんです。
ふだんは気づかないコオロギが羽をすり合わせるかすかな音や、風が木立をそっと通り抜ける音といった耳では聞き取れない高周波の音を「環境音」といい、この音が生きものの脳やからだに与える効果を「ハイパーソニック・エフェクト」と呼ぶのだそうです。
人間は、ハイパーソニック・エフェクトを全身に感じることで、ストレスが軽減されて精神のバランスが調整されたり、免疫力が上がったりすることもわかっています。
鳴海
高周波の環境音には、心身を癒す効果があるんですね。
(『ぶんぶん通信』より抜粋)
豊かな生態系がそのまま残る「神宮の森」ほどではなくても、身近な公園や森のなかにも自然そのままの高周波音(ハイパーソニック・エフェクト)は溢れています。
初夏の新緑が氣持ち良い季節。近くの公園や森などをのんびりと歩きながら、高周波音( ハイパーソニック・エフェクト)によって、氣を上手に養ってみてください。
参考文献
『養生訓』 貝原益軒
『貝原益軒 養生訓 最後まで生きる極意』帯津良一 著(朝日新聞出版)より
『ぶんぶん通信』 (エヌ・ピュア刊)